こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 映画ログ - 映画ファンが集まる映画レビューサイト →会員登録(無料)

愛と喝采の日々

The Turning Point
ジャンル: ドラマ
公開: 1978/04/29
製作国: アメリカ
配給: 20世紀フォックス

    愛と喝采の日々 の映画レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順 すべての映画レビューとコメントを開く
    全1件
    • 5.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "人生の転機を巡る女性映画の秀作 「愛と喝采の日々」"

      この映画「愛と喝采の日々」は、1970年台の半ば頃にハリウッドで、一大ブームとなった、「アニー・ホール」(ウッディ・アレン監督)、「ジュリア」(フレッド・ジンネマン監督)、「ミスター・グッドバーを探して」(リチャード・ブルックス監督)等の"女性映画"の一編で、シャーリー・マクレーンとアン・バンクロフトという二大演技派女優の共演という事でも、当時、話題になった作品です。

      この映画の原題は、「THE TURNING POINT 」と言って、主人公の二人の女性ディーディー(シャーリー・マクレーン)とエマ(アン・バンクロフト)と、これに若い世代のレスリー・ブラウンとミハイル・バリシニコフの恋と華麗なバレエをからませ、"人生の転機"について描いた作品です。

      この映画を強力に推進したのは、ハーバート・ロス監督の夫人のノラ・ケイで、日本でも有名な元バレリーナのノラ・ケイの発案をブロードウェイの振付師出身のハーバート・ロス監督が受ける形で映画化された作品としても有名です。

      そのため、ノラ・ケイが所属し、彼女自身もかつて振付をした事のある、アメリカン・バレエ・シアターの全面的な協力のもと、製作された作品でもあるのです。

      "人生の転機"は誰にでもいつの日にか訪れるものですが、それが芸の道を選んでいる女性の場合、この芸に一生精進するか、それとも、愛する人との結婚生活に入るのかは、ある意味、深刻な選択の問題でもあるような気がします。

      プリマを争っていた若い二人のバレリーナが、一人は妊娠を機に家庭に入り、一人はバレリーナとして成功します。しかし、この"人生の転機"から20年、幸福な家庭を築きながらも、芸への夢を諦めきれないディーディー、バレリーナとして成功しながらも、肉体の衰えから芸の前途に望みを失っていくエマ----。この緊迫した迫真の演技を披露する、シャーリー・マクレーンとアン・バンクロフトの二大演技派女優の火花が飛び散るような演技合戦は、実に見応えがあり、本物の演技を堪能させてくれます。

      脚本を担当したアーサー・ローレンツは、「ウエスト・サイド物語」を書いた有名な脚本家で、ディーディーの可憐な娘エミリア(レスリー・ブラウン)は、エマの手に委ねられて、再びバレリーナの道を選んでいき、そしてエマの相手役(ミハイル・バリシニコフ)との恋に落ちていきます。

      かつてのディーディーとエマの二人が出会った同じ、"人生の転機"を、この若い二人が、これからどのように辿っていくのか。

      20年前、ディーディーとエマは「アンナ・カレーニナ」の主役を争っていましたが、ディーディーは同じバレエ団のウェインの子供を身籠った時に、エマの勧めもあり芸の道を諦めた過去がありましたが、そこにはエマが主役の座を自分のものにしようとする下心があったのです。

      その古い葛藤が若い二人を前にして、激しく激突します。しかし、過ぎ去った分岐点に引き返す事は出来ません。

      ハーバート・ロス監督は、「我々が人生の別れ道にさしかかった時に、人間のその後の人生にいかなる影響を及ぼすのかを描きたかった」とこの映画の製作意図を語っていますが、"何かを得る事は、他の何かを失う事"であり、人生の目的を達した人も、自分が犠牲にした他の夢を追っているのかも知れません。

      正しいと思った選択であっても、必ずつきまとう不満感。それを二度と繰り返しのきかない人生の宿命として、描いているところに、かつての「赤い靴」のようなバレエ映画を越えた、この映画の深さがあるのだと思います。

      尚、この映画は1977年度のゴールデン・グローブ賞の最優秀作品賞(ドラマ部門)を受賞し、同年のLA映画批評家協会賞の最優秀監督賞を受賞しています。
      >> 続きを読む

      2016/05/08 by dreamer

      「愛と喝采の日々」のレビュー

    愛と喝采の日々
    アイトカッサイノヒビ

    映画 「愛と喝采の日々」 | 映画ログ

    会員登録(無料)

    今月のおすすめ映画
    読書ログはこちら
    映画ログさんのラック

    最近チェックした映画