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万引き家族

万引き家族
©2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
6月8日 TOHOシネマズ日比谷他全国ロードショー
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公開: 2018/06/08
監督:
製作国: 日本
配給: ギャガ
日本アカデミー賞最優秀作品賞他全6冠受賞『三度目の殺人』の是枝裕和監督最新作!
家族を描き続けてきた名匠が、“家族を超えた絆”を描く衝撃の感動作!

STORY

高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。
冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。
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    万引き家族 の映画レビュー (最新順)

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    全17件
    • 5.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      楽園追放だと思った。
      あの極貧でガラクタにあふれた平家を「楽園」というのは我ながらどうかと思うけれど。

      まるで魔法がかかっているような空気だったな。
      あの”家族”が作り出している空気が不思議に温かい。
      考えてみたらあの家族には不思議なほど暴力も支配も性的な圧力もないんだ。
      そう、意外なほどそういう側面ではちゃんとした家族だよ。

      それに対して、家の外はあまりに残酷だ。耐えられない人は捨てられる。

      虐待を受けていた子を家に連れてきたことが物語の導入になっているのだけど、物語が進むに連れ他の家族も「捨てられた人」であることが明らかになっていく。
      初枝は夫から捨てられた人だし、亜紀は機能不全家族の中でいないことになっている。祥太もりん(じゅり)も家族から見捨てられた子どもだ。治と信代の夫婦は失職している。
      彼らは皆社会から捨てられた人だ。福祉も彼らを見つけることはない。

      捨てられた人間が肩を寄せるように生きていた空間があの家だ。あの不思議な優しさはまさに魔法だろう。

      しかし、魔法は解ける。人は楽園に住むことを許されない。

      きっかけは柄本明演じる駄菓子屋の主人が万引きした祥太にかけた一言だ。少年はこの家族のあり方に疑問を持ち始める。駄菓子屋の主人はさしずめ智恵の実を与えた蛇とでも言おうか。

      そして、かろうじて家族を社会につなげていた初枝の年金が、初枝の死によって失われようとした時、魔法は綻びを見せ、ついに、ある事件をきっかけに破綻する。

      見事なまでに世界が反転するのだ。
      ”優しい家族”がアンモラルな人々の集まりに変わる。

      だが、彼らにぶつけられる倫理規範の何と残酷なことだろう。
      何という残酷な眼差しを彼らに向けているのだろう。

      取り調べシーン他多用される正面からのショットは、そういう眼差しを向けているのは他ならぬ我々であることを突きつけられているようで、前半の優しさと対照的に息苦しいほどだ。

      ”家族”はバラバラになり、じゅりは虐待家庭に戻される。世間は彼女に見向きもしない。血の繋がった家族という常識さえ守っていれば安心とでもいうように。

      ラストの祥太と治の別れのシーンは、『そして父になる』を思い出した。あの映画は植え込みを挟んで道を歩くロングシーンが父と息子の距離が近づく心情を見事に映像化していたけれど、このラストは祥太の乗ったバスを追いかける治の姿がを彼らの距離を描いていて切なかった。

      魔法は解けた。偽りの家族は消えた。知恵の実を食べた少年は生き延びるかもしれない。だが、魔法を必要とする人がいるのだ。世界が残酷であるならばどうしてその心情を責められよう。
      願わくば優しい世界を我らに。
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      2018/10/14 by kurizunb

      「万引き家族」のレビュー

    • 4.0

      ノベライズ版の存在でようやく色々と理解できました。

      後からジワジワきますね。

      色々な方向から緩く弧を描く矢がひゅーんひゅーんと飛んでくる感じ。



      タイ北部でたった一度だけの劇場上映。

      満席でした。
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      2018/09/01 by ayumi_veve

      「万引き家族」のレビュー

    • 5.0 切ない

      第71回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したというニュースの後に観に行きました。ミーハーです。
      この映画に最高の賞を与えた映画人たちに感嘆です!
      いわゆるヒューマニズムの作品ではありません。
      映像美も斬新的な手法も大金をかけた作品でもありません。
      それでも「人の温かさ」というものは、世界中で伝わるものなのだという事実に、温かな気持ちになれました。
      この映画に感謝です!

