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千利休 本覺坊遺文

ジャンル: ドラマ , 時代劇
公開: 1989/10/07
監督:
製作国: 日本
配給: 東宝

    千利休 本覺坊遺文 の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 評価なし

       熊井啓監督は、社会派映画監督として有名な方ですが、私はこの監督の『千利休 本覚坊遺文』が印象深いのです。原作は井上靖。

       この映画が公開されたとき、勅使河原宏監督の『千利休』が公開されて、ちょっとした千利休ブームのようなものがありました。
      千利休四百年遠忌記念の年だったのですね。
      私は両方観たのですが、出てくる人物は同じでも全く違う映画でした。

       千利休に三船敏郎、その弟子、本覚坊に奥田瑛二。
      男しか出てこない映画なのですが、その映像の透明感・・・日本の水墨画をそのまま映像にしたような美しさに打たれました。
      特に、舟で川を下っていくのを見送る川辺のシーンは、高い山の間の渓谷を川が流れ、舟に乗っていくのを見送るロングショットで、私の観た美しいシーンのベストに入るのです。

       勅使河原宏版が、油絵のように色使いに心を砕いているのに比べ、なんという余裕の水墨画。
      千利休を始めとにかく切腹する男たちですが、美しい映画。
      >> 続きを読む

      2018/06/02 by 夕暮れ

      「千利休 本覺坊遺文」のレビュー

    • 4.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "井上靖原作の「本覺坊遺文」を熊井啓監督が映画化した芸術映画 「千利休 本覺坊遺文」"

      この映画「千利休 本覺坊遺文」は、野上彌生子原作の「秀吉と利休」を映画化した勅使河原宏監督の「利休」が、豊臣秀吉と千利休の二人の関係を基軸に話を進めていたのに対して、井上靖原作の「本覺坊遺文」を原作にしたこの映画は、千利休の側に絞って、利休という人間の内面を見つめようとした作品です。

      死後30年近い時間を隔てた上で、利休(三船敏郎)の弟子の本覺坊(奥田瑛二)の眼から客観的に、この巨大な茶人の生き方と、死を選んだ理由を探っていくという形で物語は展開していきます。

      この映画において、豊臣秀吉は脇役のひとりに過ぎず、歴史上の人物では古田織部、山上宗二、織田有楽斎といった茶人仲間がクローズアップされる事になります。

      一種の推理劇を思わせる映画の構造は面白い試みだとは思いますが、手掛かりとなる断片や証言の数々を総合して、結論へと導いていくのが、推理劇の醍醐味でもあるのですが、"夢"を使っては興味が半減すると思います。映画の冒頭から本覺坊の"幻覚や夢"が使われ、そこに登場する利休と交わす会話が鍵になって謎が解かれるのは、我々観る者の想像の範囲を狭めてしまい、面白さを損なわせるものだと思います。

      その結果、推理の過程よりも、しだいに明らかになってくる茶人たちの"死生感"が中心になってくるのです。画面の方も華やかな美くしさを極力排除して、賽の河原を連想させる石ころだらけの広野を、たびたび本覺坊の夢に登場させ、幽冥を分かつ象徴とするなど、死を意識させる"枯淡の水墨画調"に終始するのです。

      そして、その反面で、秀吉が利休の茶室へ入り藤のしだれ枝を直に這わせてある大胆な趣向に驚く場面以外には、茶道の技芸の映像化には、熊井啓監督はあまり熱心ではないような気もします。

      利休、織部、宗二、有楽斎のいずれもが、茶人としてよりも武人としての側面で描かれていて、利休=三船敏郎の武骨な演技が、そのような印象を助長しているように思います。

      つまり、この映画で描かれるのは、芸術家としての利休ではなく、武人としての利休と、その周辺の茶人たちの意識なのだと思います。利休は、芸術を代表しているのではなく、同じ武人として秀吉に対抗し、そして死を選んでいるのです。受動的な行為ではないので、秀吉が許そうとしても、それに従わず切腹を強行するのです。

      この映画を観る限り、茶人たちの死というものは、芸術に殉じたというよりは、武士の潔い最期だと受け取れるような気がします。

      本覺坊の記憶の底に眠っていた利休、織部、宗二、三者の会話は、死を常に意識する武人の感覚で、"無"や"死"を論じるやり方なのです。実際に、切腹する彼等だけではなく、病死する有楽斎(萬屋錦之介)の臨終も、まるで切腹のような鬼気迫るものがあったように思います。

      ところが、そうなると終始、枯淡の調子を崩さない画面との間に、何か違和感のようなものが生じ、従容として死を受け入れる精神面と、切腹の肉体的な生々しさとの双方を、同じ枯淡の表現で描くのには、多少、無理があったような気がします。

      小説という文章の中でなら、"観念"だけで死を語る事が出来ますが、映画という映像の世界では、"死の肉体的側面"を避けて通れないのです。
      >> 続きを読む

      2016/07/11 by dreamer

      「千利休 本覺坊遺文」のレビュー

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