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ヘッドライト

Des Gens Sans Importance
ジャンル: ドラマ , アクション , ラブロマンス
公開: 1956/10/05
製作国: フランス
配給: 新外映

    ヘッドライト の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      このフランス映画「ヘッドライト」に登場する人々は、原題にも示されているように、重要でない人々、くだいて言えば、取るに足りない人々、しがない人々だ。

      アンリ・ヴェルヌイユ監督が、これらの人々をつつましやかで、しみじみとしたタッチで描いた、心に残る、味わい深い佳作です。

      フランスを代表する名優のジャン・ギャバンが、渋い演技で見せてくれる主人公の男は、言うなれば、フランス版トラック野郎。菅原文太と愛川欽也のコンビによる東映のトラック野郎が、あくまでもけたたましく、ネアカだったのに比べて、この映画はグッと人生の辛さといったものが滲み出るネクラな感じなのです。

      この映画は、ジャン・ギャバン扮する長距離トラックの運転手ジャンの回想で始まります。それは忘れ難い、フランソワーズ・アルヌール扮する女性クロのことです。

      二人は2年前のクリスマスの夜に初めて出会い、そして親密な間柄となります。このクロはまだ若く、ジャンとは親子ほども年齢が違います。そして、ジャンには妻と子がありますが、長い歳月が固めた壁の中で、生き甲斐のない、干からびた生活を送っていたのです。

      そして、ジャンは遂に妻子と別れ、クロと一緒になることを決心しますが、ジャンとクロの新生活を求めてのトラックの旅は、クロの死への旅ともなるのです-----。

      この悲哀に満ちた旅は、映画的な魅力に満ち溢れていて、私の心に忘れ難いものを残してくれます。

      病に苦しむクロを乗せて走る長距離トラックの荷台には、運送するたくさんの家畜が乗せられています。ハネムーンの旅にしては、何とも不釣り合いですが、しがない中年男と薄幸の女の恋らしいともいえ、切なくなります。

      そんなチグハグさが、通俗的なメロドラマになりかねない題材に、"人生の皮肉な真実"といったものを感じさせずにはおきません。

      アンリ・ヴェルヌイユ監督は、社会面では全く採り上げられないような、ありふれた、取るに足りないような出来事を、深い共感の眼で静かに見つめ、しっとりとした情感の雰囲気の中で、克明に描き出し、いわば"小説的な映画"として、心に染みる作品に仕上げていると思います。

      そして、"生活"というものが、この映画の中のどの場面にも滲み出ているのが成功の一因でもあると思いますが、それとともに、ジャン・ギャバンとフランソワーズ・アルヌールの好演も、味わいを一層深めていると思います。

      この映画は、中年男のカッコ悪さ、切なさ、といったものを容赦なく描いていることで、"人生の苦さ"といったものが、余計に漂ってくるのです。
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      2017/05/01 by dreamer

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