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風の丘を越えて 西便制

西便制
ジャンル: ドラマ
公開: 1994/06/25
製作国: 韓国
配給: シネカノン

    風の丘を越えて 西便制 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 5.0 泣ける 切ない クール

      これは凄いとしかいいようのない映画で、こういう映画とめぐりあえるのは何年かに一度、いや、十年に一度といってもいいすぎではないかもしれない。

      最初に観たのはたしかテレビで、そのときも、うわあ、なんだこれはと思いました。韓国映画はスゲエなあと思ったのはそれがおそらく最初の機会。

      その後、同じ監督の「酔画仙」を観て、この監督はまちがいなく日本の黒沢明クラスだと確信しました。

      福岡市総合図書館にある映像ホール・シネラでは、定期的に映画監督特集をやっていて、今回このイム・グォンテク監督特集だったので、見に行きました。
      そしたら、やはり、すごかった。

      どうすごかったかのというと、その日、3本連続でこの監督の映画を上映していて、2本目がこの映画だったんですが、見終わった後、あまりの重さに、もう次の映画を見る気がなくなるくらい打ちのされました。

      といっても悲惨だとか辛いとかいう重さではありません。いい映画を見たなあと、じつに爽快ではあるんですが、内容の濃すぎて、美味しいけどもう食べられません、感覚的にこれ以上は受け止めきれません、しばらく映画は観ないでいいですというぐらい重量感のある映画でした。ほんとは次の「春香伝」もぜひ観たかったんですけど。

      映画は韓国の伝統芸能パンソリで暮らしをたてる旅芸人の物語。
      旅芸人に拾われた姉弟が育っていく様子を、時代背景とあわせて描いています。
      詳しい話は映画を見ていただくとして、印象に残った点を2つだけ。

      景色が非常に美しい。
      日本の四季も美しいけど、韓国も四季があるんですね。初めて知りました。これが非常に美しい。

      ただ日本と違うのは、日本の風景はなんだか暖かみがあるのに対し、韓国の景色は非情です。美しいけど非情。
      紅葉の見事な風景にも、それが感じられる。東山魁偉というより加山又造の絵を思いおこさせます。

      映画の構図について。
      この監督の構図がまた厳しい。そして美しい。

      とくに、姉と弟が別れるところ。
      大樹の下に立つ姉のシーン。
      立ち去る弟のシーン。
      (2人はもともと他人ですが、姉弟同様に育てられたのでそういっていいいでしょう)

      育て親のユボンが、娘ソンファに新しい歌を学ばせようと昔の同業者をたずね、相手が昔の面影もなくアヘンを吸っているところを正座してながめている場面。
      厳しく、美しい構図です。

      この映画はいってみれば旅芸人のロードムービー。
      カメラを備え付けで、アリランの歌(たぶんそうだと思う)を3人が踊りながら通りすぎていくシーンは圧巻。
      有名な韓国の歌ですけど、はじめて聞きました。

      そしてなによりもソンファを演じた女優オ・ジェンヘの歌でしょうね。
      ラストシーンは、まるでボーカルとドラムによる凄絶なジャズセッションのようです。
      エンドロール後のBGMも、パンソリの曲なんでしょうが、前衛的なジャズを聴いているかのようでした。

      とにかく、わたしとしては、映画とはこれぐらいのパワーがあるんだということを実感させられたおそるべき名画です。
      >> 続きを読む

      2018/12/19 by Raven

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