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メッセージ

ARRIVAL
製作国: アメリカ
配給: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

    メッセージ の映画レビュー (最新順)

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    全23件
    • 3.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
       
       
      自宅にて鑑賞。原題"Arrival"。所謂ファーストコンタクトもので、大きなネタバレをするなら次元や時空を自在に操る存在が登場するループした物語──これだけ聴くと、『コンタクト('97)』や『インターステラー('14)』辺りを想起するが、本作は冒頭からミスリードを誘うトリックが仕掛けてあり、一見錯綜する様な作りに翻弄され、後半迄殆どそれに気付けなかった。画面や表現が詩情的で個性的ではあるものの難解ではない。ただそもそも“ヘプタポッド”が出現しなければ、混乱は無かった筈で、その点に矛盾を感じた。65/100点。

      ・本作のもう一つ大きなファクターとしてコミュニケーションがある。同じテーマとして『バベル('06)』と比較してみると違いがよく判る。『バベル('06)』では、言語を通し分断され混乱して行く様を通し、意思疎通の難しさが描かれている。一方、本作では“ヘプタポッド”の円形の表記法(文字)が象徴する様に疎通や伝達が理路整然とし、閉ざされ、円滑で簡潔に以心伝心が図れており、ループする物語と相俟って、或る意味完成された印象を受ける。

      ・製作時のワーキングタイトルはT.チャンの原作『あなたの人生の物語 "Story of Your Life"』であったが、テスト試写の際、ウケが悪かったので『メッセージ "Arrival"』に変更された。原題では何が到着・到来したのか、何に到達したのかと思巡すると趣深いが、その意味で邦題は相変わらずニュアンス違いで、ピント外れに思える。亦、運命論や宿命で本作を計ると、解釈が胆略的で簡潔になる反面、本作の持つポテンシャルや魅力が半減するのではないだろうか。

      ・劇中に登場するネーミング、“アボット”と“コステロ”とは、'40年代~'50年代に活躍したバッド・アボットとルウ・コステロによるお笑いコンビで、“凸凹”シリーズとして23作の映画に出演、'60年代には二人を主役にしたTVアニメも製作されている。T.チャンの原作では“フラッパー”と“ラズベリー”と名付けられている。尚、イタリア版では、“トム”と“ジェリー”に替えられており、途中言及されるシーナ・イーストンもピンク・フロイドに変更されているが、孰れもイタリア国内の知名度を考慮しての判断らしい。

      ・音楽のJ.ヨハンソンは過去に『プリズナーズ('13)』、『ボーダーライン('15)』で監督と組んでおり、本作では監督の意向で、本篇撮影前に劇中曲の録音を始めている。このコンビは最新作『ブレードランナー 2049('17)』でも四度、タッグを組んでいる。

      ・ループと云えば、登場する“ハンナ(T.チャンの原作には名前が無い)”が回文(Hannah)になっているが、“イアン・ドネリー”を演じたJ.レナーのファミリーネーム"Renner"も回文を成している。

      ・“ヘプタポッド”の乗る艦のデザインは、実在する小惑星“15エウノミア”が元になっている。これは監督が奇妙で不思議な卵の様なフォルムに惹かれ、脅威と謎を感じさせるとして採用された。T.チャンの原作では“ルッキンググラス(姿見)”と名付けられ、米国だけで9隻、世界中に112隻も出現する。尚、栗山米菓のスナック煎餅菓子“ばかうけ”との類似は偶然である。

      ・A.アダムス演じる“ルイーズ・バンクス”がホワイトボード上に、何処から何を目的に来たかと書く真上には、エントロピーの有名な公式が見える。T.チャンは、A.アインシュタインの「過去・現在・未来の区別は単なる幻想にすぎない "The distinction between the past, present and future is only a stubbornly persistent illusion."」と云う名言を、常に念頭に置いて原作を書き上げたと云う。亦、T.チャンによると、そもそも本作は、変動原理とフェルマーの原理(最小時間の原理)にインスピレーションを得て、創作したと語っている。

      ・本篇に登場するヘルメットは、サンストローム社製の呼吸用保護具ユニットを改造したものを使用している。亦、監督の娘サロメ・ヴィルヌーヴ(Salome Villeneuve)は、化学防護服のスペシャリスト "Hazmat Suit Specialist"としてクレジットされている。


       
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      2017/09/18 by 三多羅 格

      「メッセージ」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ クール

      ネットで視聴(英語字幕)

