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イン・ハー・シューズ

In Her Shoes
ジャンル: ドラマ , ラブロマンス
公開: 2005/11/12
製作国: アメリカ
配給: 20世紀フォックス

    イン・ハー・シューズ の映画レビュー (最新順)

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    全8件
    • 4.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      心配する親と心配させる子との関係は、相互的であり、子供も子供ならば、親の方も子供に関心を向けすぎるから心配がたえない。

      それは、単なる心配でなく、子供への愛情であり「思いやり」でもあるのだが、そのパワーが強すぎると、裏目に出ることもある。

      カーティス・ハンソン監督の「イン・ハー・シューズ」は、ストレートにこういう問題を出しているわけではないが、根底に、ユダヤ・ファミリーの「おばあちゃん」の「家族愛」の強すぎる「弊害」と「恩恵」の問題が隠されている。

      うっかりすると、日本では、この映画が、ユダヤ系ファミリーの話を扱っていることがわからないかもしれないが、この点を押さえないと、この映画のタイトルの意味もわからないだろう。

      マギー(キャメロン・ディアス)は、30歳になろうとしているのに、腰のすわらない生活をしている。
      「難読症」(dyslexia)で、字をちゃんと読むこともできず、教養もない。
      これは、ユダヤ系であることに誇りを持つファミリーではあってはならないことなのだ。

      ユダヤ系のファミリーは、子供たちの「読み書き」教育に熱心なのが普通だからだ。
      マギーは、美貌に自信があるので、すぐ男が近づいてくるが、2日と関係が続かない。
      盗むことにも抵抗がなく、家族泣かせの娘である。

      母は早く死に、再婚した父親(ケン・ハワード)の家にいるが、義母のシデル(キャンディス・アザーラ)とはそりが合わず、泥酔して帰宅し、家から締め出される。

      そこで逃げ込んだのが、姉のローズ(トニ・コレット)のアパート。
      彼女は、マギーと対照的に、ちゃんと大学も出て、大きな法律事務所の弁護士をしている。
      弁護士や学者になるというのは、ユダヤ系ファミリーの模範なのだ。

      一般的な通念として、ユダヤ系ファミリーの母親は強い。
      マギーとローズの母親は、早死にしたが、祖母エラ(シャーリー・マクレーン)は、彼女のジューイッシュ・マザーとして娘を支配し、二人の孫のジューイッシュ・グランドマザーとしてのパワーを発散したはずである。

      それを嫌った父親は、祖母を二人の娘から遠ざけようとした。
      そのことが二人に影を落とし、父親にもエリーにも心の痛みになっている。

      この映画の根底には、ファミリーの問題があるが、リビングルームで一堂に介しているようなファミリーをまず見せ、それが次第に瓦解していくというような、ありきたりの見せ方をしない。

      すでにファミリーは瓦解してしまっている。
      通常なら、ファミリーとしての連合を回復することはないだろう。
      だが、この映画では、マギーというどうしようもない女のおかげで、そのファミリーの消えかかった線が繋がり始める。

      最初は決裂の激化だが、それが、次第に癒えていく。
      だが、それは、自然にそうなるのではなく、「おばあちゃん」の、自ら深い傷を負った経験の果ての「聡明さ」のようなものがそれを動かすのだ。

      マギーのだらしなさは、近年、「日本人」の間にも似たものを見い出せるようになっているのではないだろうか?
      マギーは、冷蔵庫から大きなハーゲンダッツのアイスクリームを取り出し、そこにミルクをかけて食べる。

      しかし、全部食べるわけではなく、中身を床にこぼしたりする。
      むろん、その掃除をするわけでもない。
      ベッドの上は散らかり放題、一緒に生活するのはお断りというタイプの典型だ。

      この映画は、マギーがこうなったのにも理由があることを示唆する。
      母親の心の病。それに対する父親の態度。母方の祖母エラの存在。
      むろん、義母との関係や秀才的な人生を歩んでいる姉の存在もある。

      ただし、この映画の面白さは、だからといって、マギーが「主人公」というわけではなく、登場するローズ、エラ、そして父親が、それぞれに悩み、それを克服していく様を、立体的に描き出しているところにあると思う。

      マギーが訪れ、祖母エリーに焦点が当たるシーンになってから、この映画の基本にある重要なことが明確になってくる。

      彼女は、フロリダの養老院にいるが、彼女が親しくしている男性の老人が引き出しを開くと、ユダヤの燭台のマークの入ったナプキンかテーブルクロスが見える。
      つまり、この養老院の人々は、皆ユダヤ人なのだ。

      そんなディテールに気づかなくても、この映画の終わりの方に出てくる結婚式を見れば、マギーもローズもユダヤ系であることがわかる。
      彼女らの父が再婚した相手のシデルは、「ユダヤのカルトに入信した」と、父親が言うシーンもある。

      エリートに自足していたローズも、自分の人生を考えなおす。
      将来を約束された弁護士事務所を辞め、フリーターになる。
      彼女が、たまたま始めた犬の散歩のアルバイトで、数頭の犬を連れて階段を駆け上がり、頂上で解放されたような表情をするシーンが素晴らしい。

