サザン・コンフォート　ブラボー小隊　恐怖の脱出

舞台はアメリカのルイジアナ州、
州兵(所謂自警団や消防団レベルの一般人)8名は湿地帯の中を縦断する訓練を始める。
途中増水して渡れなくなってしまった川があり、州兵たちはそれを渡る為に近くに置いてあったボートを拝借する。
対岸へボートを漕ぎだすと、ボートの持ち主であるケイジャン(ルイジアナ州のフランス系の永住民、この作品では森の中に住む田舎の人々)達が帰ってくる。
彼らにボートを借りたことを伝えようとするが英語は通じない。そんなケイジャンにいら立ちを感じ癇癪を起こした州兵の一人が、(空砲ではあるが)ケイジャンに向かって発砲するのであった。
トラブルを起こしてしまったことから対岸へ早く向かおうとする州兵たち、しかしケイジャンの怒りの銃弾がリーダーの軍曹の頭を直撃したのであった。
そして州兵たちに地獄が襲い掛かる...
---------------------------


以下ネタバレありの感想。いい映画だからここまでで少しでも興味を感じたらまず先ず見てほしい。




---------------------------
全体を独特の恐怖感が漂う作品。
州兵たちが先にケイジャンに攻撃を仕掛け怒りを買いそれによって窮地に立たされるので結局は自業自得であり、州兵たちに感情移入することはない。むしろこの作品はケイジャン側目線で見る作品であると思う。

この映画は1981年公開、ベトナム戦争がまだ冷め止まぬ頃で州兵とケイジャンの関係性を考えるとベトナムの戦地の状況とも合致するところが多々ある。
他者に対し、軽薄で傲慢な態度を取ればいつでも、アメリカ国内でさえもベトナム戦争の悲劇は起こりうることをこの作品は示していると思うのである。


映画としてはテンポがよいとは言い難い所もあるが、州兵たちが様々な方法で死去していくのは悲惨ではあるが、ケイジャンの目線で見ると痛快なものでもあるので、いつどうやって死ぬのかの楽しみがある。
つかの間の安堵の演出もより一層恐怖を煽ってくる。

終盤、ケイジャンの集落のシーンの緊張感はまさに格別であると言えるだろう。
州兵を追うケイジャンの人々も本来は集落で踊って楽しむ人たちであり、ここでも州兵の傲慢さを感じさせるものとなっている。

最後の最後、数名が救出され劇終となるが喜びを感じさせないものとなっており、ここで何を思うかは個々によって変わってくるだろう。

一般的な評価はなぜか低い物になっているが私は人の人に対する理解のなさや傲慢さが一番の恐怖であると訴えかけてくる、秀作であると思う。 >> 続きを読む

2019/07/21 by ビリヘリ

「サザン・コンフォート　ブラボー小隊　恐怖の脱出」のレビュー

訓練のため湿地帯に迷いこんだブラボー小隊。
現地民による抵抗に遭い、一人また一人と次々命を落としていく戦場のようになっていく。

戦場で正気が狂っていくという描写はよくあるが、この小隊は最初っから危なっかしくどんどん暴走していく兵隊たち。
そりゃ全滅するのも当然だと思うのだが（笑）

敵というよりも自滅という形のため、戦場下のドラマという名目は望めない。
ウォルター・ヒルとは思えない演出も微妙だが、悪ふざけによってという点が全く理解できない要因。 >> 続きを読む

2015/08/23 by オーウェン

「サザン・コンフォート　ブラボー小隊　恐怖の脱出」のレビュー

初見の作品です。ルイジアナの州兵のブラボー小隊の９名が訓練中に湿地帯に迷い込みケイジャンと呼ばれる現地民のカヌーを盗んだ事から命を狙われる事態に陥るが・・・古い作品で画質も悪かったですね～！！ストーリー展開もテンポが悪く一人また一人と命を奪われて逝くが残念ながら恐怖感は感じない作品でした。作品としてはどちらかと言えば身勝手で猜疑心に満ちた人間の持つ醜さを描きたかったのか・・・？
私の評価は星二つです。

2015/01/27 by チャミー

「サザン・コンフォート　ブラボー小隊　恐怖の脱出」のレビュー