      一方、肝心の日本人や社会でこの映画についてのトンチンカンな感想があちこちにあって、本当に謎です。
      確かに彼らは社会的には犯罪者です。貧乏です。
      でもそれはその人の全人格を代表する特性ではない。
      人にも社会にもいろいろな要素、側面がある。当然のことです。

      金銭的に恵まれている品行方正な人が善人とは限りません。
      全面的に清廉潔白な人がいるものでしょうか?
      むしろ、心に負い目をもっている人のほうが、他人に優しくなれるのかもしれない。そう思いませんか?

      ここには、時にはとても優しくなれる人が出てきます。
      いいんじゃないですか?時々でも超優しくなれるなら。
      きれいごとばかりで手を汚そうとしない見ざる聞かざるの人よりも
      警察のトンチンカンな上から目線もいかにも。うまいです。この演出。
      と、思ったら、この部分の脚本、自由演技なんだそうですね。

      安藤サクラさんの演技、存在感には、本当に魅了されました。
      素晴らしいです。
      せつなさ、ぶっきらぼうな優しさ、達観した強さ。
      彼女の別の出演作が観たいと真面目に思いました。


      樹木希林さんが「あんた、きれいねぇ」「え?何が?」「顔が」
      という会話もアドリブらしい。
      この映画は監督と役者とがともに作り上げた共作なんですね。
      作り物めいた感じがまるでないのです。

      でもって、無駄な説明がない。
      なので、解釈する力や想像力が無い方は誤解も激しいみたい。

      クリーニング業界が「クリーニング工場で使用されるアイロンは100度前後が設定温度です。あそこまで跡が残るほどの火傷はあり得ません」などと反論しているそうです。
      私は、これは、彼女も親から同じ虐待を受けたことがあるという言わずもがなの表現だと受け取りました。
      これは、そういう受け取り方もできるというあいまいな部分ですが、でもありえる解釈です。
      同じ位置にあるアイロンの火傷。
      仕事のための怪我だとは彼女ももちろん言っていません。
      場所的にも傷の形も同じ怪我。
      ならば原因も同じなのではないですか?

      クリーニング業界の方とやらは、真面目に映画を観たのでしょうか?

      それと、犯罪を犯せば最後はやはり幸せになれないのですね。
      なんていう映画の落ちをつける人。
      あなたはディズニー映画だけ見ていればよろしい。

      「万引き家族」は離散となりましたが、いわゆるバッド・エンドではないです。
      彼らが寄り添った「家族の記憶」はこの後の彼らの人生の礎になります。
      家族って何だろう?人の優しさってどういうものだろう?人と人のつながりとは?
      留置所に居ながら、楽しかったからいいんだ。とさらっといえる心の強さに人としての品格を感じました。


      その後の人生は続くのです。映画の終わりが最後じゃない。
      でしょう?
      >> 続きを読む

      2018/08/15 by 月うさぎ

      「万引き家族」のレビュー

    • 5.0 泣ける 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      スーパーに入る治が籠を取り、祥太と共にゆっくりと生鮮食品の間を抜けていく。

      二人で品定めをしながら店内を歩いて、防犯カメラや鏡や店員の目を掻い潜り、商品をリュックサックの中に落とす。

      万引き、それが、治と祥太の「仕事」だ。

      そうして帰り道、熱々のコロッケを頬張りながら、今日の成果を話していた時だ、「その子」はいた。

      二月の寒空の下、ベランダに薄着で、たった一人、小さな女の子が。

      「またいる」と治は呟いて、けれど祥太は早く帰ろうとせかす。

      でも、治は聞かずに、女の子に尋ねる「コロッケ、食べる?」

      その日からその女の子は祥太の妹になった。

      万引き家族、名前からしてセンセーショナルでしたが、内容は現代の日本の土台の下を覗き込むようなお話でした。

      年金暮らしの「祖母:初枝」を筆頭に、クリーニング勤めの「母:信代」、日雇い労働者の「父:治」、風俗勤めの「姉:亜紀」、そして万引き見習の「弟:祥太」と「妹:ゆり」。

      全員が全員、血の繋がらない家族が東京の片隅で、狭い一軒家に忘れられたように暮らしていた。

      「妹」のゆりを連れて来て、最初は喧嘩をしていた信代と治もゆりの本当の父母が毎夜凄まじい喧嘩を繰り広げているのを見て、ゆりを返すのをためらう。

      特に信代は自分が両親と上手くいっていなかった過去を思い出し、ゆりを返すことを拒んで、可愛がるようになる。

      最初の頃こそぽつんと一人でいたゆりも、次第にこの家族の中へと溶け込んでいく。誰にも叩かれず、罵倒されず、そして温かくゆりを迎え入れてくれた存在だったからかもしれない。

