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クリクリのいた夏

Les Enfants du marais
ジャンル: ドラマ
公開: 2000/07/08
製作国: フランス
配給: シネマパリジャン配給(TBS=日活=シネマパリジャン提供)

    クリクリのいた夏 の映画レビュー (最新順)

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    全5件
    • 5.0 切ない 元気が出る

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "ひとりの少女の瞳を通して語られる、ひと夏の思い出のドラマを美しいリリシズム溢れる映像で、詩的リアリズムの世界を描いた珠玉の名作 「クリクリのいた夏」"

      このフランス映画「クリクリのいた夏」は、1930年代のフランスを舞台にして、世捨て人のように沼地で暮らす人々の豊かな生活を、ひとりの少女の瞳を通して回想する人間ドラマで、監督のジャン・ベッケルは、牧歌的なひと夏のドラマを、美しいリリシズム溢れる映像と細やかなカットで感動的に綴り、詩的リアリズムの世界を描いた珠玉の名作です。

      この映画は1930年代の初頭のフランスで、当時5歳の少女だったクリクリが語る思い出の物語で、溢れんばかりの自然に囲まれたフランスの片田舎の沼地は、この世のものとは思えないほどの美しさに満たされていました。

      クリクリの父リトン(ジャック・ヴィユレ)は、気はいいが、どこか抜けていて、隣人でしっかり者のガリス(ジャック・ガンブラン)を頼りに、二人で沼地や森で採ったカエルやエスカルゴを町で売って生計を立てています。

      映画はこの二人の友情を軸に、ほのぼのとした人間関係と爽やかなエピソードで綴られていきます。決して裕福ではありませんが、現在では、到底、ままならないような生活をしている彼らですが、本当に幸福そうに暮らしているのです。

      何だか彼らが無性に羨ましく思えてきます。この羨ましさというのは、恐らく、自由に人間らしく生きる事への限りなき郷愁なのではないかと思います。

      そんな彼らの自由な生活に憧れる町の資産家二人が登場して来ます。本と音楽をこよなく愛する夢想家のアメデ(アンドレ・デュソリエ)、沼地の住人から町の有力者へと成り上がったぺぺ(ミシェル・セロー)。彼らは皆、心根の優しい人間ばかりで、お互いの欠点を認めつつも、寄り添うように支え合いながら生きている人たちです。そして、美しい自然と共に、彼らの素朴な交流が何とも言えない居心地の良い空間を作り出しています。

      その一方で、いつも気楽そうに見える彼らにも、その内面には小さな哀しみや葛藤を抱えていて、そうした生活感情をさり気なく描き込む事で、ファンタジーではない現実に根ざした作品に仕上がっているのだと思います。

      考えてみれば、太平洋戦争後、経済の高度成長期を経て、私達の暮らしも物質的には随分と豊かになって来ました。あくせくと精を出して働けば、ちょっとした贅沢も出来るようになって来ました。大きな買い物が出来た時などは、幸せな気持ちにもなります。

      ところが、社会がぎすぎすして、ゆとりを失っているように感じるのも確かで、心から自由を謳歌出来る時間は、目に見えて少なくなっているようにも感じます。

      そこで、この映画です。この映画の中には、私達が手にしたような物質的な豊かさというものはありません。しかし、自由気ままに時間を使う事が出来る"心のゆとり"というものがあり、"美しい自然"があります。

      今では失われたと感じるものが、スクリーンの上で鮮やかに輝いて見えます。だからこそ、我々は「古き良き時代」なんて言葉も使いたくなるのかも知れません。そうかと言って、もうこのような時代に戻る事は、現実的には出来ませんし、現在のクリクリが登場するラストに映し出される光景が、いみじくもその事を暗示しています。

      全ては過ぎ去った事なのです。この映画は、クリクリの思い出話なのです。思い出とは必ず美化されるものです。この映画には、いい意味で開き直ってみせるところがあり、ふと立ち止まって、過ぎ去りし過去を懐かしみ、ちょっとした幸せでも、心の充足感を得る事が出来ると感じられればいい。今の時代だって、それくらいは出来るはず----。そんな控えめなメッセージが、静かに淡々と語られるのです。

