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解散式

The Break-up
ジャンル: 日本映画 , ドラマ , ヤクザ , アクション
公開: 1967/04/01
監督:
製作国: 日本
配給: 東映

    解散式 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 ハラハラ クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      どす黒い排煙を吐き出すインダストリアルな工業地帯をバックに、鶴田浩二と丹波哲郎が着流しヤクザスタイルで、匕首を武器に死闘を演じる。そんな大胆かつアンバランスなビジュアルが印象深い、現代版任侠ムービー。

      当時、東映で社会派アクションの旗手だった深作欣二監督が、初めて本格的にヤクザ映画の演出を手掛けたのがこの「解散式」だ。

      ヤクザのある統合団体が解散する。所属している各組も解散であり、そうなるとヤクザは一体どうなるのか? 堅気の会社を興す者。力のない者はチンピラに舞い戻るしかなく、暴力はより潜行した形を取っていく。

      ここに8年間の刑期を終えて出所して来た男。「変わったなあ、月並みだが」と呟く先には、コンビナートがもうもうと煙を上げている。演じるのは鶴田浩二。

      この映画「解散式」の主人公は最初、無用の人間として登場する。この8年ぶりに娑婆へ出て来た彼の着流し姿と、その間に建設された石油コンビナートとの対照に、その無用ぶりがくっきりとうかがえる。

      彼が刑務所にいた8年の間に娑婆の変化は激しいものがあり、統合団体の解散によって系列組織は、表向きにはカタギの建設会社を設立し、石油コンビナート建設の利権を巡って、やがて抗争が勃発する。

      野望のためなら卑劣な手段も厭わない、現代的ヤクザの渡辺文雄と、時代に取り残された昔気質の侠客の鶴田浩二との対立軸に、鶴田浩二と渡辺美佐子のラブ・ロマンスを織り込んだ形で展開していく。

      この建設会社のリーダー格の渡辺文雄は、新しく建つ予定の石油コンビナートの利権を狙っていて、小松方正率いる別の会社や、内田朝雄演じる渡辺文雄の叔父貴筋がこの利権に絡み、抗争が勃発していくのだ。

      この映画が製作された1967年と言えば、東映の任侠映画全盛の時期だ。この「解散式」は、東映東京の製作であり、この撮影所では京都撮影所と違って、現代版のヤクザ映画が多かったといえる。

      そして、この作品の深作欣二監督を初め、佐藤純彌監督、降籏康男監督らが主として、そうした"現代的ヤクザ映画"の担い手だったのだ。"背広ヤクザ"という言い方もあり、製作時の同時代を背景にした作品が多かったともいえる。

      この「解散式」で深作欣二監督が描こうとしたのは、石油コンビナート地帯やスラム地区が記号的に配置された図式から垣間見える、戦後日本の"繁栄"と"弊害"であり、彼の「誇り高き挑戦」や「狼と豚と人間」にも通じる、深作映画の重要なテーマであり、この俊藤浩滋プロデュースの任侠ドラマにおいても、そのスタンスは少しもブレていないと思う。

      ただ、その後の1970年代前半の「仁義なき戦い」シリーズなどの"実録路線"に見られたような、ドラマツルギーそのものが登場人物のエネルギーに直結し、戦後の混乱期の見事な縮図となり得た映画の骨格は、この1967年製作の「解散式」にはまだない。

      時代は任侠映画全盛の時代であり、来たるべき"実録路線"の予感を、深作監督は石油コンビナートとスラムの、ある種の記号で表現するしかなかったのだ。
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      2017/02/07 by dreamer

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