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ドリーマーズ

The Dreamers
ジャンル: 青春 , ドラマ , ラブロマンス
公開: 2004/07/31
製作国: イギリス , イタリア , フランス
配給: ヘラルド

    ドリーマーズ の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 4.0

      五月革命のパリ。そこへ爆音と共にジミヘンが降臨する。

      無骨な鉄の建造物をカメラは荒々しく降下して、やがて地面に立つ青年の、憧れの眼差しを虚空にやる晴れがましい顔をとらえる。橋を渡る青年の背中を俯瞰で撮る。水は濁っている。用意周到に緑は排されている。そして青年が橋を渡り終えた時、カメラは彼を正面から捉えて、その背後に黒々と立つ巨大なエッフェル塔。ああ、あれはエッフェル塔だったのか。花の都のアイコンが、初めて不穏なものとして焼き付けられる。これこそは、まさしく映画的体験というもの。Third stone from the sun は未だ止まず、青年はシネマテークの映画館でサミュエル・フラーの映画を観る。高校生の時分、駅前に初めてレンタルビデオ屋が進出して、当時はフラーもかなりの本数揃っていたのを覚えているが、当時の私のもののわからなさといったら、現在の近所のツ◯ヤ並で、誰が観るのだろうと、手に取ったきり、ついに観ないまま今日にまで来てしまった。なにかにつけ、自分の不勉強が呪わしい今日この頃である。

      この映画を公開当時観た友人が興奮した口調で冒頭のジミヘンのくだりを語っていたのを久しく覚えていて、観たい観たいと思っていながら、不運にも私の住んだ土地土地のレンタル屋には置かれておらず、いつしか存在も忘れていた。しかしこの度、iTunesから消えてしまったアルモドバルの映画がAmazonプライムで何本か観られることが判明し、それで渋々プライム会員になったところが、突然今作『ドリーマー』がレコメンドされてきたのだから、人生万事塞翁が馬、どんな巡り合わせが先々待ち構えているか、わかったもんじゃない。

      双子の姉弟とアメリカ青年の、両親旅行中の時ならぬ同棲生活。姉と弟が時折映画の場面を演じて、その都度原典の映像が引用される。あれも知らない、これも知らないだが、唯一『フリークス』はわかって、これも遠い青春期に観た思い出深い映画…、しかしそれはそれ、新風を取り込もうと胎動するパリにあって、古い映画たちが若さだけが取り柄の若者たち(しかし人の取り柄って案外若さだけではないのか…)に遊戯として引用される様は、なんというか、贅沢の極みというか、官能の極みというか、いやもう、まさしく夢なのである。だからこそ、三人して同衾する中東風に拵えた寝屋にて、不意にドリーマーズの一人は不安に眠りを破られて言うのである、「ねえ、これは永遠よね」と。

      最後に引用される映画はブレッソンの『ムーシェット』。原作はジョルジュ・ベルナノスの『新ムーシェット物語』。絶望した少女が自らの命を断つという結末で、これをブレッソンは、おそらくは神に決定を委ねるべく、少女に沼に至る坂を転げさせるという演出を採用する。転がり落ちる少女は沼の際すれすれで止まっ失敗する。反復して二度目も失敗する。それは神の意志であるはずである。しかし少女は三度目をトライして、とうとう入水を果たす。ムーシェットが沼に落ちた刹那、双子の姉のほうはガス管を両手に持って、夢追い人たちの中央にまんじりともせず横たわっている。すると、突然投石か何かが部屋の窓ガラスを割り、彼らの眠りは破られる。否、夢は破られる。ムーシェットのような死は、1968年5月のパリにあってはあらかじめ拒絶されているかのようである。かくして彼らは着衣ももどかしいというように、暴徒の只中へ分け入っていく。

      五月革命とは、結局のところ父と子の葛藤の物語に過ぎなかったのか。子どもたちの乱痴気を目の当たりにして無言で去る両親の乗るアパルトマンのエレベーターが荒々しく降下する。冒頭のカメラワークが反復される。映画が終わろうとしている。結果はどうあれ、そこに後悔はない、とエディット・ピアフは最後に歌い上げる。そして、再びのジミー・ヘンドリクス。花の都パリにジミヘンは似合わない。しかしかつて、不思議な両者の和合がなされた時代があったか、あるいはベルトルッチが詩人の目でそれを幻視したか。これ以上ない選曲である。

      アメリカ青年と姉のキスシーンですね。あそこで一瞬スローモーションが採用される。そこだけではもちろんない。なにもかもが瑞々しく、ハッとさせられる。そしてはかなさが迫って胸が痛くなる。

      要するに、青春なんだよね、と納得する。それを永遠のものとして刻印しようとする虚しい営為こそ、芸術と呼ばれるものかもしれないなどと、嘯いてみる昨今です。
      >> 続きを読む

      2020/05/25 by Foufou

      「ドリーマーズ」のレビュー

    • 現実のほうが映画を反復しているのではないかと錯覚することが時折あります。感情を人前で表さなければならなくなった時なんか、なにかをなぞっている自分に薄々気付きますから。songe mensonge 夢は幻。映画もそう。現実もそう、なのかな。 >> 続きを読む

      2020/05/25 by Foufou

    • 3.0

      とにかく凄い
      海外の俳優さんはプロ意識が高いのでしょうか
      有名な俳優さんでもバンバン脱ぎます
      それがまた美しいから凄いです
      エロさではなく芸術的な裸のシーンでした
      映画が好きな3人
      この3人の関係性が不思議です
      まずは双子の姉弟
      そこに、デモ活動で出会ったマシュー
      デモってどういうことなのか、私がそういうことが身近になく、わからない時代に生きてるので、その辺りは少し難しかったです
      イザベル、テオ、マシューの3人の恋愛なのか偏屈した愛なのか、はたまたあそびなのかゲームなのか
      とても不思議な関係性ですが、3人が美しいので観てられます
      引き込まれます
      ストーリー性よりも芸術的な美しさを楽しむ映画です
      >> 続きを読む

      2016/11/03 by tomi

      「ドリーマーズ」のレビュー

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