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シャンドライの恋

Besieged
ジャンル: ドラマ , ラブロマンス
公開: 2000/02/05
製作国: イタリア
配給: アミューズ配給(アミューズ=デジタル・メディア・ラボ提供)

    シャンドライの恋 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      かねてよりベルナルド・ベルトルッチ監督の映画を愛する者の一人として、この映画「シャンドライの恋」に対して、どのように向き合えばよいのだろうか? それは彼の「暗殺の森」とも、「1900年」とも全く異なる顔で私の前に現われたのだ。

      この映画の主な登場人物は二人。アフリカで政治活動を行ない、軍事政権に反抗したため逮捕、投獄された夫がいるアフリカ人女性シャンドライ。彼女は単身ローマへやって来た。

      彼女を住み込みで雇ったイギリス人の音楽家キンスキーは、若くして隠居した孤独な男だ。やがて、シャンドライのひたむきさに惹かれたキンスキーは、全てを投げうって彼女を愛し抜いていく。

      ある意味でベルトルッチ監督の魅力だった難解さは、この映画では姿を消し、女が男を愛するという物語のみが一直線に語られる。そして、会話は最小限に刈り込まれ、独特の複雑な時間操作もほとんどない。一方で、映像は軽やかで若々しい。らせん階段を備えた古い屋敷を舞台に、登場人物に密着した手持ちカメラのみずみずしい映像美で、献身的な愛の物語を紡いでいき、編集上のお遊びも随所に散りばめている。

      そんな明快さの中から、二つの音楽が浮き上がってくる。メロディアスなクラシックとリズミカルなアフリカン・ミュージック。それは、キンスキーとシャンドライの不在の夫を象徴している。男二人がシャンドライの心の中で戦う音が聞こえるのだ。シャンドライは、言うまでもなく、ベルトルッチ監督の分身だ。

      1960年代に出現した新鋭監督の例にもれず、ベルトルッチ監督も"革命思想"に触れている。彼の初期の作品のほとんどは、"革命と反革命"がテーマだ。

      しかし、彼は当初から無防備に革命に寄り添うことはなかった。両者の価値を何度も転倒させた。私はその度に混乱に陥ったが、混乱こそが光を呼び込むような気がしていた。

      しかし今、彼の立場は明快で力強い。シャンドライは、不在の夫からキンスキーになびいていく。つまり、「革命」は「芸術」に敗北していくのだと------。

      この放置された「革命」は、自分が敗れたことも知らずに、恐らく今日も、扉の前で呼び鈴を鳴らし続けているのかも知れない。
      >> 続きを読む

      2017/07/30 by dreamer

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