      それにしても、クリクリの父リトンを演じたジャック・ブィユレが素晴らしいの一言に尽きます。「奇人たちの晩餐会」での奇人ぶりが忘れられない、フランスの国民的な喜劇役者で、彼の芸風は万国共通と思えるほどの、普遍性を持った演技を披露してくれます。

      この映画でも、仕事はサボる、迷惑はかけるで、とにかく自分一人では何も出来ない呑気な男リトンを抜群の表現力をもって演じていますが、その無神経さには眩暈すら覚えますが、どういう訳だか憎めない、そんな愛すべき、偉大なキャラクターを演じて、映画史に残り得る名演技だったと思います。
      >> 続きを読む

      2016/05/31 by dreamer

      「クリクリのいた夏」のレビュー

    • 5.0 元気が出る

      語り手である4歳の少女クリクリが一番幸せだったという時代の回想。
      それは1930年代のフランスの片田舎。

      一応事件らしきものは起こるが、それが物語の大筋にはなっていない。
      むしろその中で起こる生活ぶりこそ見所。
      菜園をしたり、他人の家で歌って金をもらったりなど、決して金持ちではないが心は幸せである証明の様な暮らしぶり。

      共同で暮らしているガリスとリトンはケンカもあるが、腐れ縁のようにお互いを支えあっている部分も嫌みがなく見せられる。

      郷愁を誘うような中身であり、癒しという感覚が充満している。
      疲れを感じた時にフッと見たくなるようなそんな映画。
      >> 続きを読む

      2015/11/02 by オーウェン

      「クリクリのいた夏」のレビュー

    • 5.0

      フランスの国の標語は「自由、平等、友愛」である。筆頭に挙げられた「自由」は、フランスという国を表すに不可欠な概念なのだろう。

      そんなフランスで大ヒットしたという映画がこの「クリクリのいた夏」で、この映画の中では、各所で「ここには自由がある!」というセリフが現れる。そのような暮らしが、この映画の中に現れている。

      本筋として特別なことは起こらない映画である。登場人物は皆何かしらの問題を抱えている。心に傷を抱えている。それでも、何も特別なことをしているわけでもないのに、なんだか毎日が楽しそうなのである。

      日本とはちょっと感覚の違う、でも共感できる「自由な」生き方を教えてくれる映画だった。 >> 続きを読む

      2015/05/22 by viisi

      「クリクリのいた夏」のレビュー

    • 何だかわかりませんが、クリクリって何だかカワイイですね♪

      2015/05/23 by ice

    • くりくりー♡

      2015/05/23 by makoto

    • 4.0

      今はもうお婆ちゃんになったクリクリの回想話。自然豊かな沼地の小屋に住むクリクリの家族と隣に住むガリス。ガリスは紳士的で常識的でとても頼もしい男性。。ガリスは戦地からの帰路の途中で立ち寄ったこの沼地で、『なぜ、俺は12年間ここにいるんだろう』と自問する。
      その後に映し出されるすべてがこの自問の答えなのかも。ほっこりできて癒される映画です。

      2014/11/06 by こうこ

      「クリクリのいた夏」のレビュー

    • ほっこりできる良い映画ですよね~♪
      女の子がすっごく可愛かった記憶があります!

      2014/11/06 by chao

    • >chaoさん そうですそうです!とってもかわいい子でした♪

      2014/11/06 by こうこ

    • 5.0

      貧しくも豊かな沼地での生活。
      今はもう埋め立てられてしまったけれど、あの頃はあんなに温かい生活がありました・・・

      人間が生きる上での生活の豊かさ、心の豊かさについて考えさせられます。

      強いて例えるなら「寅さん」のフランス版みたいな温かさです。

      素晴らしいのにあまり知られていないのがとても残念。
      有名じゃなくてもこんなにいい映画があるんだよと色々な人に伝えたいです。

      観終わった後に優しい気持ちになれる素晴らしい映画です。
      >> 続きを読む

      2013/08/26 by Sophie

      「クリクリのいた夏」のレビュー

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