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このレビューはネタバレを含みます。 "西部劇最後の傑作にして馬の倒れの美学の美しさ、華々しさを堪能できるマイケル・カーティス監督の「コマンチェロ」"この映画「コマンチェロ」は、マイケル・カーティス監督の西部劇。マイケル・カーティス監督といえば代表作は、映画史にその名を残す「カサブランカ」(1942年)ですが、この監督には他にも「進め竜騎兵」(1936年)とか「汚れた顔の天使」(1938年)とか「シー・ホーク」(1940年)とか、映画史を飾る傑作が幾つもあるのに、ジョン・フォード監督やハワード・ホークス監督のように評価されたり、論じられたりする事がほとんど無い監督だと思います。彼は映画史的には、"あまり取り柄のない大衆娯楽映画の職人監督"等と言われていますので、余計に気になり、それだけで十分好きになってしまいます。そして、私がマイケル・カーティス監督を愛する理由は、最後に「コマンチェロ」という西部劇の痛快作を遺作として残してくれたからです。この映画の題名になっている「コマンチェロ」というのは、インディアンのコマンチ族に銃を売りつける白人の悪徳武器商人の組織の事で、この組織にテキサス警備隊のジョン・ウェインとお尋ね者のスチュアート・ホイットマンが潜入し、壊滅させるまでの物語ですが、こんなに豪快で気持ちがスカッとする西部劇はないと言ってもいいくらいです。まず、「荒野の七人」、「大脱走」等のエルマー・バーンスタインの主題曲が豪快で気持ちを高揚させてくれます。しかし、この音楽は、いわゆる西部劇のスタンダード曲ではないので、「西部劇音楽ヒット曲集」といったCDにはまず入っていないのが残念ですが。次に、リー・マーヴィン、ブルース・キャボット、ジャック・イーラム、エドガー・ブキャナンといった西部劇には欠かせぬ錚々たる顔ぶれが、ぞろぞろ登場してくれるので嬉しくなってきます。そして、この映画の圧巻はラストのクライマックスのシーンです。荒野の涯、巨大なすり鉢状の窪地にコマンチェロの巣窟があり、そこが、まるでテキサスの梁山泊といった雰囲気を醸し出す、この根拠地の描写も素晴らしいのですが、そこに乗り込んだジョン・ウェインとスチュワート・ホイットマンの二人が、コマンチェロとコマンチ族の連合軍を相手に大奮戦するのが凄い迫力で大いに興奮させられます。やはり、連続大活劇が原点の映画は、こうでなくちゃいけません。絶対絶命の窮地に陥った時、テキサス警備隊が砂塵を蹴立てて救出にやって来る。西部劇で毎度おなじみの場面ですが、そのアクションの素晴らしさ・躍動感に大いなるカタルシスを味合わせてくれます。そして特筆すべきは、実に見事なまでに"馬"が倒れるのです。物凄い勢いで疾走してきて、つんのめって倒れる"馬"もあれば、横倒しに倒れる"馬"もあります。その見事なまでの美しさ、華々しさは、明らかに他の幾多の西部劇とは、一味も二味も違うもので、まさしく「倒れの美学」と言いたいくらいの素晴らしさです。西部劇における"馬"は、重要な主役の一部だと言われる所以がよくわかります。この映画が公開された1960年代は、西部劇の終焉の時代ですが、そのフィナーレを飾るのにふさわしい傑作と言われる作品が幾つか公開されました。例えば、ジョン・フォード監督の「シャイアン」(1964年)、ハワード・ホークス監督の「エル・ドラド」(1966年)、サム・ペキンパー監督の「昼下りの決斗」(1962年)----。しかし、個人的には雑念のなさにおいて、西部劇最後の傑作というのにふさわしい作品は、やはりこのマイケル・カーティス監督の「コマンチェロ」ではないかと密かに思っています。 >> 続きを読む
2016/05/23 by dreamer
「コマンチェロ」のレビュー
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