      原題が「Arrival」なのに、邦題が「メッセージ」となっているのがおもしろい。

      原題のArrivalには、「到着」という意味のほかに、「出現、出生」という意味もある。映画を観た人なら、なるほどと思うだろうが、日本語でそのニュアンスを伝えのは難しい。

      邦題を考えた人は、そのあたりも考慮して、かなり工夫してつけたように思える。

      イアンを演じるジェレミー・レナーは、アベンジャーズのホーク・アイの人。
      そのイメージが強すぎて、数学者に見えなくて困った(笑)。

      宇宙人到来による世界の危機と破滅を静かに描く。
      見終わった後の余韻が深い。

      考えてみれば、人の死や別離は、誰にでも訪れる確定した未来である。
      われわれはよく考えないまま、それは霧の中にある未確定の事柄のように思っている。
      彼女の選択と決断は、彼女一人だけに訪れた事態のように思えるけれども、じつはわれわれ一人一人も、自分の死という確定した未来の前で、日々刻々、同様の決断を迫られているのではないだろうか。
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      2017/09/02 by Raven

      「メッセージ」のレビュー

    • 4.0 ハラハラ クール

      会社帰りに、日本橋のTOHOシネマズで鑑賞(会員登録も実施)。初めての映画館だったけど、結構混んでる。
      作品的には、かなり高度で知的なSF作品という感じか。随所に現れる娘との思い出のフラッシュバック。観終われば、なるほどそういうことか合点する。
      未知なるものへの恐怖から、先制攻撃への思いに駆られる衝動。分からないでもないが、その短絡的な行為が悲劇的な結末を導くこともあり得るということをよく認識しなければならない。もし、今この状況が起きたとするならば、某国大統領は、対話を試みることなく、迷わず先制攻撃を仕掛けるのではないかと推察する。 >> 続きを読む

      2017/08/15 by 321

      「メッセージ」のレビュー

    • 評価なし

      宇宙関連SFですが、とても物静かでジワジワと身体に入り込んでくるところがとても上手い作りになっています。科学的なところも叙情的で哲学的な部分も兼ね備え最高です。宇宙人と戦ってイェーイ!な映画が好きな方にはお薦めできません。邦題がなぜメッセージなのか…原題のままが意味深いのに、うすっぺらな邦題になって残念です。

      2017/08/05 by pankichi

      「メッセージ」のレビュー

    • 3.0 クール

      テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」の映画化ということ自体が驚きでしたのに。
      『ブレードランナー2049』を制作するドゥニ・ヴィルヌーヴが監督だと知り、私にとって必見の映画となりました。

      まず、原作小説がものすご~くオリジナリティの高い作品であることを断言しておきます。
      言語学をテーマにした小説であり、4次元を考察した小説であり、2人称小説に挑戦した小説でもあるのです。

      これをいったいどう映画化するつもりなのか?
      全く思考基盤の違う知的生命体の文字をどのように解釈し視覚化するつもりなのか?

      感想としては映像の美しさ、見せ方の面白い発想、エイミー・アダムスの演技の妙味など良かった点が多々ありましたが
      エンタメ作品として映像で人を惹きつけなければならないという「制約」が原作のムードと全く別の世界にしてしまっていることが残念でした。

      つまりよくあるビジュアル、よくある社会問題へと安易な衣替えをしてしまっている。
      一般大衆が期待しているであろう(と映画関係者が勘違いしている)見てくれをまとって、
      「SF映画らしい」リアリティを出すため?に「SF小説」のもっているシュールさを犠牲にしている。

      原作では宇宙船も宇宙人も地球には来ないんです。

      鏡に似た双方向映像モニター「ルッキンググラス」の奥に「存在」する宇宙人の姿と交信する仕組みです。
      そしてヘプタポッドと呼ばれる宇宙人のサイズも化け物的に巨大であることもなく、もっとかわいいサイズで姿も滑稽です。

      こういう「しょぼい」映像では許されないと思ったのでしょうね。

      それにしても、映画の宇宙人は知的生命体に見えましたか?
      ああいう扱いはとても残念ですね。
      違う価値観、異なる生命原理の生き物は人間から観たら想像外の奇妙な外観をしているかもしれません。本作でもそうです。でもその姿には必ず「意味」があります。
      また、知性や徳性というものが相手に伝わることこをがコミュニケートではないでしょうか?
      それができていたのは「ET」だと思います。
      彼はちゃんと感情や知性を表現していましたよね。

