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ネットワーク

Network
ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 1977/01/29
製作国: アメリカ
配給: ユナイト映画

    ネットワーク の映画レビュー (最新順)

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    全5件
    • 4.0 切ない ハラハラ

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
       



      『TV業界の今日を予言した一作』

      自宅にて鑑賞。TV業界作り手の裏側や恥部を告発、昨今の醜態を予言した様な一作。ボテッとしたフォントのオープニングロールとタイトルコール。狂える男の一言は低迷する報道部や製作部、果てはテレビ局にとって、降って湧いた様な千載一遇のチャンスとなる。そこから始まる狂乱とも呼べる局内外の権力争いと影響される視聴者に世論。唯一の良識と思える男は派閥(権力)争いに巻き込まれ馘になってしまう。全篇に亘り、BGMはTVから流れるCMや番組テーマ曲のみで構成されている。かなりイカレた内容だが、マスメディアに興味がある人にはマストな一作。80/100点。

      ・アチラを見てもコチラを見ても始終、写し出されるのはおじさん達ばかりで、地味目の画面が殆どではあるが、'76年と云う時期に、コンプライアンスを声高に唱える反面、数字に取り憑かれ狂騒を繰り返すメディア業界の今日を連想させる本作を作った意義は大きい。ぜんざいの甘さを引き立てるのは添えられた一片の塩昆布であり、現実離れしたのが数多く描かれる映画(エンタメ)界にも、派手さには欠けるものの本作の様な渋めの一作は貴重なビター・スパイスである。

      ・余り乗り気でなかったが、観始めると描かれている内容にグイグイ惹き込まれた。明確な善人や悪人は登場せず、各々がそれぞれの立場で奔走ずる姿は、部外者からは滑稽で狂気にも通ずる感覚を憶える。テンポも悪くなく、ほぼ無駄が無い引き締まった展開は、観ている者を飽きさせない。人気者が出る甘いばかりのラブストーリーやお伽噺にしか思えない青いアニメ、超人達が翔び交うヒロイックものも悪くはないが、たまには武骨で骨太な本作の様な渋い一作も観ておくべきである。自称“バリスタ”が淹れる中途半端なコーヒーよりもウンッと目醒めが佳い事は保証する。

      ・求心力が人一倍強く、上昇志向の塊の様な女。そんな女に惹かれ、25年築き上げた家族を顧みない哀しい初老の男。顛末に救いらしきモノは存在しないが、鑑賞後の後味も悪くない。ただともすれば古臭く感じてしまう画面をどう感じるかによる。よく見ると、何度か登場する「ハワード・ビール・ショー」内の観客席には毎回、複数の同じ客(長髪に髭を伸ばした男性や白地に赤い縦縞のカーディガンを羽織る女性等)が見受けられる。

      ・本作はP.チャイエフスキーのオリジナル脚本が基となっているが、'74年7月15日、米国のABCテレビの関連会社WXLTテレビ(現WWSB)のトーク番組「サンコースト・ダイジェスト」の生放送中に女性キャスターC.チュバックが拳銃自殺を遂げた(彼女を題材にドキュメンタリー『Kate Plays Christine('16・R.グリーン監督)』と『Christine('16・A.カンポス監督)』の二本が映画化されている)。当初、P.チャイエフスキーは否定していたが、後にこの事件に触発され、本作の脚本を書き始めたと認めた。

      ・F.ダナウェイの“ダイアナ・クリステンセン”は、伝説のTVプロデューサー、リン・ボーレンがモデルになっているとされている。亦、M.ワーフィールドが演じている“ローレーン・ホッブズ”は、共産主義者としてメディアに迎合し、取り込まれた感のある実在した政治活動家アンジェラ・デービスがモデルとなっている。

      ・犯罪者自らが撮影したフィルムを鑑賞する際、話題に出ていたパトリシア・ハーストは実在の女性(身代目的で誘拐された後、誘拐犯側の一員になったストックホルム症候群の富豪令嬢)である。K.クロンカイトが演じている“メアリー・アン・ギフォード”はパトリシア・ハーストがモデルと思われる。亦、彼女の実父ウォルター・クロンカイトは“ハワード・ビール”役をオファーされたが、興味が持てず断ったとされている。

      ・P.フィンチが演じた“ハワード・ビール”はH.フォンダにオファーされたが、余りにもヒステリック過ぎるとの理由で断られたと云う。J.スチュワートも言葉が汚いとの理由で断ったとされる。この役は、(上述の)W.クロンカイト、(脚本も読まず辞退したとされる)G.C.スコット、G.フォード、G.ハックマン、J.チャンセラーにオファーされたらしいが、脚本執筆時のP.チャイエフスキーは、H.フォンダ、J.スチュワート、P.ニューマン、C.グラントを思い描いていたと後にインタビューで答えている。

      ・“マックス・シューマッカー”には、W.マッソー、G.ハックマンがオファーされたと云う。最終的にG.フォードとW.ホールデンが最終候補として残され、W.ホールデンがこの役を得た。

      ・第49回(1976年度)アカデミー賞主演男優賞 にノミネート直後、“ハワード・ビール”役のP.フィンチは心不全で急死したが、その後受賞し、アカデミー賞史上初の死後受賞となった(後に死後受賞したのは『ダークナイト('08)』のH.レジャーが二人目)。亦、W.ホールデンの“マックス・シューマッカー”の女房“ルイーズ”役そしてB.ストレイトが同年同賞の助演女優賞を受賞したが、アカデミー賞史上最も短い出演時間(約五分半)での受賞となっており、'19年8月現在、この記録は破らていない。

