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このレビューはネタバレを含みます。 このウィリアム・フリードキン監督の映画「真夜中のパーティー」は、面白いといっては、無残にすぎる。鋭く、痛く、悲しく、酷い。そのくせ、息をつめる"面白さ"だ。登場人物の全てが、同性愛の男たちだ。むし暑いニューヨークの夏の夕べ。仲間の誕生祝いのパーティーが、俳優マイケル(ケネス・ネルソン)のアパートで開かれる。このパーティーには、高校教師やカメラマンや室内装飾家に、黒人青年も混じる。初めは陽気に進行する。たが不意に、マイケルの大学時代の友人で、"まとも"なアラン(ピーター・ホワイト)が飛び込んでくる。すると、まるで池に石を投げたように、波紋が広がっていく----。そこへ、待ちかねた主賓のハロルド(レナード・フレイ)が到着する。このアバタづらのユダヤ人、嫌味たっぷりでキザで傲慢な男の登場は、強烈な印象だ。そのハロルドに、ごついご面相ながら女性的なエモリー(クリフ・ゴーマン)が、一晩20ドルで買ってきた"夜のカウボーイ"の若者をプレゼントする。すると、異様な光景にむかついたアランは、エモリーを殴り倒し、乱闘騒ぎとなっていく----。大当たりした舞台劇そのままの配役だけに、俳優たちのうまさは抜群だ。よく動くカメラが、彼らの表情や視線に内面の動揺をとらえる。綿密に計算された、ウィリアム・フリードキン監督の演出力が、実に見事だ。後半は、マイケルの強制による"告白ごっこ"が、更に緊張感を盛り上げていく。各自が電話で、密かに愛する男に"恋の告白"をする残酷なゲームだ。ある意味、社会の脱落者である彼らは、一つの世界を創り、連帯を求めながら、だが相手をいじめ、罵り、傷つけることによって、自らも傷ついていく。自己嫌悪と、加虐と自虐が絡み合う、この絶望的な虚無感----。宴が終わった後、声を上げて泣くマイケルの姿に、その無限地獄とも言える壮絶な孤独感が、象徴的に暗示されているのだ。 >> 続きを読む
2017/04/05 by dreamer
「真夜中のパーティ」のレビュー
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