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ヘアスプレー

Hairspray
ジャンル: ミュージカル・音楽映画 , ドラマ , コメディ
公開: 2007/10/20
製作国: アメリカ
配給: ギャガ・コミュニケーションズ

    ヘアスプレー の映画レビュー (最新順)

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    全25件
    • 2.0

      2007年制作。熱狂的なファンもいらっしゃるようなのでこんなことを書くのはたいへん心苦しいが、なんとも気持ちの悪い映画です。

      元は1988年にジョン・ウォーターズが監督・脚本を手がけた映画で、これを原作としたブロードウェイ・ミュージカルが大ヒット、そして今作はそのミュージカルの映画化。リメイクともリブートとも言い難いこの出自には相応の理由があるのでしょう。

      ジョン・ウォーターズといえば、知る人ぞ知る『ピンク・フラミンゴ』の監督。カルト映画といえばコレ、というキワモノ中のキワモノで、本作に描かれる世にも奇妙なオゲレツ対決の詳細はここでは差し控えます。ドラッグクイーンのはしりとして名高い怪優Divine(ディヴァイン)を世に輩出した監督でもあり、その後もX指定のBad Taste Movies を撮り続けますが、自身初となる商業映画となるのが1988年の『ヘアスプレー』なのです。

      余談ついでにジョン・ウォーターズのその後の作品について述べれば、未成年でのポルノ出演が発覚してエンタメ界から追放されたトレイシー・ローズ、『ターミネーター2』で人気を博しながら薬物・アルコール依存症に陥ったエドワード・ファーロング、サンフランシスコの新聞王の娘にして通称「ハースト事件」で世間を騒がせたパトリシア・ハーストなど、訳ありセレブをキャスティングする姿勢を貫いており、かつて自身も悪童の名を馳せた人物ならではの気骨を見せてくれます。

      いっそ日本でもクスリやフリンでミソのついた人たちを集めて『みんな〜やってるか! returns』とか『座頭市 unlimited』とか、タブーなきエンタメを作ってしまったら、昨今はびこるヲタメごかし的風潮に風穴が開いて、興行的にも案外成功するんじゃないかと密かに妄想する次第。

      閑話休題。今作は2007年版で、ジョン・ウォーターズ版にあったキワモノ要素がきれいに抜け落ちている(88年版では主人公がゴキブリ柄のドレスを着ていたり、ママ役のディヴァインは男であることをほとんど隠していなかったり)。語弊を恐れずにいえば、明るく健康的な作品に生まれ変わっているのです。

      ところで冒頭で「気持ち悪い映画」と評したのは、なにもジョン・トラボルタが特殊メイクでビッグ・ママを演じているからではなく(というか、むしろ彼の最良の演技がここに披露されているかもしれない)、「デブ」「チビ」「ゲイ」「黒人」といったマイノリティを配置して差別撤廃と多様性擁護を謳いながら、音楽と踊りという極めて一元的な手段によってそれを実現しようとしているらしいことへの歯痒さというか居心地の悪さのためであり、主人公の通り一辺倒の笑顔を見るにつけ、黒人はみんな歌や踊りが上手いとでもいうのか、歌いたくもなければ踊りたくもないという人間はどうするのか…などと、意地悪の一つや二つ、いってやりたくもなります。そういう意味で、ちょっとバルネラブルな映画に仕上がっている。

      ワールドカップの日本戦で「ニッポン、ニッポン…」と騒ぎ立て、テレビ中継の視聴率記録を更新したところで、熱狂から覚めれば一体感なんぞどこへやら、私たちは誰しも身をもって「祭りのあと」の虚しさを知っている。歌や踊りが実現してみせるものは、歌や踊りがつづくかぎりの夢なのであって、だからミュージカルとは元来ほろ苦いもの。そうした視点を欠いた底抜けの能天気さというのは、今風にいうと、ちょっと「ムカつく」わけです。

      主演を張ったニッキー・ブロンスキーはあとがつづかなかったようで、警察沙汰を起こした挙句、現在ハリウッドの美容室にてアルバイトをしながら絶賛充電中とのこと。三十前半でまだまだお若いし、待てば海路の日和あり、再び脚光を浴びる日も来るのか、来ないのか。ちなみに昨年は渡辺直美を起用しての芝居が国内でかかるはずだったのが、コロナで流れてしまった模様。もしかすると、昨年の下半期はヘアスプレーブーム到来だったかもしれないことを思うと、この世とはやはり浮世なのでございます。

      ともあれ、なぜガラにもなくハイティーンの活躍するミュージカルなんぞを観ようと思ったかというと、ジョン・ウォーターズの精神的同胞だからではなく、踊りやダンスが好きだからでもなく、ましてやダイバシティに共感するからでもなく、ただただクリストファー・ウォーケンを見たかったからなのです。

      元々ダンサーですから、イーストウッドの『ジャージー・ボーイズ』にしかり、映画作家たちはなにかとこの人に踊らせようとする。この人の魅力を語り出したらこれまた止まらなくなりますけど、あの、ちょっと身をかがめて相手の目を覗き込んでですね、力強く励ましながら破顔するときのですね、ちょっと泣いているようにも見えなくもない笑顔が、ほんとうにたまらんのです。今作でも父親役のウォーケンは、ジョン・トラボルタ演じる妻にダンスオーディション行きを娘に諦めさせてほしいと説得される。これがあの娘のため、こんな体型で恥をかくのは目に見えている、と。わかった、私が話す、と引き受けてウォーケンは娘の部屋に入ってベッドにうつぶす娘の傍に腰を下ろす。「ほんとうに受けたいのか」「死ぬほど」「じゃあ、受けろ。ここはアメリカだ。ビッグにいけ!」こんな喝を入れられたら、なんだってできてしまうんじゃないかしら。

      『ディア・ハンター』のニックはいまだに、「ワンショット。ワンショットか」と何かの拍子にはにかみながらわたしに囁くことがあります。いやはや、なんとも感動的な人なのです。
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      2021/05/20 by Foufou

      「ヘアスプレー」のレビュー

    • 4.0

      王道の筋。楽しく、メッセージが明確。

      2020/06/14 by taku

      「ヘアスプレー」のレビュー

    • 4.0 元気が出る

      ミュージカル映画

      2020/05/08 by naoko

      「ヘアスプレー」のレビュー

    • 4.0

      ミュージカル映画サイコー!

      2020/02/22 by ALISA

      「ヘアスプレー」のレビュー

    • 4.0 元気が出る

      ミュージカル映画は苦手だけれど、わりとスムーズに観ることができた。
      人種や体型への差別について触れられているけれど、重々しくなくかといって軽いわけでもなく、ちょうど良いテンションで良かった。
      明るくてハッピーな気分、前向きな気分になる映画だった。

      2019/03/29 by pink-tink

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