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ハリーとトント

Harry & Tonto
ジャンル: ドラマ
公開: 1975/12/20
製作国: アメリカ
配給: 20世紀フォックス

    ハリーとトント の映画レビュー (最新順)

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    全3件
    • 5.0 泣ける 笑える 切ない 元気が出る

      "人間の孤独と自由という人生の深淵を客観視して描いた秀作 「ハリーとトント」"

      この映画「ハリーとトント」は、アメリカ映画が得意とする、ある人間の旅を描いた物語ですが、これはアメリカン・ニューシネマのような若者の旅ではなく、72歳の老人の物語です。

      長年住み慣れたニューヨークのマンハッタンのアパートのビルの取り壊しにより、市から立ち退きを強いられた主人公の元教師のハリー(アート・カーニー)は、ニューヨークの郊外に住む長男の家に居候するのがいたたまれなくなり、愛猫のトントを連れて長女のシャーリー(エレン・バースティン)の住むシカゴへ、更に次男のいる西海岸のロスへと旅をして行きます。

      このように、妻に先立たれた一人の老人が、既に自立した二人の息子と一人の娘の家に立ち寄りながらも、孤独だが自由な生き方を選んで、愛猫トントと共にニューヨークからロスまでの大陸横断の旅を続けて行く物語ですが、このドラマの底に流れているものは厳しいものがあります。

      しかし、ポール・マザースキー監督は、この映画の製作意図を当時の社会的な世相をもとに、「この映画は、悲観的な社会に関する楽観的な意見とでも言うべきものだ。世の中は確かに悪くなっている。だがユーモアや笑いの要素を除いて僕の作品は成立しない」と語っていて、精神も肉体も若いハリーという老人と、彼が触れ合う人々を優しく温かい眼差しで見つめ、しみじみとしたタッチで描いていると思います。

      若いヒッピーの女の子、ボケてしまった昔の恋人、魅力的な若い娼婦、留置場で一緒になった老インディアンといった人々との出会い、そしてシネマ・モビルという画期的な方式で即物的に撮影した、アメリカの田舎の風物のあれこれが、このハリーという精神的に若く、しかも毅然とした老人の目を通して、そして猫への語りかけという斬新な手法で、コミカルに明るくスケッチ風に描いていて、ポール・マザースキー監督の演出テクニックの冴えに酔いしれてしまいます。

      本来この映画の持つ、ある意味,深刻な老人問題は、ハリウッドのエンターテイメント映画としては、この映画が描くような喜劇調でしか映画化し得ないのかも知れませんが、しかし、この映画は喜劇調と言っても、"人間の孤独と自由という人生の深淵"を、客観視した鋭さを秘めていると思います。

      この映画の公開当時、日本の小津安二郎監督の、いわゆる"心境映画"との共通性を指摘されたそうですが、しかし、小津映画の"諦観"とは違って、老齢にもかかわらず、精神は青年の持つ若々しい生命力を失わない、小市民の突き抜けた明るさを、この映画は持っていると強く感じます。

      そして、ポール・マザースキー監督が、「この映画には別に深い意味はないが、もし何かが描かれているとすれば、それはあらゆる年齢層の人々に受け入れられる人生の姿というものを描きたかった」と語っている裏には、老人問題についての鋭い社会批判を秘めているように思います。

      この映画で主人公のハリーを演じたアート・カーニーは、この映画の撮影時57歳とこの役よりずっと若かった訳ですが、孤独だが生き生きとヴァイタリティに溢れた老人を淡々と演じていて実に見事でした。彼は舞台やTVショーに出演した事があり、この映画の前にも端役で映画に出演したりしていましたが、初めての主演でいきなり1974年度の第47回アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞という快挙を成し遂げたのです。併せて、同年のゴールデン・グローブ賞の最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)も受賞しています。

      この第47回アカデミー賞の主演男優賞の候補の顔ぶれがとにかく凄くて、「チャイナタウン」のジャック・ニコルソン、「ゴッドファーザーPARTⅡ」のアル・パチーノ、「レニー・ブルース」のダスティン・ホフマン、「オリエント急行殺人事件」のアルバート・フィニーという錚々たる演技派俳優を抑えて、最優秀主演男優賞を受賞したのですから、いかに、この「ハリーとトント」でのアート・カーニーの演技が素晴らしく、絶賛されていたのかがわかります。
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      2016/04/22 by dreamer

      「ハリーとトント」のレビュー

    • 5.0

      前にいたサイトで交流のあった映画通お二人から薦められて、どうせ見るなら目と頭の冴えた体調の良い時に、と考えて、満を持しての鑑賞でした。お陰で作品に集中出来たと思います。お話は居場所というか、終の棲家を探してさまよう老人と愛猫の珍道中を描いたロードムービー的コメディ。旅先でいろいろな出会いや再会が待っています。ただ、そんなに劇的な出来事があるでもなく、最後も静かに幕を閉じます。でも、退屈するかと言うと、そうでもありませんで、その辺はなかなか良く出来た脚本であると思えます。評価は迷うところですが、気分良く、かつ退屈せずに見られたのは確かですので、ちょっと甘めに満点付けておきましょう。 >> 続きを読む

      2015/06/20 by ぴぐじい

      「ハリーとトント」のレビュー

    • 5.0 切ない 元気が出る

      ロードムービー仕立てではあるが、理由付けでそうなっているだけ。
      しかもそのほとんどが猫のトント絡み。

      でもその頑固さがこの映画のウリ。
      旅する中で辛いことや楽しいことを共有していく。

      ハリー自体は変わらない。周りのみんなが少しずつ変わっていく。
      刑務所に入って怪しい治療だとか、文無しの息子に説いたりと奥深い。

      ここまでの積み重ねがあるからラストに涙してしまう。
      全体的な雰囲気と音楽のよさも忘れ難い。
      >> 続きを読む

      2015/03/17 by オーウェン

      「ハリーとトント」のレビュー

    • 猫にリードつけてるのですかね?(パッケージより)
      珍しい感じがしました!

      2015/03/17 by coji

    • ジワジワくる味がありそうな映画ですね!

      2015/03/17 by メッシイ

    ハリーとトント
    ハリートトント

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