チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット

飛び散る糞尿、迸る血しぶき、吹き出す吐瀉物、放り出される乳といった下品極まりない社会風刺ミュージカル映画。

まぁ出鱈目な下品さな為に社会風刺なんてモノは吹き飛び雑味になっているという本末転倒。

其処がトロマ映画なんだろうけどね、悪ノリし過ぎて何をやっていたのか忘れてしまうのだ。

でも実は一番下品なのは社会風刺なんだけどね、鶏を殺すな、同性愛、先住民問題、ファーストフードでの肥満、イスラム自爆テロといった事でイチイチ文句をたれる状態の醜悪さを描きながら、その事すら茶化す感じが実に素晴らしい志。

その志に見合うだけの完成度があれば良いのだけどミュージカルとかも中途半端な感じで今ひとつ疾走感がなく色々と引っかかるのよ。

流れが実に悪い。

吹き出す糞尿位の勢位ある映画に仕上がっていれば良いのだが８０年代の映画のスピード感で止まっている感じなのよ、それが悪いとという訳では無いが雑味が多すぎる為に今ひとつピリリと来ないのだ、途中何度か退屈する事があったからね。

シナリオの展開に観客を引きつける為のフックがないのよ、全てが予定調和的で成る程というオチがないのが面白くいない理由だと思う。

起承転結の転がない感じが駄目な部分だと思う、そのせいで中盤以降のドタバタ騒ぎが退屈になるのだ。


くだらねーと笑って観る事が出来る、下品でもＯＫというのであればソコソコ楽しめるけど、充実感は今ひとつ、嗚呼、面白かった、腹抱えて笑ったという所までには達していない。 >> 続きを読む

2014/10/03 by 隼５郎

「チキン・オブ・ザ・デッド 悪魔の毒々バリューセット」のレビュー