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アラモ

The Alamo
ジャンル: ドラマ , JPOP , アクション , 西部劇
公開: 1960/12/24
製作国: アメリカ
配給: 日本ユナイテッド・アーチスツ

    アラモ の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 評価なし

       前回は何十年ぶりかで本作を観て、気になることを調べ上げた。それは、テキサス民兵軍が掲げる旗になぜ「1824」という数字が横に黒字で書かれてあるかである。

       スペイン本国にヨーロッパ大陸のナポレオン戦争が波及すると、これが謂わば飛び火した形で植民地メキシコに、1810年、メキシコ独立戦争が勃発した。こうして始まった革命戦争は、1821年、スペイン統治軍の将軍たち、特に本作に登場するサンタ・アナ将軍がメキシコの革命派へ支持を切り替えたことで、一挙に形勢が革命派に有利となり、ここにメキシコ独立戦争が終わった。そして、政治的紆余曲折を経て、メキシコは新しい「1824年憲法」の下で若い共和国となったのであった。上述の旗の上の数字は、この共和国憲法成立の年を意味していたのであり、テキサス民兵軍は、政治的には、つまりリベラルな連邦共和制派だったのである。

       サンタ・アナ将軍は、1833年には自ら一時共和国大統領となるものの、その後、国内の保守派の蜂起を利用して、権力の座を堅め、連邦制を骨抜きにして、中央集権主義体制を樹立しようとしたのであった。こうして、Generalissimoサンタ・アナは州議会の解散、州市民軍の武装解除、そして1824年憲法の廃止を行う。この意味で、テキサス、いや正しくはスペイン語のテハス(Tejas)州民兵軍は、「自由のための抵抗運動」軍だったと言える。

       しかし、この理解は、テハス州に住むヒスパニック系市民、即ちテハーノ(Tejano、スペイン語で「テキサス人」の意味で、古くは「Texano」とも表記)には当てはまる。このテハーノを作中で代表していたのが、アルゼンチン人女優Linda Cristal演じる、情熱を内に秘めながらも毅然としたFlacaである。

       これに対して、共和制憲法のための戦いという「正義」を、アングロ系入植者、所謂テクシヤン(英語:Texian)に当てはめるのは、極めて問題がある。このテクシヤンの代表が、R.Widmark演ずるところのJames Bowieで、この地域の土地ブローカーなどを営んでいた彼は、「利害関係者」であった。

       というのは、彼らは、基本的には、メキシコ政府に許されてその土地を「占有」している人々だが、その多くはアメリカ合衆国からの移住者だったからである。つまり、外国人がその住んでいる国の内政に「干渉」するということである。

       実際、1827年、29年には、アメリカはテキサスの購入の意図を明らかにしており、いずれもメキシコ側に拒絶されていたが、こうした中で、1835年10月に起こった、テハス州の分離「独立」を目指して行われた「テキサス独立戦争」は、アメリカ側にとっては正に好都合な事態の発展だった。この、1836年4月まで続いた独立戦争の文脈の中で、同年2月下旬から3月上旬までの13日間に亘った包囲戦が本作のテーマとなる「アラモ砦の戦い」である。

       この戦いの数ヵ月後には、本作にも登場するサミュエル・ヒューストン将軍が、サンタ・アナ元帥率いるメキシコ正規軍(フランス制式軍隊)を破り、サンタ・アナを捕縛して、独立戦争を勝利に導き、テキサス共和国を成立させる。J.ウェインが演ずるところのD.クロケットが、作中、自分の政治的夢であると語った「夢」が実現したのである。(J.ウェインは、本作で、制作、監督、主演を担当し、彼の「愛国者」ぶりが面目躍如としている。)

       テキサス共和国は、早くも11年後の1845年には、USAとの合併がテキサス住民の「総意」であることを理由として、28番目の州として米国に併合され、この「テキサス併合」が、翌年からの米墨戦争のきっかけとなる。そして、この戦争に敗北したメキシコは、その領土の約3分の1をUSAに割譲せざるを得なくなるのであった。

      (という訳で、現在のUSAとメキシコの国境問題も、このメキシコからの領土「奪取」にその元凶があったのである。そして、西海岸に到達したUSAは、対メキシコ同様、「自由」の旗印を掲げて、ハワイ王国を併合し、さらに、スペイン領フィリピンを「植民化」したことも、日本人として、なぜ対米戦争になったかの一因として記憶しておいていいであろう。)

       さて、今回再度本作を観て、改めて思ったのは、自然の景観も上手く取り込んだ、いかにも映画的撮影と言える撮影のよさである。Eastmanの70㎜フィルムを使用した、さすがにTechnicolorで撮影された場面は、白黒フィルム撮影とはまた味わいの異なる、ある種の「抒情性」を醸しだす(例えば、数百年の樹齢を持った大樹の前で交わされる、D.クロケットとテハーノ人Flacaとの「熱い」会話のシーン)。70mmフィルムの上映可能な映画館で、政治的には極めて問題のある作品ではあるが、もう一度本作を観てみたいものである。撮影監督は、アメリカ人のWilliam H. Clothierで、数多くの西部劇の撮影を手がけている。

       最後に、独裁者サンタ・アナ元帥の名誉のために、書いておくと、本作のラスト・シーンとして、トラヴィス大佐の副官ディッキンソン大尉の妻スーが(金髪の女優Joan O'Brienが、黒髪のL.Cristalと好対照をなす)、その娘と黒人奴隷の子供と共に誇り高く、脱帽して敬意を表するサンタ・アナ元帥を一顧だにもせずに、戦場を去るところがある。実際は、メキシコ軍は戦闘後(!)に、ボウイの奴隷のサム(映画では戦死することになる)、トラヴィスの奴隷ジョー、そして24人の女性と子供を解放したことになっている。
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      2021/06/06 by Kientopp55

      「アラモ」のレビュー

    • 3.0

      アラモの戦いを映画化した本作。
      リメイク版があったけどどうにも微妙な出来に、このオリジナルの方も不安感はある。

      しかし心配は杞憂に終わり、アラモの戦い自体とそこに至るまでの過程がじっくり描かれている。
      むしろ長すぎなほどに戦争前の準備が多く、そこから一斉に激戦へとなだれ込んでいく。

      ジョン・ウェインが主演ではあるが監督までしていることは知らなかった。
      その割に案外時間を感じることはなかったのは、暗い作風にしてない点だろう。

      リメイク版よりも間違いなく面白いが、そこまで印象に残る類ではないかな。
      >> 続きを読む

      2016/10/05 by オーウェン

      「アラモ」のレビュー

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