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男はつらいよ 寅次郎恋歌

Tora-san's Love Call
ジャンル: ドラマ , コメディ
公開: 1971/11/20
監督:
製作国: 日本
配給: 松竹

    男はつらいよ 寅次郎恋歌 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 5.0 笑える 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      この映画「男はつらいよ 寅次郎恋歌」は、マドンナ役に池内淳子を迎えて製作された、シリーズ第8作目の作品です。

      この作品は、とらやの、あまり理屈を言わない庶民たちの中で、分別豊かなさくら以上に分別くさくて、しばしば義兄の寅さんに説教さえもする真面目な男である博(前田吟)が、ただ模範的な良き労働者であるだけでなく、実は落ちこぼれた人間の悲しみを骨身にしみて知っている男であったのだという、重大なことを披露する一篇なのだ。

      生きずりの他人とすぐ、肉親のように親しい仲になれるということが、寅次郎の性格の稀にみる美質であるとはいえ、やはり、毎度入れ替わり立ち替わり登場して、人生の悲哀を吐露する副主人公格の人物が、他人であるよりは身内であるほうが、ドラマの密度が濃くなるのは、自然な現象だと言わざるを得ないと思う。

      そういう意味から、博を副主人公格としたこの一篇は、全シリーズ中でも出色の出来栄えを示していると思う。

      内容については、博の母親が死に、そのお葬式の場で、母に冷たかった父親と兄たちに対する博の長年の憤りが爆発するのが、ひとつのヤマ場であり、非常に感動的なんですね。

      山田洋次監督の変わることなき第一主題とも言うべき、日本的な男性の女性に対する愛情のコミュニケーションの下手さということが、ここでは名優・志村喬の演じる博の父親の性格と態度に典型的に造型されていると思う。

      そして博は、この父親への反撥だけでなく、この父親に反撥もしない秀才の兄たちへの反感もあって、敢えて秀才とは逆の道を選んだのだ。
      彼は生来、心の温かい青年だったのだろうが、そんなわけで、意地でも人情味のある男にならなければならないと、決意して生きてきたのだ。

      そこから、寅さんやさくらの天衣無縫な善良さとは一味違う、彼の分別くささや理屈っぽさが出て来るのだが、しかし、意識してそうでもしないと、山田洋次監督の憂える日本の男の"愛情コミュニケーション不全症候群"とでも言える問題は、解決しないのだ。

      単純に善良な労働者として性格づけられていたみたいに思われた、彼の意外に屈折した心情を見せることで、このシリーズは一段と深みを増したのだと思う。

      寅さんは、こうして息子に非難されて打ちのめされた博の父の老学者の悲哀につき合ってやり、また喫茶店のママ(池内淳子)に惚れて、いつものように失恋する。

      博の父を演じた志村喬は、シリーズを通じて三作品(第1作、第8作、第22作)にしか出演していないが、シリーズ中、特に印象の深い人物のひとりになっていると思う。

      それというのも、およそ雄弁からは程遠い、モゴモゴしたあの喋り方と、たやすく人と打ちとけられない、あまりに重厚すぎる外見が、"愛情コミュニケーション不全症候群"の理想的なタイプを思わせるからではないかと思いますね。
      >> 続きを読む

      2018/06/07 by dreamer

      「男はつらいよ 寅次郎恋歌」のレビュー

    男はつらいよ 寅次郎恋歌
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