こんにちはゲストさん(ログインはこちら) | 映画ログ - 映画ファンが集まる映画レビューサイト →会員登録(無料)

ひとり狼

The Lone Stalker
ジャンル: 日本映画 , ドラマ , 時代劇
公開: 1968/04/20
監督:
製作国: 日本
配給: 大映

    ひとり狼 の映画レビュー (最新順)

    最新のレビュー順 | 人気のレビュー順 すべての映画レビューとコメントを開く
    全2件
    • 5.0 クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      大映映画「ひとり狼」は、村上元三の原作を池広一夫監督、市川雷蔵主演で映画化した、正統派股旅映画の佳作だ。

      博奕も剣の腕も凄い、人斬り伊三蔵(市川雷蔵)は、行き倒れの博徒の子として生まれ、拾われた武家の家でその娘と恋に落ち、ついに女に裏切られ、婿である武士を傷つけ、凶状持ちとして逐電し、ヤクザになったという暗い過去を持っている。

      しかし、いったんヤクザに身を落とした彼は、すべての目的と欲望を捨て、義理人情というよりは、あらゆる様式にはめこんだ、非人間的な完璧なヤクザになりきろうとする。

      風のように人を斬り、風のように去っていく人斬り伊三蔵の道中姿は、旅人の本質である"虚無的な姿勢"を、これまでになく美しく本格的に捉えていると思う。

      加藤泰監督の「沓掛時次郎・遊侠一匹」や山下耕作監督の「関の弥太っぺ」が、同じ本格的なヤクザを描きながら、彼の心の底に眠る静かな情感を、ロマンチシズムの中で、巧みに描き出したのとは違い、この「ひとり狼」は、あくまでも非情に硬質に主人公を流れさせる。

      それは後に登場する「木枯し紋次郎」の世界に似て、冷たく研ぎ澄まされた、テロリスト的なアウトローの孤独な姿を描いている。

      人斬り伊三蔵は、一種のドロップ・アウターであり、求道者ではないがストイックな厳しさを持っている。
      それは、ひとえに自己を守るためであり、何のために生きるかを知らない人間の唯一の生きる術なのだ。

      既成のあらゆるものを信じなくなった一人の男が、儀礼的な儀式のみにすがることによって、自己を守っていく姿は、混乱した状況の中における一つの生き方なのかもしれない。

      情も捨て、信奉も捨てて、流れることにのみ行動の意味を把握しようとする、永久流転の"ひとり狼"は、かつてのビートとかヒッピーとか言われたような時代風俗者たちとは違い、永久に自己を大切にしようとする楽天主義者なのかもしれない。

      だが、これが時代劇映画、しかも股旅ものとなると、東洋的無常感が介入して、先覚的な行為者の姿に見えてくるのは、それが虚構の世界であるだけの理由だろうか。

      いずれにせよ、この映画は過去の「沓掛時次郎・遊侠一匹」や「関の弥太っぺ」のように、情感に潜り込もうとすることなく、一見つかみどころのない混乱した状況を、冷たく様式化し、風景にのみ生きようとする直線的な行為者を描いたことによって、股旅ものの傑作になっていると思う。

      そして、この人斬り伊三蔵に扮する市川雷蔵は、折り目正しい、端正な演技で、時代劇スターとしての貫禄を示し、下層アウトローの庶民的ニヒリズムを見事に演じ、晩年の代表作になったと思う。
      >> 続きを読む

      2019/11/29 by dreamer

      「ひとり狼」のレビュー

    • 5.0

      市川雷蔵。痺れる。

      2015/09/04 by sh_ogihara

      「ひとり狼」のレビュー

    この映画を最近、ラックに追加した会員

    ひとり狼
    ヒトリオオカミ

    映画 「ひとり狼」 | 映画ログ

    会員登録(無料)

    今月のおすすめ映画
    読書ログはこちら
    映画ログさんのラック

    最近チェックした映画