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美しき諍い女

La Belle noiseuse
ジャンル: エロス , 外国映画 , ドラマ
公開: 1992/05/23
製作国: フランス
配給: コムストック

    美しき諍い女 の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 4.0

      軽い気分で借りたらツタヤのお兄さんが「2枚組ですので~」とか言い出すのでびっくりしました。ツタヤ50音順プロジェクト「う」、あまり選択肢が多くなくて、フランス映画の気分だったのでこれにしたんですが、ひさびさに休憩挟む映画を観ました。最近の前編後編で公開分ける方式よりも、長くても一部二部とかで分けるほうが好みです。そう、たとえ238分あろうとも!
      ちなみにヴィスコンティの『ルートヴィヒ』が237分、『風と共に去りぬ』が222分、『十戒』が232分とのことですが、1990年代にこんなに長い映画って、ちょっと思いつきませんね。

      バルザックの『知られざる傑作』を脚色した作品なのだとか。バルザック好きですが、読んでないので、それも読まないと。
      エマニュエル・ベアールの勝気な瞳が美しかったです。ミシェル・ピコリも貫録ですね。

      老画家が美しき諍い女、という絵を描く話です。過去に一度妻をモデルに描こうとして、でもうまく描けなくて断念したのを、若き画家の恋人をモデルに借りて描く話。老画家と新しいモデルの若い美女が恋に落ちる、わけではないのがこの映画の大作たるゆえんでしょう。でももともとモデルを務めていた妻も、恋人をモデルに貸し出した若い画家も、そわそわしてしまいます。だってヌードモデルですし。

      実際何もないんですけど、心が通わなかったわけではありません。骨格をあらわにし、肉をはぎ取って骨をばらばらして、モデルを再構成する。もともと「美しき諍い女」って17世紀の娼婦にインスピレーションを得た作品のはずなんですが、ここで暴かれるのは新しいモデルそのひとです。

      老画家役のミシェル・ピコリ、絵を描いている場面が多いんですが、ほとんどしゃべらずにひたすら筆を動かすのです。外でなくセミの声が遠く聞こえるのがいい。あと筆が紙をこする音がものすごく良かった。
      ミシェル・ピコリ、絵の勉強をしてたことでもあるんでしょうか。筆さばきが非常に自然だったので。役作りかなにかでやったことあるのかもしれませんね。

      老画家の妻はジェーン・バーキンです。あらためてみると豪華なキャストですね…
      カンヌでグランプリ獲ったそうなんですが、芸術の狂気が実によく出ていました。業ですねぇ。若き芸術家ニコラもきっとああなるんだろうな。

      以下、メモ程度のチェックポイントです。

      ・エマニュエル・ベアールのヌードはあまりにたくさん出てくるのでだんだん慣れてきます。一糸まとわぬ姿でいるときよりも、ガウン(ジャポニズムな着物だと思われます)を羽織った姿でタバコ吸ってる時の方がセクシー。あと彼女は、強い視線が魅力的です。正直、ヌードシーンはおまけです。彼女の美しさはそこじゃなかった。
      ・でもやっぱり背筋は大事だと思いました。筋トレしよう。
      ・ラストでニコラに「スペインに寄っていく?」と言われて「Non」と答えてるんですが、字幕ではわざわざ「いやよ、エドアルド・フレンホーフェル」と名前がついてるんですよね。しかもなぜか画家の名を呼ぶ。ただの誤植?
      ・老画家がモデルをマネキンのように扱うの、いいな。静物画として描いてるというか、血が通っていないとか絵に文句つけてたわりに、血の通ったものとしてモデルを見なしていない感じがすごい。
      ・あの老画家はイデアを求めているのでしょうね。物体としての対象ではなくて、美しき諍い女と呼ばれた娼婦の核を引きずり出してキャンバスに体現しようとしているのか。
      ・過去に自分がモデルしたときに描かれた絵が新しいモデルの絵に上書きされているのを観たときの老画家の妻の心情を思うと…これはキツいですね。たいてい若い女というのは、図らずも年上の女を脅かすものである。
      ・唐突な妹の登場がよくわからなかった。あの3人も、なにかありますよね。
      ・前に描こうとして断念したときのことについても、ほのめかしはするのだけれど詳しい話はわざわざ説明されないんですね。
      ・そして完成した「美しき諍い女」も、観客は目にすることができないんですね。あの赤が良かったな。
      ・マガリの将来がすこし心配になる。
      ・老画家夫婦はプロヴァンスの古城で隠遁生活を送っているんですが、お城に住むって、いいなぁ。天井が高いのがうらやましいです。カウチは天井が低いと絵にならない。
      ・アトリエの場面の筆の音がすごくよかった。カリカリっという、こすれる音。しーんとしたアトリエで、何もしゃべらないでずっと同じポーズで、ずっとあんな音聞いていたら、洗脳されそうだ。
      ・というかこの映画に限らず画家とモデルが恋に落ちるパターンが多いの、ちょっとわかった気がします。あんなに見つめて見つめられていたら、恋もしますよね。しかも一緒に作品を作り上げていくという連帯感もるでしょうし。吊り橋効果というよりはストックホルム症候群っぽい気もしますけど。きみとぼくのふたりだけ、ここにはあなたとわたしだけ、というのは、狂気に陥りやすい気がします。

      いい映画でした。長かったけれど苦痛ではなかったし、観てよかった。
      >> 続きを読む

      2016/10/16 by ワルツ

      「美しき諍い女」のレビュー

    • 4.0

      芸術がこんなにも大変な作業だとは思わなかった!
      画家が傑作を生もうとすれば
      画家自身も葛藤するし、モデル自身も葛藤するし、
      さらには画家とモデルとの格闘もある。

      そんな苦労の末に傑作ができたとしても
      モデルを務めた人や 周囲の人たちを
      傷つけることになるかもしれない。
      なぜならこの作業は、真実を晒してしまう作業だから。
      芸術家にとって、制作と日常生活とを
      うまく両立させることは難しいことなのかもしれない。

      逆から言えば、通常 人は皆
      ある割合で真実を隠し嘘の上に生きていて
      お互い そこには触れないようにしているから
      日常生活を共に過ごせているのかもしれない。

      などなど、いろいろ考えさせられる作品でありました。

      それにしても
      マリアンヌ(エマニュエル・ベアール)の裸体は
      何て言うのか、日本人女性とは違う、肉食系の裸体☆
      あんなモデルがいてくれたら
      私だって制作意欲を掻き立てられますよ!
      でも あんな苦しみは御免だ~(笑)
      >> 続きを読む

      2015/01/18 by ひで。

      「美しき諍い女」のレビュー

    • 大人チックな映画ですね〜。
      でも内容自体は芸術の話なんですね。
      うむむ。

      2015/01/18 by milktea

    • >milkteaさん
      観る側の私たちも、この映画と格闘しながら観ているのかもしれません。
      人によって感想は分かれそうですが、私は好きです。
      >> 続きを読む

      2015/01/18 by ひで。

    美しき諍い女
    ウツクシキイサカイメ

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