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ワイルドバンチ

The Wild Bunch
ジャンル: 外国映画 , 西部劇 , アクション
公開: 1969/08/09
製作国: アメリカ
配給: ワーナー

    ワイルドバンチ の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 5.0 クール

      サム・ペキンパー節炸裂で男臭200%な作品とでもいおうか。

      とにかく出てくる男たちの渋くてかっこよいこと。
      容姿ではなくその生き様に憧れる。
      また最後と分かっているからこそ、感情移入をさせる要因でもある。

      特に4人が並んで歩き助けに向かう死の行進は名場面。

      そしてスローモーション描写なんてもはや芸術の域。
      下手に多用する作品が多いが、肝心なところにこそ必要だと改めて思う。

      ウィリアム・ホールデンやアーネスト・ボーグナインなど役者も一級品であり、ラストの余韻も堪らない。
      >> 続きを読む

      2016/03/22 by オーウェン

      「ワイルドバンチ」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "ハリウッドの異端児サム・ペキンパー監督が歴史の転換点としての西部の時代の終焉を雄大なスケールで描く挽歌"

      西部劇は1960年代半ばからのマカロニ・ウエスタンの席捲という、時代とアメリカそのものの社会状況の変化に伴い、それまでの定型的な様式美等を打ち破り、「明日に向って撃て!」と共に「ワイルドバンチ」がその方向性は全く異なりますが、西部劇のパターンを完全に解体し変革しました。

      このサム・ペキンパー監督の「ワイルドバンチ」は西部劇の歴史の中で、この映画ほど公開当時、アメリカで数多くの非難を浴びた映画は他にありませんでした。まず女性の映画評論家や映画ファンが怒りの声をあげ、続いて良識派と言われる映画評論家や映画ファンがそれに同調し、西部劇のファンまでが不快感をあらわにしたそうです。あの西部劇の王者ジョン・ウェインが「こんなもの、西部劇じゃない」と罵倒的な感想を述べたとも言われています。

      確かにこの映画を表層的に観ただけでは、このような評価を受けるのも無理からぬところがあり、例えば有名なこの映画での最初の大虐殺場面----ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ウォーレン・オーツ等の一癖も二癖もあり、暗い過去をひきづって、道徳観のかけらもない中年を過ぎた無法者の一味が1913年、革命の最中の動乱のメキシコとの国境の町にある鉄道管理事務所を金目当てで襲撃します。

      西部劇には昔から"グッド・バッド・ガイ"と言われる"善良なる悪人"が登場しますが「ワイルドバンチ」の連中は根が善良というのとは全く違います。そしてこの町には鉄道会社に雇われたロバート・ライアン等の賞金稼ぎの荒くれ男どもが建物の屋根の上で待ち伏せしています。そこへたまたま禁酒運動の婦人団体が、子供もまじえて行進して来ます。逃亡しようとする無法者一味に向けて賞金稼ぎが一斉に打ちまくります。無数の銃弾の雨がデモ行進の人々の上に降り注ぎます。

      そこはまるで阿鼻叫喚の地獄的な風景に一変します。撃たれた人間が血を噴き出しながら倒れていく様が、超スローモーションのモンタージュで描かれます。アップとズームの多用、また、手持ちカメラや望遠レンズを頻繁に用いた手法も斬新で、それ迄の西部劇と比較すると驚異的な飛躍であり、これにより一気に映画的緊張感や躍動感が増したのではないかと感じました。血なま臭く、残酷極まりない殺戮シーンを、陶酔するように美しく表現し、暴力の美学を描き切り、サム・ペキンパー監督は人間が行動する様や、それが引き起こす暴力や残酷さというものに究極の美を見い出そうとしているかのようです。

      1960年代後半のアメリカはウーマン・リブ運動が起こり、女性の観客や良識派と言われる人々は必要以上に過敏に反応し、この「ワイルドバンチ」を男のバーバリズムの復権を唱える危険な暴力映画として捉えたのかもしれませんし、様式美にこだわる西部劇ファンは映画の中で無数に飛び散る血に嫌悪感を示したのかもしれません。しかし、現在のいわば血みどろな映画が普通に描かれている状況からすれば、この映画で流される血のフォトジェニックな美しさは他の追随を許さないほど、素晴らしいものがあります。

      映像表現は、"様式とリアリズムの間"で揺れ動いて来ましたが、最も厄介だったのが、この"血"の表現だったと思いますがサム・ペキンパー監督はそれを超スローモーションを使用する事で克服したのだと思います。つまり、"様式の破壊ではなく、新しい様式美を創出した"のだと思います。その証拠に冒頭の殺戮シーンでは女性や子供が撃たれるショットがなく、一定のモラルは守られていたように思います。

      この映画以降、サム・ペキンパー監督には"血みどろの暴力派監督のレッテル"が貼られる事になりましたが、そうなるとクェンティン・タランティーノ監督やロバート・ロドリゲス監督のように血と暴力に過大な意味を見い出す、いわば"バイオレンス陶酔派"とも言うべき信奉者も出現して来ました。

      確かにこの映画は生臭く、暴力的で、破滅的で、非情でもあり、彼等の生きる世界も暴力に満ちていて、映画の冒頭の銃撃戦ではお互いの銃弾で多数の住民が巻き添えになります。サム・ペキンパー監督はこの映画のタイトルシーンでの蟻の巣にサソリを落として遊ぶ子供たちを描く事で、その事を象徴的に暗示し、その中で彼等が死というものに向って一直線に突き進んでいく様を描いたのだと思います。

      そして映画を観終わった後に感じるのは、この映画を巨視的に時代の変遷を捉える映像作家としてのサム・ペキンパー監督の透徹したリアルな視点です。ロバート・ライアン率いる賞金稼ぎの一団は、鉄道会社の雇われ者です。ウィリアム・ホールデンを首領とする無法者一味は、馬から鉄道の時代へと移行する歴史の転換の時代の中、いわば鉄道によってアメリカから追われて来たのです。そして彼等はメキシコへ逃れ、革命の嵐に巻き込まれ、映画のラストで近代的な装備の軍隊と凄絶な死闘のあげく、全滅していくのです。このラストの凄絶な死闘の場面の映像的な美しさは、まさに映画史に永遠に残る名シーンだと思います。

      そして、それは西部の時代の終焉であると同時に、戦争の近代化の始まりをも意味しています。この「ワイルドバンチ」は歴史の転換点を雄大なスケールで描いた"西部劇の哀しい挽歌"を描いた映画なのです。
      >> 続きを読む

      2016/02/04 by dreamer

      「ワイルドバンチ」のレビュー


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