      ・'07年に千五百人以上による投票により決定されたAFI(American Film Institute)が定める「AFIアメリカ映画100年」の64位にランクインしている。米国を代表する映画評論家R.エバートの「最も素晴らしい映画ベスト100(Great Movies:The 100 by Roger Ebert)」にもランクインしている。亦、映画プロデューサーのS.ジェイシュナイダーによる「死ぬまでに観たい映画1001本(101 Gangster Movies You Must See Before You Die by Steven Schneider)」にもランクインしている。



       
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      2020/01/04 by 三多羅 格

      「ネットワーク」のレビュー

    • 4.0

      風刺的内容でやや誇張した表現が少し鼻につくものの、演説のように熱く語る場面はシドニー・ルメット監督だけあって圧倒されるものがあった。
      主にテレビ業界を風刺しているが、同時に視聴者をも風刺しているとも言える。視聴率を求めるテレビ界とそれに振り回される視聴者だ。

      2016/05/04 by きりゅう

      「ネットワーク」のレビュー

    • 5.0 ハラハラ

      TVで自殺志願をしたキャスター。この発言により視聴率が急上昇。
      波に乗じてTV局内がさらなる視聴率上げに躍起になる姿。

      シドニー・ルメット作品としては実に皮肉めいた出来。
      もはや現実がこの内容に追いつきそうな所にリアリティが感じられる。

      殺しの計画を平然と話す上層部も恐ろしい。
      人間的なウィリアム・ホールデンにフェイ・ダナ・ウェイの辣女ぶりも印象に残る。
      司会のピーター・フィンチが撮影後に他界したが、これが映画の内容と被るのが運命なのか。

      見方を変えれば強烈なブラックコメディである。
      終わって誰一人良識な人間がいないように感じてしまう。
      どこまでやっていいのかを、鋭い視点で描いた見応えあるドラマ。
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      2015/04/12 by オーウェン

      「ネットワーク」のレビュー

    • >TVで自殺志願をしたキャスター。

      こ、これは・・・。

      >司会のピーター・フィンチが撮影後に他界したが、これが映画の内容と被るのが運命なのか。

      なんと・・・。
      偶然とは思えず、怖いですね。
      >> 続きを読む

      2015/04/13 by ただひこ

    • 4.0

       テレビ業界の裏側を描いた野心作。
       この作品は、視聴率アップを目論むテレビ局の思惑と妄想に取りつかれ、局側に操られることになるニュースキャスターの物語。俳優同士の怒号のセリフの言い合いが所々に散りばめられています。現在、ニュースの娯楽化傾向ややらせ記事を書いた某新聞社などメディアの問題は多いです。キャスターと呼ばれる人たちもタレント扱いされてる人がほとんどだと思います。今も昔もテレビは現実ではなく、幻だと感じさせる一本でした。
       

      2015/01/31 by w.s

      「ネットワーク」のレビュー

    • テレビ局も企業で視聴率を取らないとなりたたないですし、でも視聴者からすれば安易に視聴率取るようなものより良質な番組を…と思いますし…難しいですね。 >> 続きを読む

      2015/01/31 by milktea

    • 3.0

      「ネットワーク」というタイトルで描かれている舞台がテレビ局ということに違和感を覚えてしまった。
      それくらい、「ネットワーク=テレビ」ではなく、「ネットワーク=インターネット」という構図が今や一般化したということだろう。
      それは言い換えるならば、この映画で描かれる「狂騒」が、現在のインターネットが取り巻く世界においてまったく同じように当てはまるということだと思う。
      故に、この映画が描き出す可笑しさや恐ろしさは、色褪せることなく強烈なインパクトを保っているのだと思う。

      社会派の密度の高いドラマを数多く生み出してきた巨匠シドニー・ルメットの監督作であるという情報だけを持ってこの映画を観始めると、大いに意表をつかれると思う。

      リストラを宣告された老キャスターが、自暴自棄になって放送中に自殺を宣言することから始まる狂騒。
      視聴率とそれに伴う利益に振り回される群像劇は、序盤はコメディのようにも見える。
      しかし、徐々に破綻していくそれぞれの人間性に対して、次第に笑えなくなってくる。

      キャラクターとして目立つのは、老キャスターを演じるピーター・フィンチで、自殺宣言から端を発して視聴率という魔物に見出されるように徐々に狂気じみてくる様は強烈だった。
      しかし、この映画が巧みなところは、狂っているのは必ずしも彼だけではなく、実は登場する主要キャラクターの全員が狂気に蝕まれているという人間描写だと思う。
      数字が取れると分かれば即座に老キャスターを番組の顔として祭り上げ、一転視聴率急落により危機を覚えればキャスターの暗殺を淡々と決定するテレビ局上層部の面々のやり取りは、そういう蔓延した狂気を最も如実に表しているシーンだった。

      そして、最も人格者に見えるキャラクターにしても、実は非常に愚かしく描かれており、彼らが生きる現代社会の病理性が、映画全編に渡って表現されていると思った。

      少々強烈な風刺劇として気軽に見ることも出来るけれど、ほんの少し深入りして見てみると、そこには今の社会にも直結する危うさが満ち溢れていて、怖くなる。
      >> 続きを読む

      2014/08/04 by tkl

      「ネットワーク」のレビュー

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