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このレビューはネタバレを含みます。 この映画「カンゾー先生」は、「うなぎ」でカンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞した今村昌平監督が、坂口安吾の「肝臓先生」に、「堕落論」「行雲流水」を組み合わせて一編の物語を創出した人間ドラマの傑作だ。一生懸命に生きる人間の姿は、時に滑稽でもの悲しいが、いとおしくもあり気高くもある。この映画は、そんな人間の生の不思議さを飄々と描いて、いつまでも深く心に残る優れた作品だと思う。昭和20年、敗戦間近の瀬戸内の田舎町で開業医をする赤城風雨(柄本明)。彼は何でも"肝臓病"と診断することから「カンゾー先生」とあだ名されている。野生児のような女の子、ソノ子(麻生久美子)を預かるはめになりながら、物資の不足する戦時下で、世間的には知られていない肝臓病を撲滅しようと奔走する。そんなある日、ソノ子が怪我をしたオランダ人脱走兵(ジャック・ガンブラン)を医院に連れてきてしまう----。物語は、一見対立する概念があちこちでぶつかり合う。のどかな田舎町を覆う戦争の狂気。肝臓病の原因解明の使命に燃える赤城の正義感も、やがてものに取り憑かれたように狂気じみて行く。この赤城を取り巻く仲間であるモルヒネ中毒の外科医役の世良公則や、破戒僧役の唐十郎らの怪演も、"正義と狂気"が表裏一体となり、混沌とした世界を際立たせていて、非常に面白い。やがて自らの過ちを悟り、町医者として再び患者の治療に全力を尽くす赤城。往診のため赤城が歯を食いしばり、ガニ股で全力疾走する姿は、物語の節目に何度も現われる象徴的なシーンだ。シンバルのリズムで始まる軽快さと不安定さを併せ持つ、山下洋輔のジャズが見事にそのシーンにハマっている。一生懸命ひた走る赤城の実直さとソノ子の持つおおらかな性の意識が、この作品をバイタリティーあふれる"生の希望"へと誘うのだ。そして、ファンタスティックに飛躍するラストも全く違和感がない。喜劇でもなく、悲劇でもなく、今村昌平監督の思いが自由にあふれ出た、見事な人間のドラマになっていると思う。 >> 続きを読む
2017/01/27 by dreamer
「カンゾー先生」のレビュー
敗戦間近の日本で開業医の赤城は患者の病気を何でも肝臓病と診断する。そのせいか周りの人たちはカンゾー先生と赤城を呼ぶ。この敗戦間近という時代が重要なキーワードであり、当時の肝臓病の解決方法が見つかっていない。だからこそ赤城の肝臓病に対する研究意欲は患者の死をも実験体へと駆り立てる。今村昌平監督としては病気を喜劇として演出しており、ふとした力を抜ける笑いが有り難い。戦争の影がちらつく悲劇は喜劇と紙一重の点が実に巧い。主演の柄本明もこの役にはピッタリだし、野性味あふれる麻生久美子も実に瑞々しい。戦争を側面から見るという意味では秀作だ。 >> 続きを読む
2016/02/16 by オーウェン
オーウェンさん 若き日の麻生久美子のお宝〇ー〇シーンが衝撃でした!!
2016/02/16 by チャミー
独特な描き方。ある意味深くてよくわかりませなんだ。
2015/11/17 by kaiteru
今回はじめて鑑賞。わりと有名な映画だと思うけど、結構微妙な感じ。この映画は麻生久美子さんの出世作として知られてるけど、この時にはものすごく野生児のような役柄を演じていたのね。後の彼女のイメージ(個人的には「アイデン&ティティ」の菩薩のような女の人の役柄が忘れられない)とはだいぶ異なるので、ちょっとびっくり。お宝映像も有って、ファン必見というのは、こういうことだったのですね(^^ゞ。それにしても、戦争末期の混乱期の話だから映画自体も意図的にとっちらかった作りにしているのか、どうも焦点が定まらない印象だし、何より(麻生久美子さん以外の^^;)主要登場人物に共感できるキャラが全然いないのがなあ。山下洋輔が音楽を担当しているのが、個人的にはうれしい。カンゾー先生が走るシーンで必ず流れる曲のメロディが、拍の頭に入らないで、一個一個食って入るところが、どんどん前に行く姿を表現しているんだよね、たぶん。 >> 続きを読む
2015/02/08 by GEA01171
> カンゾー先生忍者ハットリくんの本名は、ハットリカンゾウだったよなぁと久々に思い出しました。 >> 続きを読む
2015/02/08 by ice
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