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ノスタルジア

Nostalghia
ジャンル: ドラマ
公開: 1984/03/31
製作国: イタリア , ロシア
配給: フランス映画社

    ノスタルジア の映画レビュー (最新順)

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    全6件
    • 3.0

      美術的センスが光る映画でスローなテンポで織り成すその映像美に酔いしれた。内容はリリカルな感じで、なんとなくわかるが言葉にできない。それこそアンドレイが言っていた「詩は翻択できるものではない、すべての芸術も」ということだ(ということにしておけ)。

      個人的にはガラス瓶の色合いが好きだ。あと廃墟の魅力も綺麗に汲み取っているので廃墟フェチにもお勧めしたい。

      2017/11/10 by きりゅう

      「ノスタルジア」のレビュー

    • 4.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      アンドレイ・タルコフスキー監督の映画は難解であると思っていたが、繰り返し彼の作品を観ているうちに、ある瞬間から、すこぶる明晰に感じられてきた。

      だいたい彼の描く画面は明晰で、正確さを目指して考えぬかれたに違いない、単純で均整のとれた構図を持ち、色彩と照明と陰翳に精妙な美しさがあって、静かではあるけれど、次第に強まるスリルとサスペンスを感じさせるのが、彼の映画の特徴だと思う。

      そして、彼の映画には独特のタルコフスキー式記号や暗号や暗示がよく表われ、しかも一切の説明が排されているので、明晰な画面が様々な解釈と想像を呼び起こす多義性を持っていると思うのです。

      この映画「ノスタルジア」は、死を間近に控えた異邦人が、二度と帰れぬ故郷の大地を切々と想いつつ、そのノスタルジアのくびきを超えて出ていく様が、重厚無比の詩的な密度で描かれている作品だと思う。

      その中でも、特にイタリアのとある寒村の湯治場を舞台に展開する、"詩人と狂人"のエピソードが鮮烈だ。

      村人や湯治客から狂人扱いされているドメニコは、ロシアから来た詩人のアンドレイに、"世界の救済をかけて、ロウソクの火を消さずに湯治場の広場を横断するように"との謎めいた懇願をする。

      ローマの著名な騎馬像の上で、ドメニコが命がけのアジテーションの末に焼身自殺し、火だるまとなって落ちる時、アンドレイは吹き渡る風ですぐ消えてしまうロウソクの炎を守りながら、広場を渡り切ろうとする----。

      アンドレイ・タルコフスキー監督は自らもソ連からイタリアへ亡命しており、詩人のアンドレイに自信の姿を投影して、故郷への想いを吐露しているのかも知れません。

      故国を離れてイタリアを旅している主人公の詩人アンドレイの外見で、すぐ目につく特徴は、頭の部分的な白髪で、彼が苦悩する人であることを示しており、苦悩をテーマにしたロシア文学の歴史が思い出されます。

      やがて天から降ってくる白い羽毛は、詩人の白髪と相似形だ。この羽毛は、前の場面で"出産の聖母像"のおなかから空中に飛び立った小鳥と関係があり、タルコフスキー監督の映画の場合、たびたび上から突然、降ってくるものは"天の啓示"で、救いは"苦悩の代償"であると、暗示されているのだと思う。

      あらゆることをコンピュータで計算して、合理的に解決しようとする現代において、苦悩する人というのは、いささか古風な倫理家の印象があるので、同行のイタリア女性に、詩人のアンドレイは"聖人"、"面倒な男"、"偽善者"とののしられるのだが、彼女の罵声は、面倒なロシア人の男を愛したい渇きから生じているのかも知れない。

      そして、タルコフスキー監督の映画で、犬は苦悩する魂の同伴者であり、停滞して澱んだ水は生命を死滅させ、流れたり湧き出したり、雨や雪になったり、変化する水は美しく描かれて、新しい生命の誕生を予告しているのだと思う。

      この火と水の暗喩に富んだイメージは、タルコフスキー監督、独特のものだと思う。

      水がきれいだった昔に帰ろう、このままでは死滅する、と訴える篤信者ドメニコの大演説には、十分な正当性があるが、しかし、あまりにも性急な浄化への欲求は、ファシズムの母胎にもなりかねないものだ。

      自分を焼き尽くした彼の狂熱に呼び起こされた、静かな最後の情熱によって、詩人アンドレイは、小さなロウソクの火を消さずに広場をを渡る苦行に、世界の救いを求めようとするのだ。詩人の死の暗示に、私は遺言書の意識を感じてしまった。

      そして、ラストの驚くべき仕掛けによって全貌を表わす詩人の故郷の風景は、ノスタルジアで浄化された聖域とも、神が失われたことで廃墟となった、カテドラルの壁に閉じ込められた牢獄とも見えるのだ。

      そこに降る雪。人間と故郷、国境、文明、自然との関わり合いの深部を、見事に具象化した画面に、息をのんだ。
      >> 続きを読む

      2016/12/23 by dreamer

      「ノスタルジア」のレビュー

    • 3.0

      およそ30年振りの鑑賞..............するも、今回も撃沈。

      今作に限っては本当に解らない。

      タルコフスキーの作品は単純にストーリを追えば理解出来る物は一作も無く、比喩的な表現や抽象的な演出、長回しの固定カメラ、難解な台詞、唐突な詩のナレーション(監督自作の詩の場合も有る)、そして何かの演出意図を託されたエキストラなんてのは毎度の事であり、一回観ただけではまず解らない。

      なので時間を置いて再鑑賞するのであり、そこで私なりに楽しめる部分を発見したり理解したりするのだけど、それにしても今作はこんなに長い時間が開いちゃったよ。

      娯楽性の有る作品では無いから単純にストーリを追っても退屈するので、観る際には予備知識と覚悟と万全のコンディションが必要。

      でも鑑賞する苦痛に対する御褒美の様な映像美もふんだんに有るので救いは有るけどね。

      ぜひ映画史に残るラストシーンに辿り着こう............またそのシーンが難解なんだけど
      >> 続きを読む

      2016/03/23 by boban

      「ノスタルジア」のレビュー

    • 4.0

       imagicabsの特集で映っていた廃墟の映像美に惹かれて鑑賞した一本です。

       ロシア人作家アンドレイ・ゴルチャコフは、助手で通訳のエウジェニアと共に、故郷ロシアに帰れば農奴となることがわかっていながら帰国し、自殺した作曲家パーヴェル・サスノフスキーの取材のために、モスクワからイタリア中部のトスカーナを訪れていた。だが、その旅も終わりに近づいていた。アンドレイは持病の心臓病を患っており、もう余命が長くなかった。

       今作で注目してほしいのは、自殺した作曲家の取材ではなく、廃墟に描かれたイタリアのトスカーナの映像美に趣きを置いていることです。台詞はほとんど少なく、長回しの撮影とトスカーナにある廃墟の建物を絵画的に映している点にも注目してほしいです。

       監督のアンドレイ・タルコフスキーは今作がロシア以外で初めて製作した作品ですが、今作を持って祖国ロシアを離れることになります。タイトルの「ノスタルジア」とは、故郷を思う心という意味だそうです。おそらく、タルコフスキーも主人公の詩人も異国の地で望郷の念に浸っていたのかもしれません。
      >> 続きを読む

      2016/01/14 by w.s

      「ノスタルジア」のレビュー

    • 4.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      ただただ美しい映像に圧倒される。「映像美」とはこのことを言うのですね。劇中の台詞「詩は翻訳できない。全ての芸術にいえることだ」が胸に痺れました。 >> 続きを読む

      2015/08/22 by Chihoish

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