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ガルシアの首

Bring Me the Head of Alfredo Garcia
ジャンル: 外国映画 , ドラマ , アクション
公開: 1975/07/12
製作国: アメリカ
配給: ユナイト映画

    ガルシアの首 の映画レビュー (最新順)

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    全4件
    • 5.0 切ない ハラハラ クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "暴力はいっそう鮮烈に、抒情はいっそう甘美に、人間の宿命としての暴力を暗示する象徴性を描く映画作家サム・ペキンパーの傑作 「ガルシアの首」"

      この映画「ガルシアの首」は、100万ドルの懸賞金付きの生首を奪い合う荒くれ男たちの物語であり、そのおびただしい流血と死の連鎖が、結果として、"人間の宿命としての暴力を暗示する象徴性"を示している点で、いかにもサム・ペキンパー監督らしい傑作で、私の大好きな作品です。

      メキシコの広大な地域で独裁的な権力を持つ大牧場主の娘が、使用人と深い仲になり妊娠すると、怒り狂った牧場主が、その使用人ガルシアの首に100万ドルの賞金をかけます。

      その金を目当てに殺し屋の組織が動き初め、彼らは、メキシコ・シティの酒場のピアノ弾きベニー(ウォーレン・オーツ)が、ガルシアに繋がりのある事を嗅ぎつけます。ベニーはガルシアがすでに交通事故で死んだ事を知っていますが、それを組織へは知らせず、自ら墓場を掘り起こしてガルシアの屍から首を切り離し、賞金と引き換えようとするのです。

      このガルシアの首を奪い合って、殺し屋たち、ベニーの恋人(イセラ・ベガ)、墓を荒らされて怒った村人たちが次々と死んで行きます----。

      一見すると、西部劇のようですが、実はこの「ガルシアの首」は、現代のメキシコを舞台とし、自動拳銃やマシンガンが登場するハードボイルド・タッチのバイオレンス・ドラマで、それだけに暴力シーンの迫力も一段と鮮烈で衝撃的なのです。

      特に、ペキンパー監督がよく見せる殺しのシーンのスロー・モーション撮影は、暴力の生々しさを保ちつつ、その細部を拡大する事によって、それを暴力全体への象徴へ高める効果を発揮しているように感じるのです。

      そして、この映画はペキンパー監督のお家芸である暴力描写の魅力に加えて、キャスティングの魅力も大きいと思います。まず、何といっても、主人公ベニーを演じるウォーレン・オーツの個性的な魅力が楽しめる事です。

      彼は長い間、どこか病的な薄気味悪さを感じさせる悪玉俳優として、傍役に甘んじていましたが、それでもペキンパー監督には気に入られたらしく、「ダンディー少佐」や「ワイルドバンチ」では、かなり目を引くもうけ役を印象的に演じていたと思います。

      そして、彼はジョン・ミリアス監督の「デリンジャー」で、初めて主役の座をつかみ、凶暴な悪党ぶりばかりではなく、往年のハンフリー・ボガートにも通じる小粋で軽妙な味わいを見せる俳優になったのです。

      続いて、この「ガルシアの首」に主演したわけですが、ここでも脇役時代のキャリアから来る手堅さばかりではなく、リー・マービンを思わせるような、スケールの大きい存在感を感じさせてくれるのです。まさしく、ウォーレン・オーツは、脇役俳優から主役も張れる新しいタイプの性格俳優として飛躍を遂げたのだと思います。

      ウォーレン・オーツを取り巻く脇役陣も、華やかさには欠けるものの、我々映画好きを喜ばせる渋いキャスティングで、主人公の恋人役を演じるメキシコ女優のイセラ・ベガの土臭い野性的な魅力、「ワイルドバンチ」でマパッチ将軍を演じたエミリオ・フェルナンデスが牧場のボスを貫禄たっぷりに演じていて、強烈な印象を残します。

      しかし、それ以上に新鮮だったのは、ギグ・ヤングがクールな殺し屋となって登場し、物凄い殺気を発散していた事です。ギグ・ヤングと言えば、かつて、ドリス・デイなどと共演して洒脱なコメディアンぶりをみせていただけに、それがクールな殺し屋とは変われば変わるものだなと非常に驚きました。しかし、考えてみれば、彼はシドニー・ポラック監督の名作「ひとりぼっちの青春」で、冷酷なマラソンダンスの司会者を演じてアカデミー助演男優賞を受賞してから、新しい境地を開拓したのかも知れません。

