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トーク・トゥ・ハー

Talk to Her
ジャンル: ドラマ , ラブロマンス
公開: 2003/06/28
製作国: スペイン
配給: ギャガ・コミュニケーションズ

    トーク・トゥ・ハー の映画レビュー (最新順)

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    全9件
    • 4.0

      アルモドバル版女性讃歌2。

      女性讃歌、というより、性の別を超え、そもそも愛とは何かを問う、極めて真面目な映画。看護師の男のストーカー行為や、20年にわたる母親の介護を通じて根づいたのらしい、不如意の肉体を介しての愛の理想像など、作中でも言及されるように常人からすれば異常者となるのだろうし、口実としての同性愛の告白が、やはりそうなのか? と観客に思わせる自然な話の流れが、彼を特異な存在にとどめる危険はあるのだが、私はそこに、愛とはそもそも倒錯であり、美徳悪徳を問えるものではないのだ、というアルモドバルのメッセージをしかと受け取った。「気持ち悪い」の一言では済まされない、身悶えするような愛の苦しみが、そこにはある。これは普遍的なものとして描き得ていると、私は思う。

      もう、どこから感想を述べたらいいのやら。というくらい、映画として古いような新しいような、ただ言えるのは、アルモドバルは映画作家として天衣無縫の境地にたどり着いた数少ないシネアストの一人であるということ。劇中作は舞踏、テレビショー、映画におよび、劇中映画に至っては、ムルナウの『サンライズ』のオマージュとして彼自身が撮ったという『縮みゆく愛人』、これがなんともヘンテコなモノクロサイレントで、これを観てしまった看護師ベニグノは、4年越しの献身の末についに院内で罪を犯すに至るのだが、いや、もう、これなんかアルモドバルの独壇場、こんなシークエンス、誰も撮れないでしょう。笑っちゃうんだけど、戦慄している自分がいる。そして物語の運び手は、誠実な壮年の男マルコに受け継がれていく。寛容であればこそ、引き受けざるを得ない孤独の体現者。この男の報われ方は、実に感動的である。

      一流の色彩感覚。カットの一々が決まっていて、額縁に飾りたいような絵の連続。それからこの人、耳が素晴らしくいい。コーマの若い女の着衣を剥ぐ、豊満な裸体を隈なく洗う、そして洗い立ての布で覆う…女体の凹凸を布越しに表現するというのもさすがだが、その時に発する衣擦れの音をしっかりマイクが拾っている。野外コンサートの白髪の男が絞り出す、なんとも悲しい歌詞と相まった哀切極まりない美声、女マタドールの出陣前の衣装をいく人かで仕立てていく、細部の装飾にカメラはアップし、太い針でキュッキュッと隙間が縫われていく。雨の音、夜の街を疾駆する車の音…。

      じつに官能的な体験。さまざまな愛の形があって、しかしすべての愛に通底する孤独。コーマの人間を愛することによって、愛の孤独を乗り越えようとする、倒錯的な試み。

      一人の天才が、神に賛美と呪詛とを突きつけているような、凄まじい映画。
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      2020/04/30 by Foufou

      「トーク・トゥ・ハー」のレビュー

    • 5.0 切ない

      ペドロ・アルモドバル監督の最高傑作のひとつ

      2018/07/26 by motti

      「トーク・トゥ・ハー」のレビュー

    • 4.0

      昏睡状態になった二人の女性と
      その女性を愛している二人の男性
      同じ病院に入院してることから二人の男性は出会うこととなる
      女性は喋らない
      男性目線で進む
      男性側の言い分しかないので女性の気持ちはわからない
      正直前半はあまり面白さを感じなくて、なんか思ってた映画と違う、間違って借りた?とか思ったのだが
      後半どんどん引き込まれる
      そして恐ろしくなる
      バレリーナのアリシアは交通事故により昏睡状態に
      アリシアの側にはいつも看護師のベニグノがいた
      ベニグノはアリシアを愛していた
      この愛は昏睡状態になる前はきっと受け入れられなかった愛
      こうしてベニグノはずっと側にいる権利を得た
      狂気に満ちた愛
      でもそれは客観視して気持ち悪いと感じるだけど、ベニグノにとっては最大の愛の形
      闘牛士のリディアはショーの事故により昏睡状態に
      恋人のマルコが側にいるが、リディアが昏睡状態になってから思わぬことを聞かされることとなる
      これも、所詮リディアから聞かされたわけではないので「本当なのかな?」と私は疑っています
      劇中に出てくるサイレント映画にも驚いたが、その後の展開も驚いた
      ベニグノとアリシア
      マルコとリディア
      そしてマルコとアリシア
      ラストの向こうにある景色が少し見えた
      >> 続きを読む

      2018/03/14 by tomi

      「トーク・トゥ・ハー」のレビュー

    • 5.0 切ない

      この映画「トーク・トゥ・ハー」は、愛と自由への賛美を描き続ける、スペインのペドロ・アルモドバル監督の作品だ。

      この映画は、人間のグロテスクさと美しさ、愛の不毛とほのかな希望を、ギリギリの線で結んだ秀作だ。

      交通事故で昏睡状態になったバレリーナのアリシアと、看護を担当するベニグノ。そして、アルゼンチン人ライターのマルコと女性闘牛士リディアの二組の男女の物語。

      ベニグノは、他人との接触を知らずに育った若者。アリシアを窓越しに見つめ、彼女の父の診療所に予約を入れて近づく。その彼女が事故に遭い、偶然ベニグノが看護することになる。そして、献身的な世話をし、彼女が目を覚ますよう懸命に語りかけるのだった。

      一方のマルコは、過去の愛を引きずり、絶望にひしがれる中年男。別の男と別れたばかりのリディアに惹かれるが、彼女も競技の事故で植物状態に。

      このような状況の中、病院で顔を合わせた二人の男は心を通じ合う。ある日、ベニグノが起こした衝撃的な事件が発覚。ベニグノは、絶望に打ちのめされるが、アリシアには"奇跡"が------。

      エキセントリックな表現で知られるペドロ・アルモドバル監督が、いつもより抑制を効かせた演出で見せてくれる。それでも、ベニグノの妙な純粋さやマルコのあまりに感傷的な人物像、アリシアの身体に向けるまなざしには、かなり癖がある。

      理想の愛の形から程遠く、話の筋は絵空事としか思えない。なのに、現実世界を投影した人間のゆがみや悲しみと、その中に紡ぎ出した希望には心奪われる。

      そして、世界的な舞踏家であるピナ・バゥシュの舞台などを効果的に挿入して、素晴らしい効果をあげていると思う。

      自らの手による、きわどいサイレント映画を使って、物語を劇的に展開するなど、ぺドロ・アルモドバル監督のセンスが光っている。

      2002年度の第75回アカデミー賞で、最優秀オリジナル脚本賞を受賞したのも納得の出来栄えだと思う。
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      2017/12/15 by dreamer

      「トーク・トゥ・ハー」のレビュー

    • 5.0 切ない

      正直言って前半はさほど興味なく見ていたが、後半の展開とあの独特の雰囲気が見事にはまりました。

      考察の入り込む余地を与えさせぬ愛の深さ。
      これを単なる変態ストーカーなどと片付ることは出来ない。
      それが本当の愛だったかはベニグノの後の行動で分かるはず。

      ペドロ・アルモドバルとは「オール・アバウト・マイ・マザー」での出会いに始まり、その後の作品も期待を裏切らぬ出来。

      挿入される曲やサイレント映画に闘牛など、この見事な余韻には感動しました。
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      2017/10/24 by オーウェン

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