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人間の約束

A Promise
ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 1986/09/13
監督:
製作国: 日本
配給: 東宝東和

    人間の約束 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 5.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      高齢化社会を迎えて、日本では老人、特に痴呆性老人の存在が、大きな社会問題となっている。

      治療の見込みがほとんどない、老人性痴呆症の患者を抱えた家庭では、しばしば家庭崩壊の悲劇に見舞われている。

      この松竹ヌーヴェルバーグの旗手だった吉田喜重監督の「人間の約束」は、この問題に焦点を当て、同時に安楽死の問題にふれた秀作だ。

      佐江衆一原作の「老熟家族」を映画化したもので、一時期、映画界を離れていた吉田喜重監督にとって、「戒厳令」以来、十数年ぶりの監督作品だが、堂々の大作に仕立てあげて、見事カムバックを果たした作品でもある。

      東京郊外の新興住宅地に住む家族の老母が急死する。
      商社勤めで管理職にある夫と妻、二人の子供、それに老いた父と母が、この一家の家族構成。

      寝たきりだった老母は、妻に身辺の生活を見てもらうのを嫌い、妻も老母を嫌悪していた。
      老母は一度、入院させられるが、老父が看護するという事で退院させる。

      だが、老父にボケが始まり、症状は急激に進行する。
      こうして、家庭は、次第に荒廃していく。

      老母の死を調べた刑事は、老母が枕元に洗面器を置き、水鏡にしていた事を知り、畳が濡れていた事、体にうっ血があった事から他殺ではないかと疑うが、確証はない。

      そんななか、老母を殺したのは自分だと、老父が名乗り出るが、ボケていて話の筋が通らない。

      果たして老母の死は他殺だったのか? --------。

      映画は、推理ドラマ風に進行していくが、もちろん犯人探しの映画ではない。
      ボケ老人を抱えて地獄と化していく家庭の、無惨な苦しみの日々を、吉田喜重監督は厳しい目で見つめていく。

      なんともやりきれない、暗く、つらい場面の連続だ。
      決して楽しくはない映画だが、吉田喜重監督の厳格な演出で画面は引き締まり、常に緊張感が漂っており、それが観る者をグイグイ引っ張っていく。
      楽しくはないが、映画としての見応えはたっぷりだ。

      --------以後、ネタバレあり--------

      物語を明かしてしまえば、水鏡をしている老母を見た息子=夫が、母の首筋を押さえて殺しており、夫はその事を火葬場からの帰りの車の中で妻に語り、車が警察へ向かうところでエンドマークとなる。

      およそ救いのない映画だが、現代の日本に生きる者にとっては、この救いのない状況は、直視しなければいけない問題だろう。

      淡彩の画調のなかで展開される、三國連太郎、村瀬幸子、河原崎長一郎、佐藤オリエといった演技派俳優たちの、静かなる熱演も素晴らしかったと思う。
      >> 続きを読む

      2019/11/26 by dreamer

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