こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 映画ログ - 映画ファンが集まる映画レビューサイト →会員登録(無料)

大河の一滴

ジャンル: ドラマ
公開: 2001/09/01
製作国: 日本
配給: 東宝

    大河の一滴 の映画レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順 すべての映画レビューとコメントを開く
    全1件
    • 4.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      この映画「大河の一滴」は、原作は五木寛之のエッセーだが、味わいはむしろ、四人姉妹の人生を描いた五木の小説「四季」シリーズに近いかもしれない。

      主人公の雪子(安田成美)は、20代後半の美しい女性。東京の輸入雑貨店で働いている。故郷の金沢に住む幼馴染みの昌治(渡部篤郎)に求愛されているが、街の雰囲気と同様に、何か物足りなさを感じて応じることができないでいる。

      そんなある日、雪子はロシアの若いトランペッターに出会い、彼に惹かれていく。ところが、その後、父親が倒れ、彼女は金沢に帰ることになる-------。

      この映画は、極めてオーソドックスな作りだ。神山征二郎監督は、ストーリーテリングに徹している。観る人によっては、多少古くさく感じるかもしれない。しかし、売らんかなのあざとさの目立つ日本映画が多い中、かえって新鮮に映るから不思議だ。

      例えば、父親の死の扱い。最近の日本映画は、死を予感させる場面の後に、すぐ葬儀の場面をつないだりする。描き過ぎは格好悪いとされているのだ。

      しかし、神山監督は、目をむいてこときれる父親と、悲しむ家族の反応を愚直なまでに丁寧に描いている。あるいは雪子が東京から金沢にやって来る場面には、飛行機が着陸する映像を挿入したりもする。

      このように常識的な作りの中に、常識を逸脱したものが紛れ込むと、普通以上に強い印象を与える。それが雪子の人物像であり、昌治との愛の形なのだ。

      雪子はわがままな女だ。しかも、美しい容姿を持つ者のみに許されるタイプだから、質が悪い。昌治の愛を絶対的に信じて甘えきっている。昌治は、反発を覚えながらも彼女から去れないのだ。

      最後に雪子は昌治にとんでもない"お願い"をする。彼は激怒するが、結局聞き入れる。周囲から腰抜け呼ばわりされても愛を貫き通す。

      この二人の異様な関係は、谷崎潤一郎の「痴人の愛」を彷彿とさせるものがある。性の匂いを抜いたナオミと譲治の関係のように。

      男にとって許し難いはずの女が、いつの間にか魅力的になっている。そんなことを思わせるのも、オーソドックスな枠組みのなせる業なのかもしれない。
      >> 続きを読む

      2018/03/29 by dreamer

      「大河の一滴」のレビュー

    この映画を最近、ラックに追加した会員

    大河の一滴
    タイガノイッテキ

    映画 「大河の一滴」 | 映画ログ

    会員登録(無料)

    今月のおすすめ映画
    読書ログはこちら
    映画ログさんのラック

    最近チェックした映画