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黒い罠

ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 1958/07/05
製作国: アメリカ
配給: ユニヴァーサル

    黒い罠 の映画レビュー (最新順)

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    全3件
    • 4.0 ハラハラ クール

      オーソン・ウェルズという映画業界でもNo.1の座を争う偉人の作品。
      まず、このような伝説的作品を定額制動画配信サービスで見られることを感謝せずにはいられない。
      1950年代のフィルムノワールという一時代を作ったジャンルの代表的な作品。一番最初に目に貼ってくるのはやはり、フィルムノワールの代名詞とも言える照明。何を映すのかではなく、何を闇に隠すのかという影が支配する映像は見応え十分です。そして、フレーミングの王様、オーソンウェルズの一寸違わぬカメラワーク。そして有名な編集。

      シネマトグラフィー(撮影、照明)
      ハードライトでくっきりとキャストされる影がやはりこの時代の副産物でしょう。超巨大なライトを使って、サイドから力強く当てられた光が作る影は、フィルムノワールの主役です。今作でもそうですが、フィルムノワールのテーマは裏切りや陰謀などの人間の影の部分をテーマとします。文字通り、人間の裏の部分が影となって一つのキャラクターとして映し出されます。さらには、陰もくっきりと漆黒で顔の半分を支配する、キャラクターのクローズアップは、その人間の表と裏の二面性を描いています。
      シルエットや陰影のように照明が当たらないところでキャラクターを表現する。それがフィルムノワールです。ハリウッドスタジオの黄金期を支えた一つのブランド。

      オーソンウェルズ
      『市民ケーン』でもよく知られますが、レンズの長さやカメラのアングルなどのフレーミングのテクニックを使ってキャラクターの感情や立場を表現する技術の親がオーソンウェルズです。今作では、オープニングシークエンスやサンチェスの家のシーンで見られるワナー(長回し)がとても実物です。危険とオーディエンスとの距離を操作し、キャラクターをステージ上でダンスをするように動かし、サブコンシャス的にそのシーンを盛り上げ飾りつけしていくこのフレーミングとブロッキングは、現代の映画にも通じる先駆者の代物です。

      編集
      これまたスタジオ時代の映画界を象徴するような事件で有名ですね。撮影後、オーソンウェルズがチームから抜けた後、ユニバーサルスタジオがストーリーを書き換え、別シーンを撮影し、変種を操作しました。それにオーソンウェルズが68ページにもわたる抗議を含んだ意見文を提出したのです。しかし、それも叶わず、そのまま放映されてしまいました。
      その後、その意見文を元に、ウォルターマーチ先生が再編集をしたのは、公開から40年後のこと。そこで、彼の作品はさらに脚光を浴びることになりました。映画界での伝説の地位を確立したのは、そのとき。

      これらからもよくわかりますが、一つの作品に対する熱意が違う。自分が出演するのもそうですが、68ページにもわたって自分の意見を書くことができるのは、そこまで作品に対する愛があり、熱意があり、それが叶わなかったことがどれほど失意だったのかが伺えます。
      これが映画だと言わんばかりの作品です。単純に初見でも面白く、ハラハラできるフィルムノワールですが、100回観ても味がする、芸術であり、映画のポテンシャルをさらに感じる最高傑作。
      それゆえ、私はこの作品の1%も感じ取れていないし、楽しめていない。99%楽しむ余地が残っていることだけはひしひしと感じる。
      >> 続きを読む

      2019/01/20 by EditTellUs

      「黒い罠」のレビュー

    • 4.0 ハラハラ クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      アメリカとメキシコの国境近くの町で、富豪の車が爆破される事件が起き、それが麻薬事件に発展していく。

      この事件の調査は、町を支配する警察官クインラン(オーソン・ウェルズ)とメキシコの麻薬捜査官バルガス(チャールトン・ヘストン)の見解の対立からもつれを見せはじめ、バルガスはクインランのでっち上げ捜査を見破るが、精神異常風なクインランはバルガスの妻(ジャネット・リー)を誘拐して殺人事件を偽装する。やがてバルガスはクインランの恐るべき正体を知ることになる-----。

      犯罪映画をフィルム・ノワール(黒い映画)と呼ぶことがあるが、この映画「黒い罠」は、画面の暗さから物語のどす黒さまでがまさにフィルム・ノワールそのものだ。

      この映画は、オーソン・ウェルズが監督・脚本・出演の三役をこなし、まさしく天才の本領を発揮した異色のサスペンス映画で、冒頭の長い、長い移動撮影は、後の多くの映画監督に影響を与えたことでも有名で、このラッセル・メティによる撮影がとにかく凝っていて、ワンショット、ワンショットがスタイリッシュで個性的で、その映像の新鮮さに酔わされてしまう。

      オーソン・ウェルズは、晩年よりもさらにお腹を膨らませた巨体で登場し、モンスター的な警官を楽しみながら悠々と演じていてさすがだ。そして、彼の情婦役でマレーネ・ディートリッヒがゲスト出演しているのも、映画ファンとしては嬉しくなってしまいます。
      >> 続きを読む

      2017/09/06 by dreamer

      「黒い罠」のレビュー

    • 3.0

      恥ずかしながら、初めてオーソン・ウェルズの監督作を観た。
      冒頭の長回しは勿論のこと、随所に散りばめられた映画手法は、まさに革新的かつ秀麗。
      50年前にこのような多彩な映画手法を生み出した天才が、もし今現在に蘇ったなら、一体どんな「革新」を打ち出し、映画という表現を進化させて見せてくれるだろうか。
      そんな夢想をしてしまう。

      ただ、この作品のストーリー展開そのものは、大味というか曖昧さが目立った。
      特に主人公二人のキャラクター性があまりに大雑把に思えた。
      チャールトン・ヘストン演じるメキシコの麻薬捜査官は、輝かしい実績を持った英雄らしいが、どうにも箔がなく、相手役の大物ぶりも相まって小物感が払拭しきれていなかった。
      一方、その相手役であるオーソン・ウェルズ演じるアメリカのベテラン刑事は、その豪胆な存在感は抜群だが、結局過去の栄光にすがった小悪党の域を出ず、展開に伴いトーンダウンしてしまっている。
      この二人の人間性が、ストーリー上でも濃密に描き出されていれば、同じストーリーテリングであったとしても印象は大きく変わっていたことだろう。

      しかし、そんなストーリーそのものへの”ケチ”も、オーソン・ウェルズという映画史に燦然と輝く巨星は、自らの演出と演者としての存在感で蹴散らしているようにも思える。
      緻密に計算され尽くされた 画作りによる緊張感と緊迫感は、ストーリー展開すらも無視して観る者を圧倒する。
      この巨星が、現在の「映画」そのものを生み出したと言っても決して過言ではないのだろう。
      >> 続きを読む

      2014/10/26 by tkl

      「黒い罠」のレビュー

    • >50年前にこのような多彩な映画手法を生み出した天才が、もし今現在に蘇ったなら
      ういうこと、考えてしまいますよね~! >> 続きを読む

      2014/10/27 by coji

    黒い罠


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