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ミュンヘン

Munich
ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 2006/02/04
製作国: アメリカ
配給: アスミック・エース

    ミュンヘン の映画レビュー (最新順)

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    全8件
    • 4.0 ハラハラ

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      言うまでもなく、このスティーヴン・スピルバーグ監督の映画「ミュンヘン」の題材は、今なお生々しい。

      50年近く前の事件なのに、記憶はずっと尾を曳いている。
      いや、事件をもたらした政治的・民族的なこじれは、さらに悪化していると言うべきだろう。

      「ミュンヘン」という題名が語るとおり、映画は1972年のミュンヘン・オリンピックで起こった虐殺事件を背景にしている。
      「黒い九月」を名乗るパレスティナ人集団が、イスラエル・チームの選手とコーチ11名を殺害したあの陰惨な事件。

      この事件を受け、時のイスラエル首相ゴルダ・メイヤーの指示を受け、モサドは元モサドの工作員だったアヴナーをリーダーにチームを組織し、「黒い九月」の首謀者を地球のどこまでも追い、どれだけ時間がかかってもこの世から抹殺するという任務を負わせる。こうして、アヴナーらは一人また一人と標的を消していくが-------。

      「宇宙戦争」のような娯楽作品の後に来るスティーヴン・スピルバーグのシリアスな作品ということで、初めて劇場で観る前は少し身構えたものだ。

      しかも、最初に入ってきた情報は、ミュンヘン・オリンピックのイスラエル村の惨劇を描いた作品ということで、かなり説教臭い映画かなと思っていたものでした。

      ところが、この映画は、事件そのものの惨劇を描く作品ではなく、事件の起こった後、イスラエル政府から秘密裡に事件の首謀者暗殺を要請され、地道にその任務を遂行していくイスラエル側の暗殺者たちを描く「復讐譚」であった。

      いくら政府の要請であろうとも、現代社会の通念から見れば認められない暗殺による復讐という仕事のため、この要請は記録には残らない。
      イスラエルが、この仕事を頼んだことを正式に認めることはないし、リーダーのアヴナーを筆頭とする暗殺者たちとの関係も一切認めない。

      しかし、アヴナーの銀行口座には絶えず金が振り込まれ、どれだけ時間がかかっても、アラブ側の事件の首謀者の息の根を止めることは、間違いなく彼らに課せられた任務であった。

      要するに「ミュンヘン」は、スピルバーグ的な人種問題を扱ったシリアスな作品であるが、スピルバーグのこの種の作品にしてはかなりエンタメ的な要素も濃い。

      「宇宙戦争」が、エンタメに徹すればいいのに、余計なメッセージを保たせようとしたため、ちょっと歯切れが悪かったのとは裏腹に、シリアスな作品でありながらエンタメ的な「ミュンヘン」の方が、より娯楽性が強いと言える。
      要するに「ミュンヘン」は、面白い。「ゴルゴ13」的な面白さがあるとすら言える。

      もっとも、超人的なスナイパーであるゴルゴ13とは異なり、アラブへの報復のために選ばれた面々は、アヴナーを筆頭に、その道のプロというよりは、その時のイスラエル側の事情で選ばれたというだけのご都合主義的な面もある。

      アヴナーですら、単にボディガードの経験を買われただけで、人殺しのプロというわけではない。
      あとの面々も似たり寄ったりで、連携プレイもぎこちなく、あわや関係ない人間を爆死させようとしたり、爆薬の量を間違えて、いたずらに被害を大きくしたり、味方とは言えない面々と同宿することになったり、ターゲットを目の前にしてからが、慌てて武器を組み立てたりするなど、手際がいいとはまるで言えない。

      もちろん、だからこそ、観ている側としても、やばい、やばいと緊張することになる。
      それでも、何千年という気の遠くなるような時間を経て、遂にイスラエル国を建設したのを見てもわかるように、ユダヤ人は目的完遂のためなら、どれだけの金と時間をかけることも惜しまない。

      それは復讐というものでも同じだ。暗殺を請け負ったアヴナーらは、同様に、どれだけ金と時間がかかっても、とにかく目的を遂行することを求められる。
      ユダヤ人が最終的にイスラエルを建国したように、ひたすら我慢強く、忍耐を重ね、一人一人狙ったターゲットを消していくのだ。

      しかし、それでも事はイスラエル建国のように、我慢に我慢を重ねて最終的に目的を達成すればいいというわけではない。
      相手が生身の人間である以上、あまり時間をかけ過ぎると、それまでに相手の方が病気や事故で勝手に死んでしまう可能性もあるが、そうではなく、標的は暗殺者の手にかかって死ななければならない。

      それだけでなく、追う方であったアヴナー側も、彼らのやることが相手に把握されることで、逆に追われる立場になってしまう。
      こうして、今や自分らも追われながら、それでも目的を果たさなければならない。

