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父と暮せば

ジャンル: ドラマ
公開: 2004/07/31
監督:
製作国: 日本
配給: パル企画

    父と暮せば の映画レビュー (最新順)

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    全6件
    • 4.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      広島の原爆投下後から3年後。一人暮らしの美津江の前に、父・竹造の幽霊が現われる。
      愛する人々を一瞬で失い、一人生き残ったことに負い目を感じる娘を心配してのことだ。

      美津江は、原爆の資料を集める木下青年に好意を抱いているのだが-----。

      この映画「父と暮らせば」は、黒木和雄監督の"戦争レクイエム三部作"の完結篇に当たる作品で、広島が舞台だ。

      前2作は、長崎の原爆投下の前日を描いた「TOMORROW/明日」、黒木和雄監督の出身地の宮崎県を舞台にした「美しい夏キリシマ」だ。

      直接的に戦闘を描くのではなく、市井の人々の心情と痛みを丁寧に掬い取ることによって、戦争への憤りを浮き彫りにする手法は、これら3作のいずれにも共通している。

      父と娘の、まるで漫才のような掛け合いがユーモラスな前半と、深く鋭く戦争の傷跡をえぐっていく後半のメリハリが鮮烈だ。

      ほとんど二人芝居で、まるで演技合戦のような濃密な空気が漂う。
      恋愛に後ろ向きな娘の美津江を演じる、宮沢りえの繊細な演技は特に素晴らしく、自分は幸せになってはいけないと思い込む気持ちと、幸福になりたいと願う、相反する心情が、見事に表現されている。

      その中には、被爆女性の結婚への戸惑いと不安もあり、観ながら私の胸は締め付けられる。

      井上ひさしの秀作戯曲を出来るだけ忠実に映画化したというだけあって、非常に演劇的香りの高い映画だ。

      やや説明調で大仰なセリフや、限定された空間での長いやりとりなど、多分に演劇の要素があるが、だからこそ、原爆の一瞬の閃光や緑の林など、時折り挿入される映画的演出が、効果を挙げていると思う。

      特に、家の上部が原爆ドームへと続くラストシーンは、さすがはわざわざ映画化するだけのことはあると唸るほどの出来栄えだ。

      父の幽霊をすんなり受け入れる状況から、この父の存在が娘の心から生まれ出た"幻"であることは、映画の冒頭のシーンで理解できる。

      幸せになってはいけないと、将来のある若い女性に思わせるまど、苛烈であった原爆投下の地。

      死ぬのが当たり前で、生き残ることの方が不自然な状況という異常性を理解した上でなお、死んだ者の分まで生きて欲しいと願わずにはいられない。

      観終われば、父も娘も家さえも、全てが幻影のような浮遊感漂う幽霊譚なのだが、この作品の反戦メッセージは、何よりも強く深い。
      >> 続きを読む

      2020/09/20 by dreamer

      「父と暮せば」のレビュー

    • 3.0 切ない 元気が出る

      「TOMORROW 明日」「美しい夏キリシマ」に続く黒木和雄監督の“戦争レクイエム三部作”完結編。
      主な登場人物は宮沢りえと幽霊となった原田芳雄だけ。そして2人の演技というよりセリフがよい。
      井上ひさし 原作の舞台劇の映画化という手法は前2作とは違った趣を感じるがそのユーモラスな設定にしっかりとメッセージを汲み取れる。

      ほんとうに徹底して受け身な姿勢、被害、悲しみを被った「いたたまれない気持ち」をフイルムに焼き付けておきたい衝動、そしてその意義に敬服します。
      この気持ちを映画を通して味わうことは無駄ではないと思いますね。 >> 続きを読む

      2018/08/03 by motti

      「父と暮せば」のレビュー

    • 4.0 元気が出る

      原作を読み鑑賞。映画というか舞台を観ているような感覚。だからこそ、このキャストで舞台が観たい‼︎生の迫力はすごいだろうなと。タブレットで鑑賞できる便利な世の中だからこそ、生の価値が引き立つような。

      にしても、宮沢りえの立ち振る舞いの美しいこと。柔らかい笑顔が美しいこと。原作より少し美人過ぎませんか?というツッコミも抱きつつ、この人に演じてもらいたいという気持ちはよーわかりあす。

      2017/08/08 by メッシイ

      「父と暮せば」のレビュー

    • 3.0

      図書館でこの戯曲を検索したらDVDもあったので一緒に借りて観た。観る前はお父さんが少々かっこよすぎると思ったがセリフがしっかり聞き取れて観やすかった。原田芳雄の俳優としてのポテンシャルンの高さを感じた。お父さんが娘を逃がすためじゃんけんでわざと負けようとするやり取りに涙があふれた。

      2016/04/03 by seablue

      「父と暮せば」のレビュー

    • 3.0 切ない

      こまつ座の舞台を今年7月に観たので、
      映画だとどう描くのか気になり観てみました。
      舞台は二人芝居で父と娘だけ。
      ほぼ舞台と変わらない進行ですが、
      焼け野原の風景を映像で見せられると胸が詰まります。
      丸木俊さんの絵が、原爆の悲惨さ恐ろしさを
      より強く印象づけられたように思いました。
      (いつも、丸木俊さんの絵本『ひろしまのピカ』を開くときは深呼吸して
       「よし!これから読むぞ!」と気合入れてから開きます。)

      広島の原爆で亡くなった父の、娘の幸せを願う気持ちがとても温かい。
      宮沢りえと原田芳雄の二人芝居でも良かったんじゃないかな。
      木下さん(浅野忠信)をわざわざ登場させる必要があったのか…
      >> 続きを読む

      2015/11/21 by shikamaru

      「父と暮せば」のレビュー

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    父と暮せば
    チチトクラセバ

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