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映画に愛をこめて アメリカの夜

La Nuit américaine
ジャンル: 外国映画 , ドラマ
公開: 1974/09/14
製作国: イタリア , フランス
配給: ワーナー・ブラザース

    映画に愛をこめて アメリカの夜 の映画レビュー (最新順)

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    全2件
    • 0.0

      1973年フランソワ・トリュフォー監督作品。

      南仏ニース。地下鉄から出てきたジャン=ピエール・レオの歩く姿をカメラは追う。前から来た男の前で立ち止まり、平手打ちを食らわせる、その瞬間「カット!」の声。撮影用のクレーンが映る。エキストラの通行人が集められて、メガホンで監督から指示を与えられる。撮り直しだ。

      映画製作の舞台裏を描く作品というのは、昔は好きではなかった。映画という人を魅了するフィクション=幻想=ニセモノをつくる過程を作品として見せられても、戸惑うしかなかった。撮影風景はメイキング映像で十分であり、ノウハウを知りたかったら本を読めば十分でしょ。ハリボテのセットの裏側を「作品」として見せてほしくないよ。

      どうしてもメタ的な要素が入り込んで、それが煩わしいというのもある。映画人の情熱を映画人が描くという、なんというか淫した感じ?うまく言えないな。

      しかし、本作には心打たれました。自分も年をとったということでしょうか。「映画に愛を込めて」というかなりダサい邦題でさえ、まったくその通りと心に染み入るものがある。

      トリュフォー自身が演じるフェラン監督が呟く。「映画監督は現場では常に質問にさらされ、そのすべてに答えなければならない」「映画撮影は駅馬車の旅に似ている。最初はわくわくしているが、最後には何とか無事到着することだけを願っている」

      何度もとちるアル中気味の盛りを過ぎた女優、フェリーニの撮影はアフレコで、セリフは適当に数字を並べるだけでよかったなどという。「ここはフランスですから」となだめすかす監督。何度でもしくじるのだが、これが実に良いシーンだ。

      撮影より恋愛に夢中の若造役者、フィルム現像の失敗、小道具の選択、保険会社との交渉、脚本は手直しが必要だし、ハリウッドから招いた女優は情緒不安定だ。

      「ほんとに儲かんない。商売代えしたいよ」とプロデューサーがぼやく。

      役者やスタッフの人間模様を何気ない挿話を重ねながら、描いてゆく。子ネコが首尾良くミルクをなめてくれるかどうか、大の大人が息を止めて見入っている。高いハシゴをのぼってゆくと、そこに簡易なセット(窓だけ)が組んであり、窓の向こうには本物の建物の窓が向かい合っている。ドライにテキパキ仕事をこなすナタリー・バイ扮するスクリプトガール、素敵です。

      撮影パートが終わった役者は去ることになる。記念撮影。女優が言う。「一所に集められて、ようやく愛し合うようになったら、もう解散の時がくる」

      アメリカの夜(day four night)とは、カメラにフィルターをかけて昼間撮影したものを夜に見せる技法のこと。それはつまり、ニセモノの夜、嘘の夜ということ。洗剤の雪とおんなじだ。映画というのは、フェイクなんだよと。フェイクでしかないものに囚われて、人生を捧げてしまうとはどういうことなのか。フェラン監督が何度も観る夢の結末を知ったとき、そうだったのか、と涙がこぼれる。「僕は監督とは違う。実人生が大切だ」若い役者がいう。女優の涙ながらの告白を、監督はちゃっかりシナリオへ組み込んでしまう。「なんてひと!」

      トリュフォーはモンタージュを巧く使う。『恋のエチュード』の日々の経過、『野生の少年』の野生児が言葉を覚え、文明化してゆく様子など。撮影シーンを細かくつないでいって、そこに管楽器の高らかなメインテーマがかぶさる。その反復が心地よくて、また目頭が熱くなる。

      ジャクリーン・ビセットの顔を向きを直し、指の置き方まで演出する監督を捉えるカメラ。まるで愛の仕草にも似て、なんと繊細なことか。

      DVD特典映像でジャクリーン・ビセットのインタビュー。ちょうど同時期にニースでハリウッドの大作『シーラ号の謎』を撮っていて、遠くからジェームズ・コバーンを見て、映画スターってなんて素敵なんだろうと皆夢中になったという。「でも、私たちは低予算でもトリュフォーの映画に出ているという誇りがあったの」
      >> 続きを読む

      2020/07/13 by かんやん

      「映画に愛をこめて アメリカの夜」のレビュー

    • 泣けるレビューやわ…

      2020/07/16 by Foufou

    • いや、ここだけの話、こちらこそFoufouさんのベルトルッチやフェリーニのレビューに心を打たれました。これ以上褒め合っても気持ち悪いのでよしときましょう。 >> 続きを読む

      2020/07/16 by かんやん

    • 4.0

      まさに映画人のための映画。
      自主制作映画をやっていたことがあるので他人事とは思えない(もちろん規模は天と地の差がありますが)、観ていてお腹がキリキリした。次から次へとトラブル続出、それでも俺たちは映画を撮るしかねえんだ!!!

      途中ある女優が「台詞覚えてないから口ぱくでいっしょwwwフェリーニのときもそうだったしwww」とか言うシーンがあるんですけど、実際そういう人いるんですよね。うるせえ!誰が編集すると思うてんのや!いいから黙って俺のやり方に従え!って思いますよ。

      2015/07/12 by きりゅう

      「映画に愛をこめて アメリカの夜」のレビュー

    • きりゅうさん、自主制作映画作っていたんですか!
      すごいです!!
      観るのは好きですが、作るとなったら途方に暮れます(笑) >> 続きを読む

      2015/07/12 by milktea

    • 映画作りなんて上手くいかないことばかりです(;ω;)

      2015/07/12 by きりゅう

    映画に愛をこめて アメリカの夜
    エイガニアイヲコメテアメリカノヨル

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