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暗殺の森

Il Conformista
ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
公開: 1972/09/02
製作国: イタリア
配給: パラマウント=CIC

    暗殺の森 の映画レビュー (最新順)

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    全4件
    • 5.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      若い哲学講師のマルチェロ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は、13歳の時、彼を犯そうとした同性愛の男をピストルで射殺し、それ以来、罪の意識に悩んでいた。

      そして、少年時代の悪夢から逃れるため、彼はファシストとなり、哲学を学び、プチ・ブル娘ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)と結婚する。

      彼はファシスト党から、反ファシストの教授の暗殺を命じられるが、教授の妻アンナ(ドミニク・サンダ)に心惹かれ、暗殺遂行を躊躇するのだった-----。

      「ラストエンペラー」で世界の映画界に改めてその実力を見せつけたベルナルド・ベルトルッチ監督の、この映画「暗殺の森」は、彼の29歳の時の作品だ。

      ベルトルッチ監督は、1962年に若干21歳の若さで処女作「殺し」を発表、その鋭い感性は、イタリア映画界に衝撃を与えたのです。

      そして、その後も「革命前夜」「暗殺のオペラ」を発表して実績を重ね、それを武器に「暗殺の森」に十分な予算とスケジュールを得て取り組んだのです。

      若手監督にとっては予算とスケジュールの制約は、必ず付きまとう問題だが、ベルトルッチ監督はそれから解放され、一シーン、一シーンが胸躍る官能的な魅力に満ちた作品に仕立て上げていると思う。

      この映画「暗殺の森」は、ファシズムが台頭した1928年から、崩壊寸前の1943年までのパリとローマを舞台に、反ファシストの教授暗殺の指令を受けたインテリの"体制順応主義者"(映画の原題)の姿を描いた、優れて"政治と人間"に関するドラマなのです。

      原作は、現代文学の旗手と言われたアルベルト・モラヴィアの「孤独な青年」で、1970年代のネオ・ファシスト台頭期に作られている点が、この映画をより重層的にしていると思う。

      ベルトルッチ監督の作品には、その後も「1900年」ではドナルド・サザーランドが、「ラストエンペラー」では坂本龍一が演じたファシストが登場しているが、もちろんそれらを肯定的な存在として描いているわけではない。しかし、彼らが、退廃的な魅力をたたえている点が、ベルトルッチ監督の凄さ、映画作家としての懐の深さなのだ。

      また、この映画は、映画ファン気質にあふれる映画作家が作った映画であるというのも、忘れられない点だ。

      教授が森で暗殺されるクレーン・ショットの見事さ。まるで5メートルの巨人の目が捉えているようなカメラ・アングルなのだ。

      このシーンを観ながら、ベルトルッチ監が敬愛してやまない溝口健二やオーソン・ウェルズ、マックス・オフェルスなどの監督の映画に思いをめぐらしながら、改めて彼らの映画を観直すのもいいかも知れない。

      とにかく、この映画は全編に渡って、華麗にして官能的な映像にあふれていて、特にダンスホールのシーンや雪に覆われた森での暗殺シーンには陶酔してしまった。

      映画は、いくら監督に才能があってもいい映画が出来るとは限らない。当然のことながら、何といってもいい俳優がいなければ、成り立たないものです。

      その点でも「暗殺の森」は申し分がない映画と言える。幼児の悪夢から逃れられず、熱狂的なファシストになる青年にフランスを代表する超個性派俳優のジャン=ルイ・トランティニャンが扮し、退廃的な翳りと虚無をたたえた演技を披露し、その妻に扮したステファニア・サンドレッリの、どこか崩れたような美しさも印象的だったと思う。
      >> 続きを読む

      2017/11/10 by dreamer

      「暗殺の森」のレビュー

    • 4.0 切ない ハラハラ

      ベルナルド・ベルトルッチの作品としては、個人的に「ラストエンペラー」よりも印象に残る。
      それはどんな人間も映画のマルチェロのようになってしまう恐れがあるからだ。

      幼いころの事件によってファシズムに傾倒していくマルチェロ。
      下った任務から遂には暗殺の命令が。
      愛したアンナも敵国の関わりかもという、二重の責め苦が圧し掛かる。

      第二次大戦前の和やかなひと時。
      そして開戦するという張りつめた緊張感が一気に押し寄せる雪の中の暗殺シーン。

      儚くも美しいという悲劇がマルチェロの心情と重なる。
      ラストに過ちで間違った道を選択したことを知らされるというのはやるせなさしかない。
      >> 続きを読む

      2017/10/19 by オーウェン

      「暗殺の森」のレビュー

    • 3.0

      ベルトルッチは『ラストエンペラー』しか観たことがないが両方とも歴史によって主人公が壊されているところがある。

      ロケ地、撮影、色彩、構造などありとあらゆる要素が驚くべきクオリティに仕上がっている。実に上手い。

      ファシズムを皮肉った内容でありながらも人間関係や子どもの頃の記憶など哲学的な流れがあり、とても奥行きのある話ではある。ただ見事なまでに自分の好みとズレてるし、感情移入もしにくかった。それでも作りがとてつもなく見事であるのは間違いない。

      2015/07/12 by きりゅう

      「暗殺の森」のレビュー

    • >ただ見事なまでに自分の好みとズレてるし、

      素晴らしいクオリティでも、これはもうどうしょうもないですね(笑) >> 続きを読む

      2015/07/12 by ただひこ

    • 逆にハマる人は大好きな一本になると思います^^

      2015/07/12 by きりゅう

    • 4.0 切ない

      ムッソリーニが統治する第二次世界大戦前後の時代のイタリアを舞台にしたベルトリッチ監督の作品。
      13歳の時に運転手に犯されその男を殺してしまったと思いこんだ少年。
      心の傷をかかえたまま成長し秘密警察に属し結婚することになるが・・・
      作品としてはベルトリッチ監督ならではの映像の美しさが際立つ作品です!!
      森での襲撃シーンにラストシーンの映像とエンドロールの歌がこのドラマのすべてを表しているように思うのは私だけだろうか・・・?
      古い作品ですが私の評価は星四つです。

      2015/04/01 by チャミー

      「暗殺の森」のレビュー

    • 数十年前の作品で、映像が美しいってすごいですね!
      イタリアの風景とかも観られるのでしょうか。 >> 続きを読む

      2015/04/01 by coji

    • cojiさん 風景と言うよりも映像表現が美しい絵画?のようなシーンが多いと言う意味です。 >> 続きを読む

      2015/04/01 by チャミー

    暗殺の森
    アンサツノモリ

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