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サラの鍵

Elle s'appelait Sarah
ジャンル: ドラマ
公開: 2011/12/17
製作国: フランス
配給: ギャガ

    サラの鍵 の映画レビュー (最新順)

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    全5件
    • 0.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      胸が締めつけられました。弟を迎えに行く、ただその一心で麦畑をひた走るサラの姿に。
      そして心に突き刺さりました。あの瞬間の、叫び声が。
      人の心にいつまでも残り続けるのは、誰かにつけられた傷よりも、大切な誰かに与えてしまった傷なのかもしれません。サラの様に、はからずもあんな悲惨な結果を招いたのであれば尚のこと……。

      でもそうだとしても、まだほんの子どもだった彼女にはあまりにも重い十字架でした。それを背負って生きていくことは、動かない片足を引き摺って歩いていくようなものだったでしょう。引き摺って引き摺ってなんとか前に進んでも、その足はどんどん削れてすり減っていき、動く方の足にも負荷がかかって同じように磨耗していく。歩きながらも心からは常に血が流れ続けていたに違いありません。だからこそ行き着いたあの最期なのでしょう。

      サラがあの鍵をずっと持ち続けていたのは、弟を死に追いやってしまった自分に対する戒めだったように思えます。でも彼女はそれを、大切なものをそうする様にハンカチに包んでいました。そこには、せめて天国では安らかにというミシェルへの祈りもまた、間違いなくあったのでしょうね。そして時を経て息子・ウィリアムの手に届いたその鍵が彼とジュリアにもたらしたあの結末には、思わず涙がこみ上げてきました。2人がジュリアの娘を見つめるまなざしも本当に温かく、優しかった。

      既にそうなりつつありますが、サラと同年齢の今の日本の子供たちが二十歳を迎える頃、彼らに戦争体験を直接伝えられる人はもうほとんどいないでしょう。ジュリアの若い同僚が「ヴェルディヴの綴りは?」と聞いたように、日本でも「ひめゆりの塔?」「シベリア抑留って何?」と若者が口にする日もそう遠くはない気もします。ちなみに私も職場の子(20代前半)に聞いてみたところ、あっさり「え?なんすかそれ」でした。日本史に興味がなくても知ってるはずと思ってたけど、まさかというかやはりというか、うむ……びっくりしたけどこれもひとつの現実なんでしょうかね。

      伝える人々が減っていくのは自然の流れ、仕方のないことではあります。でもだからといって伝えないままでいいわけではないし、伝えることを放棄する理由にしてもならない。そう考えると映画は単に娯楽だけでなく生き証人の様な、教科書的な役割も担っているんだなあと感じます(実際私もヴェルディヴ事件のことはこの映画で初めて知りましたし)。

      「命に感謝しましょう!」なんて仰々しいことは言いません。でも自分を含め、今生きている人々は皆あの戦禍を経ての存在だということを、こういう映画を観た時くらいは思い起こしても良いかもしれません。
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      2021/02/14 by 水川 灯子

      「サラの鍵」のレビュー

    • 5.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      年配の方が戦争体験について語る時、いつもその言葉の底に流れている基調低音が、どうして自分が生き残ったのかということ。

      多くの方が亡くなられたのに、自分だけが生き延びたことに対する忸怩たる思い。そして、自分を責める。生き残ったからといって責任を問われるいわれはありませんが、罪の意識がなかなか消えないのだろうと思います。

      このジル・パケ=ブレネール監督の「サラの鍵」は、"生存者の罪悪感"を捉えた映画です。

      第二次世界大戦中のパリ、ユダヤ人の多く住む街角にフランス警察がやってきて、家から家族を連れ去ってしまいます、幼い姉はさらに幼い弟に、かくれんぼだよ、後で連れに来るからじっとしてなさいと言いつけ、戸棚にかくまい、鍵をかけた。

      もちろん、命を助けようとしたわけですが、両親とともに競輪場に収容され、さらに強制収容所へと身柄を移されるなか、戸棚に閉じ込められた弟のことが気になって仕方がない。

      助けに行きたくても収容所に閉じ込められた身ではどうしようもない。映画の題名は、この少女サラが手放そうとしない戸棚の鍵から来ています。

      そして、場面は変わって現代のパリ。アパートの改装に余念のない女性ジャーナリスト、クリスティン・スコット・トーマス演じるジュリアは、義父一家がそのアパートを手にしたのは1942年のことだと知ります。

      それは、ユダヤ人を強制退去させたまさにその年。どうやって義父の家族は、アパートを手にしたのか。ユダヤ人を追い出したのではないか。ジャーナリストとしての関心と個人の責任感から、彼女は過去を探り始めます------。

      戦争映画で、過去と現在が交錯する構成は珍しくありません。ただ、この映画では過去よりも現在に重心がかかっているのです。誰が亡くなったのかではなく、その死を背負ってきた人々の生きてきた戦後の時間に焦点を合わせているわけです。

      そのジル・パケ=ブレネール監督の視点が、実にいいと思います。戦争は人々を殺すだけでなく、生き残った人々からも未来を奪ってしまう。この問いかけには非常に重いものがあり、その重みが私の心にのしかかってくる作品なのです。
      >> 続きを読む

      2017/07/27 by dreamer

      「サラの鍵」のレビュー

    • 4.0

      ナチものはホロコースト以外にも、カティンの森事件などいくつか映画化されて知る出来事があるが、このヴェルディヴ事件も初めて知ることに。

      ナチの強制によって連行された家族だが、弟を逃そうと姉のサラは物置に鍵をかけて難を逃れる。
      その後サラは家に戻ることを希望に、収容所から脱獄を試みる。

      映画はこの過去のパートと現代を交互に写し、家族にまつわる真実を明かしていく。
      ナチの部分が強烈なだけに、現代は随分と大人しく写るのはしょうがない。
      それとリンクしていく部分が少ないため、最後のシーンに感動出来ないもどかしさがある。

      タイトルでもあるサラの鍵も中盤過ぎたあたりで答えが出て、現代に移ると途端に落ち着いた空気に変わる。
      構成が間違っているとは言わないが、最後まで引き付けられるものが欲しかった。
      >> 続きを読む

      2016/12/06 by オーウェン

      「サラの鍵」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ

      パリにもかつてユダヤ人が住んでいる地区があった。
      ナチスのユダヤ人迫害政策にもれず、住むところを追いやられ、家族とは離ればなれにされた。

      収容所に連れていかれる日に、姉は弟を守ろうと鍵付きの隠し扉に隠した。
      すぐに戻って来れると信じて…

      記者である主人公(ちょっとキャメロン・ディアスに似ている)は、あるユダヤ人女性サラの生きた軌跡を辿り、そのルーツを解き明かそうとする。
      それは記者としての探求心や使命感もあるに違いないが、同じフランス人として、どこかでつながっているかもしれない自分のルーツを知る旅でもあるのだと思った。
      >> 続きを読む

      2015/01/12 by sophy365

      「サラの鍵」のレビュー

    • ユダヤ人迫害が実はそんなに昔のことではないと思うと恐ろしいことですね。

      2015/01/12 by chao

    • 4.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      ヴェルディヴ事件‐恥ずかしながら、この事件を知らなかった私には非常に勉強になりました。

      弟にとって良かれと思った行動が仇となり、それを知った少女にとってその事実がどれだけ辛いものだったのか、想像を絶します。だからこそあんな末期を遂げたのでしょう。

      ジュリアが真実をサラの息子に告げること、それが良かったのか悪かったのか。。ラストは深い余韻を残しました。
      >> 続きを読む

      2014/08/22 by takenuma

      「サラの鍵」のレビュー

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