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汚れた血

Mauvais Sang
ジャンル: ドラマ , SF , ラブロマンス
公開: 1988/02/06
製作国: フランス
配給: ベストロン映画

    汚れた血 の映画レビュー (最新順)

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    全5件
    • 4.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "終末的な血の記号論を形成している汚れた血を暗示する 「汚れた血」"

      このレオス・カラックス監督の「汚れた血」は、一風変わった映画だ。フィルム・ノワール、恋愛映画、SF映画的なその三者を凝った画面構成で一体化させた新感覚のドラマで、それでいてちゃんと新しい映画のジャンルを開拓し得ているという、そんな映画なのです。

      レオス・カラックス監督は、1983年に「ボーイ・ミーツ・ガール」で映画界に颯爽と登場し、その才能が全世界で絶賛されましたが、この作品は彼の2作目の作品になります。

      20世紀末のパリ。セーヌ川の流れに変化はないが、愛のないセックスにより伝染する"STOBO"という新しい病気が蔓延し、ハレー彗星が地球に近づいているため夜が異常なくらい暑い。

      この愛のない男女の関係によって感染する不治の病STOBOの治療薬があることを知り、アメリカ女から多額の借金をしている中年男が、それを盗み、金にしようと計画し、指先の器用なアレックス(ドニ・ラヴァン)に誘いがかかるのです。

      そして、計画はうまくいったかに思われたが、結末は思わぬ展開に------。

      この映画の題名「汚れた血」からは、いろいろなことが連想されます。地下鉄で謎の死をとげた金庫破りの男の流した血。その男を父親に持つ主人公アレックスに流れている血縁の血。

      世界中に広がっているエイズに似た病気STOBOが感染する血。ギャングによって、ピストルで撃たれたアレックスが流す血。アンナが自分の顔に浴びるアレックスの血。

      カラックス監督のテーマである血は、いったい何のメタファーなのだろうか? 遺伝子操作や両親の離婚などによって、血に対する我々現代人のアイデンティティはどんどん薄れていく。

      日常生活の中で我々は、血を見ることから遠ざかっている。血は病院の中でしか見ることができなくなっている。血が現実的な対象としてのリアリティを失ってくると、逆にシンボリックな役目を持たされてくるのだと思う。血液型占いなどが、真実めかして流行するなどのように。

      「汚れた血」は、愛や家庭や社会が、自己崩壊した後に訪れる人間の関係性を暗示しているのだと思う。

      カラックス監督は、主人公が流す血の中に殉教者の血を見ているような気がする。それは、現代文明の病理的状況を背負いながら、ひたすら死に向かって突進する罪障者の流す血だ。そして最後に許しと贖いの血------。

      一方、アンナ(ジュリエット・ビノシュ)は、汚れた関係の中にあって自在さを失っていない。彼女だけは、どのような状況の中に置かれても、安定性を失わない。地上的な関係の中にあっても、天上的な聖なる関係性を担い得ていると思う。

      アレックスの血を浴びてどこまでも走り続ける彼女は、「汚れた血」を聖なる血に変えることができたのだと思う。

      そして、完璧とも言える色彩設計が施された画面の中で、極めてエモーショナルなシーンの数々が炸裂していくのです。

      カラックス監督は、この映画を単なるメディア・ミックス映画として終わらせていない。彼は血をテーマにしながらも、全く新しい関係の創生を夢みている。「汚れた血」の関係から我々を解放してくれる「新しい愛の血」が甦ってくる可能性があるのだろうかと------。
      >> 続きを読む

      2017/07/01 by dreamer

      「汚れた血」のレビュー

    • 3.0 切ない

      元々レオス・カラックスという監督は癖のある映画を作り続けているのだが、初期のこの作品はまだとっつき易く分かりやすい。

      父親の自殺に巻き込まれたマルクは借金返済のため、未来に蔓延る奇病を治す特効薬を盗もうと試みる。
      マルクはそのチームの中にいる女性アンナに惹かれていく。

