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ボルベール 帰郷

Volver
ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 2007/06/30
製作国: スペイン
配給: ギャガ・コミュニケーションズ

    ボルベール 帰郷 の映画レビュー (最新順)

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    全8件
    • 4.0

      東風の強いラ・マンチャが舞台。冒頭、風の中で色とりどりに着飾った女たちが歌いながら墓石を洗うシーンから始まる。この土地では、生前に自分の墓を掃除する風習があるという。のっけから息を飲むシーンの美しさ。墓石に刻印された文字に針葉樹の葉がたまって、それをペネロペ・クルスがサッと布で吹き払う。「お母さんは幸せだった。お父さんの胸に抱かれて死んだのだから」「でも、火事で死んだのよ。幸せだなんて」と姉。ひりつくような女たちの内奥のほむらがちらり。
      もう、さすがなんです。

      こんな脚本、よく思いついたな、とほとほと感心します。テンポについては、『トークトゥハー』より2段階くらい早い。ただ、先の墓掃除のシーンにしかり、貧困層のペネロペが1日を馬車馬のように働くモンタージュにしかり、非力な女たちが冷蔵庫をエレベーターに運び入れるシーンにしかり…お座なりに撮らないからこそ、物語は小気味よく進んで深みを増していく。ラ・マンチャの風に狂わされて、幽霊譚あり、殺人あり、束の間の群像、燃えるようなボルベールの歌声が夜の空気をわななかせ、幽霊は泣いて、笑って、そして死にゆく者としての私たちの悲しみが、帳のように降りてくる。

      「何しに来たのよ」と姉。「おしっこよ」とペネロペ。「配管工が来てるのよ」「何言ってんのよ、上がるわよ」そう言ってペネロペは姉の制止を振り切ってバスルームへ。ここからは横のカット、サッとペネロペが脱いだのは黒の下着、丸まって膝上に引っかかり、でっぷりとした尻を便座に落ち着けて息をつく。と、排尿の音がして…。女性のトイレのシーンといえば、大胆にも股を紙で拭った『アイズワイドシャット』のニコール・キッドマンだが、ペネロペの排尿は官能的でありそれ以上に生活感というか生命力に溢れている。で、不意に異変に気づいて、鼻をクンクンし始める。神妙な顔つきで、部屋を徘徊するペネロペ、「なんなのよ」と姉、「お母さんのオナラの匂いがする」「え?」「ほら、ここも」と、寝室を開けると、そこには傷心の娘がベッドに腰掛けてテレビを観ているのだが、「へんね、お母さんのオナラの匂いがするのよ」とペネロペ=ライムンダはいたって大真面目。すると、堪えきれず姉が大笑いする。ペネロペも娘もつられて大笑い。そして、クローゼットに隠れている母親までもが涙を浮かべて大笑い。それをかき消そうとさらに姉が笑いを振り絞り…。こちらも大笑いで、泣かされます。まさかおしっことオナラで泣かされるとは。

      ペネロペを愛した叔母の末期の世話をした、幼なじみのアウグスティーナという女性が後半効いてくる。末期癌を宣告され、せめて死ぬ前に失踪した自分の母が生きているかどうかを確かめたいと奔走する。テレビショーに出演してまで母のことを世間に訴えようとする。ヒッピーだった母を敬慕する彼女。ところがヒッピーという言葉を口にするたびに客席から上がるブーイング。心挫かれて途中退出するアウグスティーナ。なんか、もう切なくて切なくて…。陰影の濃い、素晴らしい女優です。

      生きていくうちに誰しも罪を犯す。死ぬ前にやり残したことがあると思うなら、それはもう、自分でなんとかするほかない。「じゃあ、なんでお母さんは、ずっと隠れていなかったの?」「そりゃ、孤独に耐えられなかったからよ」

      「もっとあなたと話したい」「大丈夫。時間はたくさんあるわ」そして枕元の明かりは消され、それぞれの眠りへ女たちは戻っていく。銘々の寝息の底に、潮騒がする。そしてラ・マンチャの風。
      >> 続きを読む

      2020/05/03 by Foufou

      「ボルベール 帰郷」のレビュー

    • 4.0 泣ける 笑える 切ない ハラハラ 元気が出る

      大木凡人の司会(違)のァレ、
      ~ドキュメント女のど自慢、曲は「ボルベール」~

      たくましく野性味あふれる女性讃歌だった!

      たとえば、あいさつのキスの音聞いてるだけで苦笑してしまうし、空き店舗で腕をふるってひと儲けしちゃうシッカリしたところ、死んだはずだよオッカサンみたいな可笑しなところ、自宅で美容室、etc。

      ああいうエネルギーとか人情味とかフェロモンの濃さというのはすごいパワーになっている映画です。
      もともとアルモドバル監督作の濃い感じは特徴的だがw

      優しい希望を含んだハッピーエンドで幕を閉じるのですが、唯一ペネロペ・クルスの娘役の子だけは自分の出生の秘密を明かされていません。
      もちろん逞しいDNAが受け継がれているはずなので乗り越えて生きていくんでしょうけどね。
      >> 続きを読む

      2018/07/14 by motti

      「ボルベール 帰郷」のレビュー

    • 4.0

      ☆TV☆

      タイトルはよく見聞きしてるけど、どんな内容なのか全く知らずに観賞。

      いやぁ、不思議な映画だった。
      人間ドラマ…え?ミステリー?おっ、ホラーー??(笑)
      と、どんどん話が展開していきます。車のトランクからお母さんが出てきた時はコメディーかと思ってしまった(笑)

      舞台はお互いを助け合う気持ちの強い街で、そういうのって、面倒でもあるけど、やっぱり大事な事だなー。私ももっと人のために生きないとなーなんて、ちょっと映画のテーマとは違うのかもしれないけどそんなこと思いながら見てました。

      え!そうだったの…っていう事実がどんどん出てきて、そしてなんといってもベネロペの美しさ、ゴージャスさ、胸のデカさ(笑)に、引き込まれ二時間超えの作品だけどあっというまに感じた。
      でも最後は、これで終わり!?とちょっと拍子抜けしてしまったけど…。

      女は強い。というか母は強い。
      そして母の娘に対する愛情は絶大だな。

      お正月の帰省前。いいタイミングで見れた映画かも。
      >> 続きを読む

      2016/12/23 by もんちゃん

      「ボルベール 帰郷」のレビュー

    • 4.0

      アルモドバル監督にはずれなし!!アルモドバルの描く女性が好きです。恐ろしく過酷な人生を生き抜く女たち。色彩もいいなぁ。

      2016/02/28 by Chihoish

      「ボルベール 帰郷」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ

      とにかくペネロペ・クルスの演技と美しさに酔いしれる映画でした。

      様々な問題が主人公の周りで起こりますが、仲間の助けや、思いもよらない展開で事態を収めていき、それほど派手な演出がないのに画面に圧倒されました。
      そしてペネロペ・クルスが歌う「ボルベール」の力強い歌声がものすごく印象に残ってます。
      女性の強さを感じる作品でした。

      追記
      スペイン映画特有なのかわかりませんが、会う人会う人にほっぺにキスするシーンが何度もあります。
      スペイン人の挨拶ってすごいですね。
      >> 続きを読む

      2015/07/03 by yulian

      「ボルベール 帰郷」のレビュー

    • スペイン人になりたい、、、( ̄▽ ̄)

      2015/07/03 by メッシイ

    • pedroさん
      いろんな展開が起こるんで、飽きることなく楽しめました。

      メッシイさん
      スペイン行きたい!
      >> 続きを読む

      2015/07/03 by yulian

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