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男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋

ジャンル: 日本映画 , ドラマ , コメディ
公開: 1982/08/07
監督:
製作国: 日本
配給: 松竹

    男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 5.0 笑える 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      フーテンの寅こと、車寅次郎はテキ屋をやりながら、、足のおもむくままに放浪の旅を続ける。寅さんがよく粋がって言う「そこが渡世人のつれえところよ」というような生活は、このシリーズの一つのキャッチフレーズになっている。

      確かに、決まった定職を持たない生活をしている彼が、旅先で身を切られるような孤独にさいなまれることはあるだろうが、だからと言って、本当の当てもない旅がらすかといわれれば、それは違うと思う。

      例えば、かつての東映の「網走番外地」シリーズでの高倉健は、いかなる組にも属さない一匹狼のやくざであって、義のために悪玉と闘い、刑務所に入り、出獄するとまた、淋しい放浪の境涯となる。彼には帰るべき"ホーム"などないのだ。ただ、旅先でオホーツクの海を眺めながら、おふくろの面影をまぶたに浮かべるだけなのだ。

      この天涯孤独の渡世に比べたら、寅さんには葛飾・柴又のおじ夫婦の家があり、妹のさくらたちもいて、彼が戻って来れば温かく迎えてくれ、彼のわがままを大目に見てもくれる。いわば寅さんは、"ホーム"という手のひらの上をさまよっているにすぎず、甘ったれで過保護な中年男なのだ。

      淋しくなれば柴又へ戻って来るのだから、そこには"底知れぬ孤独"はなく、つまり、松竹大船調の家庭劇のパターンから一歩も出ていないので、そこが「男はつらいよ」シリーズの多くのファンに、ある種の安心感を与えているのかも知れない。

      山田洋次監督の演出は、そんな松竹大船調の庶民劇の枠をがっちりと固めた上で、素知らぬ顔をして、彼の内面にある毒を盛り込んでいるのであって、寅さんが毎回登場するマドンナに惚れた時の、マザコンとも思えるほどの臆病さをグサリと突き刺すのだ。その山田洋次監督の、冷たく醒めたまなざしは、研ぎ澄まされたメスのごとく鋭利だ。

      このシリーズ第29作目の「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」では、夫と死別した女性がマドンナになるが、京都で失意の彼女をなぐさめた寅さんが、彼女の故郷である丹後の家まで訪ねて来る。その晩、彼がひとり寝ている部屋に彼女がそっと入って来る。彼はそれに気づくと、あわてて眠ったふりをして、彼女との愛の交わりを拒否する。

      これを単に寅さんの清潔感とか、善意のなせることだとすれば、彼は"超人類"とも言うべきもので、成熟した大人として見れば、このシリーズの"お約束事"とはいえ、いかにも浮世離れしていて、不自然な気がする。いや、そうではなくて彼はすでに自らの男としてのパワーに自信を失っているのだとしか思えてならない。

      山田洋次監督が、それを無意識にやっているわけがなく、女の愛に応えることの出来ない男が、残酷な報復を受けてもやむを得ないが、その女たちの報復から更に、山田洋次監督の冷酷な眼が注がれていると思うのだ。これは、まさしく映画作家の"毒の極致"だが、だからこそ私には、山田洋次監督の映画がたまらなく面白いのだ。

      京都の加茂川べりで寅さん(渥美清)は、孤独な感じの老人・加納(片岡仁左衛門)と知り合い、先斗町の茶屋に連れて行かれたが、彼は有名な陶芸家だった。その夜は、加納の家に泊まったが、翌朝、お手伝いのかがり(いしだあゆみ)に会った。彼女は夫に病死され、加納の弟子との結婚を勧められていたが、うまくいかず故郷の丹後へと帰っていった。

      旅に出た寅さんは、足のむくまま丹後を訪れ、かがりは彼の寝室へ入って来たが、彼は寝たふりをして何もしなかった。ふられ続けの寅さんが、今回はかがりに愛され、彼女は後で柴又へも訪ねて来る。

      そして、鎌倉から江の島へと案内されるが、その間かがりは愛を告白するきっかけが無く、そのまま丹後へ帰ってしまった。本当はお兄ちゃんが好きなのよ、と言う妹さくら(倍賞千恵子)の言葉に、寅さんはあんな美人が俺なんかに惚れるわけがないと、また旅に出てしまう----。

      その後、旅先の信州の古い宿場で、寅さんは加納に再会する。寅さんのような渡世に憧れたという加納との再会であった。

      寅次郎の心に少しずつ、"老い"を思わせる淋しさが漂いはじめる、といったシリーズ中でもなかなか見応えのある作品であったと思う。
      >> 続きを読む

      2017/01/08 by dreamer

      「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」のレビュー

    • 3.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      男はつらいよ第29作。マドンナはいしだあゆみ。清楚な美人。オープニングは雀のお宿のはなし。今回はマドンナが積極的に寅さんにアタック。寅さん尻込みしちゃって避けるくせに。とらやに帰ってから恋煩い。かがりさんにラブレターもらって待ち遠しくて大騒ぎするくせに当日は満男を連れて行ってデートもしらけちゃう。結局うまくいかない。あーもどかしい。いつものことだけど。


      2018年8月6日再鑑賞
      寅さんマドンナを好きになる前はきっぷの良い兄貴なのに相手を恋愛対象として意識したとたんにボロボロになっちゃうのね。その違いが分かりやすい作品。
      >> 続きを読む

      2015/12/06 by seablue

      「男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋」のレビュー

    男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋
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