      組織との争いという事でアクションもあるが、基本はラブストーリー。
      その見せ方が独特で、耳馴染みの音楽の使い方も印象的。
      マルクが夜道を踊りながら走るワンカットの躍動感もすごいものがある。

      名のあるキャストで言えばジュリエット・ビノシュもそうで、ラストのダッシュも非常に画になるカットだった。
      >> 続きを読む

      2017/07/01 by オーウェン

      「汚れた血」のレビュー

    • 4.0 泣ける 切ない ハラハラ クール

      監督の作品は「ポンヌフの恋人」しかちゃんと観ていませんが、いや~、この作品も予想以上に面白かったです。

      退屈でつまらなかったらどうしよう、って観る前は心配してたんですけど、杞憂でした。

      「ポンヌフの恋人」が好きな方だったら間違いなく楽しめると思いますし、ヌーヴェルヴァーグ系の映画が好きな方にもオススメできますね。

      しかしそれにしてもジュリエット・ビノシュさんのチャーミングさはマジでやばかった。 >> 続きを読む

      2015/02/05 by 備忘録

      「汚れた血」のレビュー

    • >退屈でつまらなかったらどうしよう、って観る前は心配してたんですけど、杞憂でした
      映画観る前は結構心配して、ここのレビューとかたくさん読んでしまいます笑
      >> 続きを読む

      2015/02/05 by coji

    • 年を取った現在のビノッシュも素敵ですがこの頃のビノッシュの透明感のある美しさは特筆ものですね!! >> 続きを読む

      2015/02/05 by チャミー

    • 5.0 切ない

      あまりに切ない若者の恋心とそれを嘲笑うかの様な容赦のないストーリー展開と美しい映像!!
      犯罪組織に加担した青年の恋の結末は・・・?
      ジュリエット・ビノシュのあどけない美しさとジュリー・デルビーの透明感のある美しさ・・・フレンチ・ノアールの秀作です。
      評価は文句無しの星五」つです。

      2014/11/01 by チャミー

      「汚れた血」のレビュー

    • タイトルやパッケージの色彩から切ない雰囲気が伝わってきます。。

      2014/11/01 by chao

    • 若きジュリエット・ビノシュを見るだけでも価値有り!!
      気に入ったら是非『ボンヌフの恋人』を・・・
      >> 続きを読む

      2014/11/01 by チャミー

    • 4.0 切ない

       ゴダールの再来とも呼ばれた、レオン・カラックスの86年のフランス映画。

       異常な暑さに見舞われたパリ。その中で、愛の無い性行為により感染するSTBOが蔓延していた。主人公のアレックスは父親を失い天涯孤独に。父親の友人であるマルクとアンナに誘われ犯罪に手を染める傍ら、アンナを愛するようになり・・・。

       話が分かりにくいし、フランス映画独特というか詩的なセリフが多いので癖があるといえば癖がある。時代も変わったし、私自身もゴダールといわれても正直名前は知っているというレベル。

       ただ、なぜかわからないけどずっと見ていられるし、引き込まれる。噛めば噛むほどじゃないけれど、見れば見るほど、理解すればするほどこの映画がもっと好きになれる気がする。今はまだわからないけれどね。 >> 続きを読む

      2014/08/08 by Plastic

      「汚れた血」のレビュー

    • >chaoさん
      いつもコメントありがとうございます!フランス映画は癖がって、余裕がないと観れないですよね。フランス映画は慣れか、事前の勉強が必要な気がします。 >> 続きを読む

      2014/08/10 by Plastic

    • >makaroniさん
      いつもコメントありがとうございます!深いというか、もしかしたら一種の芸術として映画を捉えているから、難しく感じるのかもしれませんね~。 >> 続きを読む

      2014/08/10 by Plastic

    汚れた血
    ヨゴレタチ

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