こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 映画ログ - 映画ファンが集まる映画レビューサイト →会員登録(無料)

こうのとり、たちずさんで

Το μετέωρο βήμα του πελαργού
ジャンル: ドラマ
公開: 1992/09/19
製作国: イタリア , ギリシャ , スイス , フランス
配給: フランス映画社

    こうのとり、たちずさんで の映画レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順 すべての映画レビューとコメントを開く
    全1件
    • 5.0 切ない クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      「旅芸人の記録」で私の映画魂に火をつけ、その後も彼の作品をひたすら追い続けていますが、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した「アレクサンダー大王」、カンヌ国際映画祭で審査員特別大賞を受賞した「ユリシーズの瞳」、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した「永遠と一日」と並んで、私の大好きなテオ・アンゲロプロス監督の「こうのとり、たちずさんで」を再度観直してみて、新たな発見、新たな感銘を受けました。

      やはり、名画と言うものは何度観ても、素晴らしいのひと言に尽きます。

      この「こうのとり、たちずさんで」は、鬼才テオ・アンゲロプロス監督がセリフを極端に削ぎ落として描く、"人間と旅"を厳しく見つめた、静かな傑作です。

      このアンゲロプロス監督の永遠のテーマである、旅、さすらいがこの作品でも根底に流れていて、"難民と国境"に真正面から取り組んだこの作品は、まさに彼のエッセンスが凝縮されていると思います。

      河と湖を境に4カ国が接する北ギリシャの国境地帯に、TVの取材班がやって来ます。そこには様々な民族と言語が入り交じる、難民たちの町が出来上がっていたが、その中に10年前に失踪した有名な政治家らしき人物がいました。

      取材班のひとりアレクサンドロス(グレゴリー・カー)は、その男に興味を持ち、取材を延長して男の正体を追い始めることになります。男の周辺を調査し、男自身の口から長い旅の"物語"を聞きながらも、アレクサンドロは事件の真相をつかめぬままにいたのです。

      そんな時、政治家の夫人が本人かどうか見極めるために国境の町に到着しますが----。

      地上に引かれた政治的な一本の線。"国境"を取材に来たTVの取材班に、線上で片足を上げ、飛び立つこうのとりの格好をしてたたずんで見せる警備の大佐。近づく隣国の警備兵。踏み出せば死が待っているのです。

      余計な説明や感傷を排し、事実の重さのみを簡潔に映し出す。我々映画好きの間では、もうおなじみになった名カメラマン、ヨルゴス・アルヴァニティスによる、"ワンシーン・ワンカット"のあまりの映像の美しさに、息をのんでしまいます。

      失踪し、難民と暮らす政治家(名優マルチェロ・マストロヤンニ)と妻(ジャンヌ・モロー)が合う駅の橋でのシーン。河を挟んで両国に分けられた花嫁、花婿の結婚式のシーンも実に印象的だ。

      越えられない国境の障害への"怒りと悲劇"が静かに描かれて、深い余韻を残してこの映画は終わります。
      >> 続きを読む

      2016/11/29 by dreamer

      「こうのとり、たちずさんで」のレビュー

    こうのとり、たちずさんで
    コウノトリタチズサンデ

    映画 「こうのとり、たちずさんで」 | 映画ログ

    会員登録(無料)

    今月のおすすめ映画
    読書ログはこちら
    映画ログさんのラック

    最近チェックした映画