こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 映画ログ - 映画ファンが集まる映画レビューサイト →会員登録(無料)

フランス軍中尉の女

The French Lieutenant's Woman
ジャンル: ドラマ , ラブロマンス
公開: 1982/02/27
製作国: イギリス
配給: ユナイト

    フランス軍中尉の女 の映画レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順 すべての映画レビューとコメントを開く
    全1件
    • 5.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "現代最高の劇作家ハロルド・ピンターの脚本をメリル・ストリープ、ジェレミー・アイアンズの二大演技派俳優でカレル・ライス監督が映画化したイギリス映画 「フランス軍中尉の女」"

      この映画「フランス軍中尉の女」は、イギリスのみにとどまらず、恐らく現代最高の劇作家と言われているハロルド・ピンターの脚本を基に、「土曜の夜と日曜の朝」のイギリスでフリーシネマ運動を起こし、トニー・リチャードソン監督と共に、"怒れる若者たち"の中心的存在だったカレル・ライスが監督し、名優メリル・ストリープとジェレミー・アイアンズを主演にして、時間と空間を巧みに切替え、ありきたりの愛欲のドラマを見事に芸術作品として映像化した、"映画中映画"の傑作です。

      この作劇術の圧倒的なうまさで、我々観る者を堪能させる映画が「フランス軍中尉の女」で、ヴィクトリア朝時代のイギリスの漁村が舞台。

      フランス軍中尉の情婦と蔑まれるサラ(メリル・ストリープ)と出会った考古学者チャールズ(ジェレミー・アイアンズ)は、富豪の娘と婚約したばかりですが、サラに惹かれるようになります。サラの方もチャールズを頼るようになり、2人は結ばれます。そして、サラとの結婚を決意したチャールズは、富豪の娘との婚約を破棄しますが、サラは忽然と姿を消してしまいます----。

      ラファエル前派の画調を再現した名カメラマン・フレディ・フランシスによる見事な画面で、"恋の誕生と終焉"が語られていきます----。

      ところが、我々観る者はこの恋物語に酔う事を許されません。トップ・シーンで、まず手鏡でメーキャップを確かめるサラ、続いて映画撮影のカチンコが写り、この物語が劇中劇である事を示し、そして時折、サラを演じるアンナ、チャールズ役のマイクの現実の2人が映画の進行に先んじて、ベッドを共にする仲になっている事が語られます。それら現実の場面は明晰な画調で、その切替えもこれまた、見事というしかありません。

      やがて、アンナとマイクはそれぞれ家庭持ちである事がわかりますが、2人は軽い遊びの感じなのですが劇中劇の方で、失踪したサラをチャールズが必死で捜すようになると、マイクも真剣にアンナを求め出すのです。

      そして、劇中劇のラストでサラがチャールズを突き放すと、アンナもマイクから去って行きます。つまり、"自分たちが演じている虚構の世界"が、現実となるのです----。

      このようなイギリス映画は、良く言えば凝りに凝った、意地悪く言えば、ひねくれた構成は、やはりイギリスという陰鬱な気候風土、衰退する国力の土壌の上に咲いた仇花という感が深いという気がします。

      アメリカ映画も今ではかなり屈折し、複雑になった作品を生むようになりましたが、やはりその陰鬱さでは及ばないし、フランス映画ならもっと人生肯定的になりそうな気もします。

      しかし、この仇花にはイギリスの知的伝統という肥料もまた欠かす事が出来ず、丹精込めた栽培の見事さは、やはり見事と言わざるを得ないと思います。

      なお、この映画は1981年度のゴールデン・グローブ賞で最優秀主演女優賞(ドラマ部門)、同年の英国アカデミー賞で最優秀主演女優賞・作曲賞・音響賞、LA映画批評家協会賞の最優秀主演女優賞をそれぞれ受賞しています。
      >> 続きを読む

      2016/07/28 by dreamer

      「フランス軍中尉の女」のレビュー

    この映画を最近、ラックに追加した会員

    フランス軍中尉の女
    フランスグンチュウイノオンナ

    映画 「フランス軍中尉の女」 | 映画ログ

    会員登録(無料)

    今月のおすすめ映画
    読書ログはこちら
    映画ログさんのラック

    最近チェックした映画