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横浜のミニシアター「シネマ ジャック&ベティ」にてで上映されることを知り、これは見逃すわけにはいかないと思って観てきました。スクリーンに映し出されるシチリアの風景と、ニノ・ロータの音楽が最高でした。もともとヴィスコンティの滅びの美学がとても好きで、「山猫」は10年くらい前に新宿タカシマヤで観たのが最初で最後です。たしか完全復元版の記念上映で、「ルートヴィヒ」も同時期に公開されていたはず。当時私は今よりはるかに幼くて(年はバレるので言わない)、当時は眼帯をしたタンクレディ役のアラン・ドロンの格好よさと舞踏会の華やかさが印象的でした。しかし今回はサリーナ公爵役のバート・ランカスターのセクシーさがたまらなかったです。バスルームで湯船からあがったあと、香水(だと思う)をつける仕草とか、タンクレディと話しながら身支度を整える姿とか、背筋を伸ばして歩く姿とか、ダンディで惚れ惚れします。そりゃあアンジェリカだって見惚れますしタンクレディだってヒヤヒヤしますよね。アラン・ドロンはこの作品でバート・ランカスターよりもギャラが低いのが気に入らなくてヴィスコンティと決別したとwikiにありましたが、仕方がないよって感じです。完全にバート・ランカスターが食っていたので。しかしアンジェリカ役のクラウディア・カルディナーレは美しかった。あの意志の強そうな目がイタリア女って感じでとてもセクシーです。彼女、「ブーベの恋人」のマーラ役もやっていたんですね。視線の動かし方が素晴らしかったです。あの流し目!美しい!あんな目で見られたらたまらないでしょうね。豪華なキャストといい公爵邸の調度品といい、画面すべてが目の保養でしたが、忍び寄る没落のイメージが素晴らしいんですよね、ヴィスコンティは。新時代向きのタンクレディに比べて、サリーナ公爵は旧時代の人間なのに、別にそこに執着しているわけではないように見えます。むしろもう人生に飽きているのか。名誉も何も特に興味はなく、島民の敬意も公爵自身を通り過ぎた他の何かに向けられているように感じているのか?ただ忘れられたい、と彼は言う。舞踏会で自慢話をする将軍に不快感を示す。そして舞踏会の片隅で、彼は涙を流す。なぜ泣いていたの?若い恋人たちを見て、自身の老いを実感したのか?自分が若ければアンジェリカと恋に落ちるのは自分だったのに、と思った?最後に舞踏家の場面で、昔の貴族のお手洗いだった、壺を並べた一角をじっと見ていたのは何?汚い部分を隠して豪奢な舞踏会を行うことにうんざりしていたのか?多分ヴィスコンティが描いたサリーナ公爵を理解するには、あと何十年か必要なのだと思います。私は若造なので、まだわかりません。ヴィスコンティの意図も。原作も、読んでみたいなぁ。 >> 続きを読む
2016/08/11 by ワルツ
「山猫 イタリア語・完全復元版」のレビュー
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