      ストーリーにも改ざんがありました。
      この宇宙人は国際問題にはならないのです。もちろん中国の活躍なんてのもありませんよ。
      (あれではまるで「オデッセイ」の焼き直しじゃないですか)
      なぜならば、地球上のあらゆる場所にその「鏡」は出現していて、もはや国家機密にはなりえないレベルなので、各国がまちまちな対応を始めちゃっている訳です。

      それをハリウッド的なちゃちい国際問題にしてしまっているところが逆に物語のスケールを小さくしてしまいました。
      12基の宇宙船の渡来だなんて。宇宙人がいったいどういう基準でどこの国を選んだんだよという嘘くさい話ですよね。

      この映画を「よくあるパターン」と感じた方はぜひ原作を読むべきです。
      ほとんど出会ったことが無い小説なはずですから。
      作中でフェルマーの原理の解釈に出会った時のひらめくような感動が、ミステリーに似た世界のどんでん返しの感覚が、この映画に欠けていることが最大の弱点です。

      原作のテーマは異星人対地球人ではなく、認知や思考方法を地球的拘束から解き放つことです。

      異星人が地球になにか具体的な「メッセージ」を伝えるために、言語の壁を破ろうと来訪したわけでもない。
      地球の平和のことなんか考えていませんし、地球人が彼らにとって重要な助けになるなどとも考えていません。
      彼らは4次元の生命体なので時系列的に逐次的に物事を考えることはありません。
      原因や結果に関わりなく、やると定められていることをやるのみです。

      最大の苦労と思われ、その苦労は理解できましたが、そして美しさには驚きましたが、
      表音文字ではないヘプタポット語を原作の通りに描けていたとはとてもいえません。
      それは立体的な曼陀羅のようでなければならないのでした。
      これは原作者が中国系で漢字を知っている事にヒントがあるかもしれません。
      よって日本人にもとてもよく理解できる部分なのですね。
      四字熟語なんか一目で意味が分かったりするじゃないですか。あれに似ています。

      ところがアルファベット文化の人たちには表意文字のことがてんでわかっていないのですね。
      ようやく得たアイディアが円環というものでした。
      これが限界なのかもしれません。


      人間の思考や感情や知覚能力は原語が基盤になっており、異なる言語を真に理解することは
      その言語を使う民族の精神性を理解することに繋がります。
      ここで描かれるのは一歩越えて、言語によって能力も獲得できるのではないかというアイディア――
      4次元生命体である宇宙人の言語を理解し獲得することは4次元的思考、ひいては4次元の世界を手にすることに匹敵するのです。
      映画の中にフラッシュバックのように子どもとのふれあいや、死のシーンがでてきますが、
      これはすべて『まだ起っていない未来』のことなのです。
      言語学者は不完全ながら4次元を体感する能力を獲得するのでした。
      そしてラストの展開へと繋がり、初めて私達は、「あなた」の存在の真実を悟るのです。

      この映画によって私の原作の誤読部分を確認修正できたことは最大の功績です。

      さまざまな改悪(としか思えない)部分はありますが、
      それでも脚本、監督は「あなたの人生の物語」をきちんと理解していることは間違いないと思います。

      映画って素晴らしいものですが、人の想像力には届かないものであることも真実なのですね。
      これがハリウッド映画なんかではなくて低予算の映画だったならよかったのに。
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      2017/07/18 by 月うさぎ

      「メッセージ」のレビュー

    • > 映画って素晴らしいものですが、人の想像力には届かないものであることも真実なのですね。

      もちろん素晴らしい映画も有りますが、どちらかと言うと想像力を発揮できる読書の方が好きかなぁ。
      >> 続きを読む

      2017/07/19 by ice

    • iceさん
      映画監督さんや美術さんの想像力のすばらしさに感動することもとても多いです。
      でもこの原作小説は非常に高度な想像力をもって描かれたSFなんですよね。
      作者の知的レベルは半端ではない。そこに追いつくために読者も必死に読む。
      ですから映画の世界の「ありきたりさ」に茫然とせざるを得ないのです。
      宇宙人が地球を一つにして世界平和を実現するために12の先進国を選んで情報をパズルのピースのようにばらまいてくれた…ありがたや。
      なんて、原作のどこにもないんですよっ!
      四次元体験はどこへいった!四次元は!(`・ω・´)ノ彡☆バンバン!

      他の映画に比べたら決して劣った作品ではありませんでした。
      小説が凄すぎたんです~(T_T)
      >> 続きを読む

      2017/07/20 by 月うさぎ

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