      この映画の舞台は、フィラデルフィア。古い街並みが美しい。
      因みに、この階段は、フィラデルフィア・ミュージアム・オブ・アートの階段で、「ロッキー」でスタローンが駆け上がる階段だ。

      それまで勉強と仕事ばかりしてきたローズが、元同僚のサイモン(マーク・フォイアスタイン)と再会し、おいしいものを食べる喜びを知るシーンがある。
      それまでのローズは、そういう喜びを知らなかったのだ。

      この映画で「靴」は重要なメタファーになっている。
      まずは、ローズの靴収集。
      ブランドもの、年代ものをクローゼットの棚にびっしり飾っているローズだが、その靴を履くわけではない。

      これは、ある種の「病気」である。
      彼女が晴れの式で、自分のブランドものの靴を初めて履こうとする。
      だが、その靴は、マギーがこっそり履いて、ヒールを壊してしまっていて履くことができないことがわかる。

      他方、祖母のエラは、ちゃんとその式のために自分がかつて履いたヴィンテイジもののハイヒールを持ってきて、ローズに渡す。
      しかし、「あとで返してね」というセリフを忘れない。
      このくだりは、色々な意味を引き出せる。

      「靴のなかに」というこのタイトルの意味は、あまりにシンプルすぎてわかりづらいかもしれない。
      しかし、ジューイッシュ・グランドマザーのパワーの「功罪」を考えると、このタイトルが、とてつもなく意味深いことに気づく。

      エリーは、「ミート・ザ・ペアレンツ2」のような、むきむきのジューイッシュ・マザーではない。
      彼女は、自分がジューイッシュ・マザーであったことによって、結果的にこうむった痛みを十分承知している。

      だから、フロリダのホームの仲間たちには、「子供はいない」と言ってきた。
      そういう自制の強いキャラクターを演じるには、シャーリー・マクレーンは適役だったと思う。

      だが、ジューイッシュ・マザーは、その宿命を逃れることができない。
      孫の靴まで用意してしまうからである。
      どのみち、ファミリーは、彼女の「靴のなかに」いるのである。

      尚、"in her shoes"というフレーズには、「彼女の立場で/に」とか「彼女の境遇で/に」という意味もある。
      >> 続きを読む

      2021/09/09 by dreamer

      「イン・ハー・シューズ」のレビュー

    • 3.0 泣ける 笑える 切ない

      なんかキャメロン・ディアスにぴったりな役・・・というか、まさにキャメロン!って感じ。
      腹立たしい子なんだけど、キャメロンが演じることで、(何ども言うがw)美人さんじゃないけど、可愛い・・・みたいな。憎めないのよね。。。。
      最後の結婚式は、ちょっとウルウルしちゃいました(涙

      2021/09/09 by mika

      「イン・ハー・シューズ」のレビュー

    • 5.0 泣ける 笑える 元気が出る

      あなたの心と共に 私の心を重ねて
      マギーがローズに宛てた詞がとても素敵でした。一回目よりも二回目と、回数を重ねていくたびに好きになる作品です。

      2019/04/14 by 1963

      「イン・ハー・シューズ」のレビュー

    • 4.0 泣ける 笑える 元気が出る

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      まず、堕落しているキャメロンディアスというのがすごく新鮮。
      アバズレって……まあ確かに老いは感じてはしまうけど、やっぱり笑顔が可愛くてスタイル抜群。
      物語は正反対の姉妹の絆というのが軸なものの、それぞれの人生が変わっていくのを淡々と描いていっているという感じ。
      親密な姉妹だったらこの作品は結構ハマるんじゃないかなぁ。
      私自身、とても仲の良い姉がいるので、結構引き込まれた。
      家族って好き嫌いとかじゃない。親友なら絶交で終わるかもしれないけど、家族は嫌でも血縁があるから。それに思い出の厚みが全然違う。

      ただ、姉の話をもうちょっとうまく描いてほしかった。いろいろと唐突すぎて。いきなり婚約したり犬の散歩はじめたり……。
      反対に妹の方は老人ホームでの詩の朗読とかスタイリストとか、分かりやすい成長過程が描かれていて見てるこっちも親心になってしまった。
      ハッピーエンドだったことに違いはないので、後味は良かった。
      >> 続きを読む

      2019/03/16 by Tomochin

      「イン・ハー・シューズ」のレビュー

    • 評価なし ハラハラ

      こちらも飛行機の中で。

      私には妹がいるので、とても共感する事の出来る映画でした。
      もちろん妹のマギーが主人公にしたことはありえない!と思うけれど、なんだかんだ妹の事は許せちゃう~っていうの、すごくわかっちゃいました。

      改めてこの映画でキャメロンディアス美人だな~と感動。
      しかもみなさんの仰るとおりマギーがキャメロンっぽい!とても。
      タイトルの通り靴がたくさん出てくるのですが、どれも素敵。思わずうっとり。
      なんだか内面も外面も自分磨きもしたくなってくるようなそんな映画でもあります◎

      ぜひ女性におすすめな映画です!
      >> 続きを読む

      2015/10/23 by rpy

      「イン・ハー・シューズ」のレビュー

    • このキャメロン好きです!本人もこんな人って決めつけてる自分がいますがf^_^;

      2015/10/23 by メッシイ

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    イン・ハー・シューズ
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