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去年マリエンバートで

L'Anne Derniere a Marianbad
ジャンル: ドラマ
公開: 1964/05/01
製作国: フランス
配給: 東和

    去年マリエンバートで の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 5.0 クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      1950年代に"文学とその方法"について論争を巻き起こした作家ロブ・グリエが、その手法を映画に持ち込み大反響を起こした作品として有名な、アラン・レネ監督の「去年マリエンバート」。

      この作品は、ある広壮な城館で出会った男女をモチーフに、現在と過去、現実と幻想を錯綜させながら、人間の意識を鋭く描き出し、ヴェネチア映画祭金獅子賞を受賞した、映画史に残る秀作だと思う。

      普通に暮らしていては、見られないものを見せてくれる、それも映画の魅力の一つだと思う。
      だから、やらせのドキュメンタリーでも、それが本物でもあるかのような顔をして見てしまう。

      反対に言えば、それが本物であっても、映像という大きな嘘の中での本物でしかないのだが。
      そして、自分の知らなかったものが美しければ、それだけで嬉しくなる。
      私を引きずり込んでくれる、そんな映像のある映画が好きだ。

      観る悦びを感じる、確かにそういう映画があるものだ。
      まるで節穴から覗いてでもいるかのように、何の予備知識もなしに、目の前の光景を追いかける。

      カメラが自分の目そのもののように思える。見ている自分と見られている光景の間には何の関係もないが、私は必死に再構成を試みる。

      よくある三角関係、あるいは、豪華すぎるホテルと整いすぎた庭園が、得体の知れない男に見せた幻。
      暇を持て余した女の空想。思い出と現在、嘘と真実、それを見分けようとする。

      しかし、それも一種のゲームでしかない。作る人間と観る人間との間に、暗黙のうちに成り立つゲームで勝負はつかない。

      この映画を否定してしまうのは簡単だ。私はこの映画に騙されていたい。
      観ていて、レネやロブ・グリエ、暑いようでいて、凍るように寒いあの庭園を、確かに感じたように思う。

      思い出すというのは、あんな風に動かない人々の間を、静かな足取りで歩くことなのかも知れない。
      思い出の中では、どうでもいい会話の断片だけが溢れていて、大事なことは何一つ確かではない。

      観終わった後で、めまいが残る。そうして、あったこととなかったことが、奇妙に入り交じり、時制がなくなり、この映画そのものを、一つの幻と見るようになるのだ。

       
      >> 続きを読む

      2018/12/09 by dreamer

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