      また、「ガルシオの首」で忘れてはならないのは、血なまぐさい殺し合いが連続する中に、思いもかけず"美しく抒情に満ちた愛の場面"がある事です。それはガルシアの墓場を探しにオンボロ自動車で出かけた主人公とその恋人が、大金をつかんだら結婚して家を建てよう----と夢見るシーンです。

      ここには、ヒロインのイセラ・ベガの口ずさむ歌声や、つま弾くギターの音が響いて、情感を効果的に盛り上げていて、切なくも心にしみる、いいシーンだと思います。実は、このような抒情的なシーンが、血なまぐさい暴力と共存するのもペキンパー作品の大きな魅力であり、特徴でもあると思うのです。

      「ワイルドバンチ」にも、ウイリアム・ホールデンやアーネスト・ボーグナインたちが、仲間の一人であるエンジェルの生まれた村で、村人たちの歓迎を受けてお祭り騒ぎをする"牧歌的な抒情に満ちた場面"があったし、同様な暴力と抒情の共存は、「ゲッタウェイ」にも「ビリー・ザ・キッド 21才の生涯」にもあったように思います。

      サム・ペキンパーという映画作家のフィルモグラフィーを振り返ってみても、暴力論の作家ペキンパーが、時として「砂漠の流れ者」のような、牧歌的な西部劇の作家であるという事も忘れてはいけないと思います。

      サム・ペキンパー監督は暴力を描き、それを人間の宿命として肯定はしても、決して暴力を讃美しているわけではないと思います。彼は多分、人間の内部で"暴力と抒情"が、"死と愛"とが、分かち難く結びついている状況こそを描きたいのだと思います。

      そして、この暴力と抒情は、ひとつの映画の中に対比的に共存する事によって、互いに照射し合い、暴力はいっそう鮮烈に、抒情はいっそう甘美にふくらんでいくのだと思います。それこそが、ペキンパー映画の世界の最大の魅力なのだと思います。
      >> 続きを読む

      2016/07/05 by dreamer

      「ガルシアの首」のレビュー

    • 3.0 ハラハラ

      まさにペキンパー監督、って感じで全編にわたって男臭がプンプン。
      得意技の映像演出も勿論あります。

      物語は中盤過ぎくらいまでけっこうゆったりと進みますが、
      核心に迫ってからラストまでは怒涛の展開。

      この中盤までの、じっくり丹念に描かれる関係性や雰囲気が、
      後半の破滅的で凄惨な展開に、絶妙な深みを与えているのが流石。

      ハードボイルドで骨太な映画が観たい方にはオススメですね。
      >> 続きを読む

      2016/01/28 by 備忘録

      「ガルシアの首」のレビュー

    • 4.0 ハラハラ クール

      ペキンパー作品では「ワイルドバンチ」「ゲッタウェイ」。
      そしてこの作品が3番目にお気に入りだ。

      3作品に共通しているのは熱い男たちの友情なり愛なりを、これでもかと描いているとこ。
      そこにスローモーションを使い、銃撃戦をまぶしていく。

      ガルシアの首を届ける過程で、最愛の女性が死亡。
      結婚まで誓ったのにそれを果たせず。
      せめてガルシアの首を届けて、これに関わった人間に復讐を果たす。

      いやー説明書いてただけでも熱い(笑)
      ウォーレン・オーツがおっさんながらも、実に渋く好演しており最後まで緊迫した状態だった。

      まあ最後はこうなるだろうと分かっていたが、それでもかっこいい映画だった。
      >> 続きを読む

      2015/04/16 by オーウェン

      「ガルシアの首」のレビュー

    • > ガルシアの首

      ガルシアさんと言えば、アンディ・ガルシアしか知りません。

      そして首と言えば...ブラック・レイン!!と脱線が止まりません...
      >> 続きを読む

      2015/04/16 by ice

    • 私的にはペキンパーで一番好きです♪

      2015/04/17 by れれれのれ

    • 3.0

      前半はスローペースだったけど後半の勢いは凄まじかった。ガルシアを狙って飢えた獣たちが動き出す。
      泥臭さ溢れる映画だった。

      2015/03/22 by きりゅう

      「ガルシアの首」のレビュー

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    ガルシアノクビ

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