      初枝は歯に衣着せぬ物言いの辛辣な老婆だが、ゆりにワンピースを縫ったり、事あるごとに気にかける。

      治はゆりに万引きの手ほどきをし、彼女にこの家での居場所を作ってやろうとする。

      亜紀もまた、小さく幼いゆりを可愛がる。

      しかし、祥太だけがすぐに妹だぞ、と言われたゆりの存在を受け入れられないでいた。

      治のことは信頼している、初枝も好きだ、もちろん信代も、亜紀も。

      でも、いきなりできたゆりの存在が祥太には引っかかる。いきなり妹だと言われても、すぐには受け入れられないし、治が万引きを教えているのが嫌だった。治を取られたみたいで、気に食わない。

      けれど、ゆりはへそを曲げて帰ってこない祥太を玄関先でずっと待ち続けていると治に聞かされて、へそを曲げるのを辞めた。

      そうして、ゆりにお兄ちゃん、と呼ばれることを許して。

      けれど、祥太はまだ治のことを父さんとも信代のことを母さんとも呼べずにいた、祥太もまた拾われた子どもだったから。

      生計を立てるのは祖母の年金と母と父の給金と、万引きしたもので賄われている。けれど、どう見ても貧乏で、生活はカツカツ。狭い部屋は物で溢れ、清潔さも綺麗さとも縁遠い。

      福祉の手も、行政の手助けも、他人の善意も、何もかもがこの家族からは遥か遠く、そして世間から浮島のように離れている。

      でも、それが日本で起こっている現実でもある。この国ではひとたび足を滑らせれば、あっという間に「普通」を失ってしまう。どんなに頑張っても這い上がれることができなくなってしまう。

      そんな見捨てられた人々の寄せ集めが、「万引き家族」なのだ。

      でも、この家族は温かいと思う。血の繋がらない相手ばかりの寄せ集めの集団なのに、一緒に食事を囲み、仕事の成果を尋ね、恋愛話をし、時にふざけあって、共に海に遊びに行き、そして、みんなで一緒に眠る。

      誰も相手を罵倒しないし、嘲弄しないし、気に掛けながら一定の距離を保って、深く立ち入らない。

      それが他人だからだと言えば、そうだろう。だからこそ深く立ち入らない、相手をそれなりに尊重するのだ、と。

      映画の中では何組かの家族が出てくる、血のつながった家族が、でも万引き家族よりもいい家族には見えない。

      犯罪を犯している、まともじゃない、でも、寄せ集めの家族の中にはある種の理想の家族像が見えた。

      だとしても、それも長くは続かなかった。

      初枝が亡くなり、祥太がゆりの万引きの失敗を被る形で、呆気なくかこの「家族ごっこ」は終わりを告げる。

      信代と治は捕まり、祥太は万引きで逃げた際に骨折し、入院。

      ゆりは保護され、実母の元に返された。

      世間はこの寄せ集めの家族を追いかけ回し、連れ戻されたゆりは不機嫌な実母の下に戻り、祥太に貰ったビー玉を光にかざした。

      コロッケを食べた、海に行った、祥太とセミを見た、万引きをした。

      ゆりはたった数ヶ月共に暮らした「家族」を思い出す、偽者の、でも、ゆりにとっては、たぶん忘れられない家族を。
      >> 続きを読む

      2018/07/29 by hano

      「万引き家族」のレビュー

    • 4.0

       是枝監督の映画は「そして父になる」「三度目の殺人」の二本しか見ていないけれど、家族とは何かを問いかけ続けているように思う。

       本作では、共に寄りそう集団と、家族との違いは何かを考えた。
       親から虐待される子どもを連れてきてしまったのは、家族ではない者同士の寄せ集まりだった。
       万引き常習犯の、その日暮らしの疑似家族。
       彼ら、彼女らの思いの断片から、この集団の形成過程が垣間見える。
       そして、おしまいは唐突に。

       「そして父になる」のラストは、ぎこちないながらも家族を作っていこうとする父親の姿だった。

       「わたしたちじゃあ、家族になれないんだよ」というセリフで突き放す。
       その先にいるのは、本当の家族だけど、それでよかったのか。
       
      >> 続きを読む

      2018/07/23 by ホースケ

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