      さらに、復讐という行為は、たとえ同胞の無念を晴らすためとはいえ、実際には直接、関係のないアヴナーらにとっては、畢竟、第三者の話でしかない。
      自分の命を晒しながら復讐を続けていくことに意味はあるのか?-------。

      主人公のアヴナーに扮するのがエリック・バナで、もちろん主演でもあり、かなり頑張っているのだが、実は「ミュンヘン」は脇役の方が特徴があって印象に残るのだ。

      真面目に悩んだりして奥行きのある主人公でなければらならないエリック・バナに較べ、一面的だが秀でたものを持っているという特質を前面に出してグイグイ押していける脇役の方が、印象に残りやすいのだ。
      真面目な優等生より、癖のある劣等生の方が記憶に残りやすいのと同じ理屈だ。

      まず、アヴナーに仕事を依頼する、イスラエル政府の役人に扮するのが名優のジェフリー・ラッシュで、この役者は本当にうさん臭い役柄がよく似合う。
      そして、アヴナーの暗殺チームを構成しているのは、キアラン・ハインズ、ダニエル・クレイグ、マシュー・カソヴィッツ、ハンス・ジシュラーといった面々で、元々、力はあるハインズが久々にはまっているし、007のジェームズ・ボンド役でブレイクする前のダニエル・クレイグ、「アメリ」のカソヴィッツなど、やはりこういうチームは癖のある面々が固まるほど見応えがある。

      情報提供者のルイを演じるマシュー・アマルリックは、若い頃のロマン・ポランスキー監督にそっくりで、いかにもひと癖ありそう。
      パパを演じるミシェル・ロンズデールもいい味を出している。
      そして、美貌の女性刺客として現われるのは「みなさん、さようなら」のマリー・ジョゼ・クローズで、妖艶な魅力を振りまいている。

      視覚的には、ヨーロッパ中にロケしながら、1970年代をほぼくまなく再現している。
      主要登場人物だけでなく、背景に現われる無数の人間のファッションや、遠くに垣間見える自動車まで、その当時のものだ。
      今では遠景だとかなりの部分が、CGでごまかすことが出来ると思うが、明らかに何百人ものエキストラを利用しているシーンもあり、思わずその撮影規模の凄さにほうっとため息が出る。

      そんなこんなで、2時間45分という長さにもかかわらず、あっという間だった。
      こういうエンタメ色が前面に出てきた場合のスピルバーグの演出というものは、やはり余人の追随を許さないという気がする。

      とはいえ、自身がユダヤ系で、これまでにそういう作品をものにしてきたスピルバーグにしては、ユダヤを擁護するというよりは、むしろ全てを水に流そう的な印象の濃い幕切れで終わる「ミュンヘン」は、実は、当のユダヤ人から、この映画の公開当時、ボイコット運動を起こされたりしたそうだ。

      暗殺を正当化しなかった場合、アヴナーのしてきたことは、単なる殺戮にしかならないわけだから、がちがちのユダヤ人から見れば、これは由々しき問題であったのだろう。
      >> 続きを読む

      2019/02/20 by dreamer

      「ミュンヘン」のレビュー

    • 3.0 ハラハラ

      報復合戦の果てに疲れる男の物語か。
      むなしい映画ですよね。
      社会派というには 一歩踏み込み足りない感じもある

      2018/08/04 by motti

      「ミュンヘン」のレビュー

    • 4.0

      面白い。

      2018/03/15 by taku

      「ミュンヘン」のレビュー

    • 3.0

      安定のクオリティはさすがスティーヴン・スピルバーグといったところか。歴史ものはなんかダルいと思う俺でも彼の作品はすいすい観れる。静と動のバランスが良く、飽きないテンポを作り出していた。もちろん創作は混ざっているがミュンヘンオリンピック事件と暗殺作戦は事実だ。

      考えさせられるのがアテネでのPLOメンバーとの会話。イスラエル勢力に母国を奪われたパレスチナ人の気持ちを直接聞かされ、主人公と共に観ている側も複雑な思いにさせられる。追い詰める側の主人公も逆に精神的に追い詰められ、安心できる場所を見失う。答えは観た者に委ねられる。 >> 続きを読む

      2015/10/03 by きりゅう

      「ミュンヘン」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ

      とてもハラハラしました。
      だんだんと仲間が狙われていくところはこわかったです。
      みてるこっちもいつ主人公が狙われるのかハラハラしながら見てました。
      主人公の気が狂いそうになるのも納得です。
      実話というのがまたこわいです。
      平和に暮らしたいですね。

      2015/06/22 by hey

      「ミュンヘン」のレビュー

    • 実話ですか・・・すごい時代だ・・・でもそんなに昔でもないんですよね。。

      2015/06/22 by メッシイ

    • ミュンヘン事件から発したあの時代のモサドや他スパイの緊迫感ある諜報・破壊・暗殺活動が見応えありますよね。 >> 続きを読む

      2015/06/22 by fate

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