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ジャッカー

Cohen and Tate
ジャンル: ミステリー・サスペンス , アクション
公開: 1990/03/17
製作国: アメリカ
配給: ギャガ・コミュニケーションズ

    ジャッカー の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 ハラハラ

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "純粋なサスペンス映画のお手本となるような見応え十分な、エリック・レッドの監督デビュー作 「ジャッカー」"

      この映画「ジャッカー」の原題は、「COHEN&TATE(コーエンとテイト)」というもので、あるマフィア組織に雇われた二人の殺し屋コーエンとテイトは、組織同士の抗争の果ての殺人現場を目撃してしまった少年トラビスを誘拐し、ヒューストンまで連行するためにFBIがガードを固めるダラスの少年の家に向かいます----。

      と、ここまでが、冒頭の数十行のテロップであっさりと処理されます。画面が色を帯びて動き出すと、落ち着いた手練れのコーエン(ロイ・シャイダー)と短気で乱暴なテイト(アダム・ボールドウィン)が、トラビス少年の両親をFBIもろとも射殺し、少年を拉致する場面に移り、その後はもう、深夜のハイウェイをヒューストンへ向かう車の中の描写が続きます。

      そして、この物語はこのままクライマックスの破滅まで、二人の殺し屋と少年と闇を走り抜ける車だけで進行するのです。

      途中で、検問突破というそれらしいアクティブなシーンもありますが、なす術もなくパトカーを炎上させられ、逃走する二人を見送るだけの警官隊は、以後の物語に関与する事もなく、その場のサスペンスを盛り上げるための道具立てに終わっています。

      「ヒッチャー」というカルト的な傑作で名を上げた脚本家のエリック・レッドの監督デビュー作でもある、この「ジャッカー」は、このように贅肉を削ぎ落とした、ストレートで、なおかつ、太い静かなサスペンス・ドラマになっていると思います。

      ダラスからヒューストンへ向かう車の中だけで展開する、わずか一晩のリアル・タイム・ストーリーは、両親を殺された少年と二人の殺し屋を捉えながら、三人の背後に流れる感情の駆け引きを抉り出して、我々観る者を飽きさせません。

      手ぬるい相棒のコーエンに焦れる短気なテイトと、そんなテイトと組まされた事で自尊心を著しく傷付けられている、一匹狼のコーエンという殺し屋同士の確執----。

      更に、その確執を突いて脱出を図ろうとする少年トラビスの機知。これらが幾重にも重なり、絡み合いながら、車は遂に終着点のヒューストンへと突っ込んでいく事になります----。

      脚本家としてのデビュー作「ヒッチャー」の構成を裏返した事になる「ジャッカー」は、まさにエリック・レッドの面目躍如、レッド・タッチの集大成と言えるだろうと思います。

      かつて、キャスリン・ビグロー監督と組んだ「ニア・ダーク-月夜の出来事-」「ブルー・スチール」では、結果的にうまく機能していないように見えたエリック・レッドの脚本も、自らが監督としてメガホンを取った「ジャッカル」では、澱む事なくその持てるパワーを全開させる事に成功したように思います。

      テイトとの撃ち合いの最中に露見するコーエンの弱点に関する伏線の張り方、少年トラビスの賢いセリフ、そしてラストのコーエンとトラピスとの奇妙な友情など、なるほど、と膝を打つシーンも多く、随所に見応え十分な構成になっているなと感心します。

      一見すると、今までに数多くあった陳腐な映画のように見えて、その実、じっくり観てみると、純粋なサスペンス映画の一つのお手本がこの「ジャッカー」だと思うのです。
      >> 続きを読む

      2016/07/31 by dreamer

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