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ざわざわ下北沢

公開: 2000/07/07
監督:
製作国: 日本
配給: シネマ下北沢

    ざわざわ下北沢 の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      冷静な観察者としての視線や、起承転結に重きを置かない語り口から推測すると、この映画「ざわざわ下北沢」の市川準監督が範とするのは、どうやらウディ・アレン監督のような気がします。

      そうすると、東京郊外の芸術の街・下北沢を主役に据えたこの作品は、さいずめ市川準版「マンハッタン」なのかも知れません。

      カフェの美しいママと常連の中年俳優、ウエートレスの少女と映画を撮る弟、警察から逃げる男と追う刑事、写真家を目指す男と年上の愛人、作曲で大儲けした女------。彼らのちょっとした挿話が絡み合いつつ、積み重ねられていく。

      下北沢は東京の縮図だ。全国から一旗揚げようという人間が集まってくる。才能のある者もない者も、無数の人間が迷路のような道を歩き廻る。

      大人の数は少ない。限界を悟った者は消え、成功者も離れていくから。残っているのは、中途半端な才能を持った者だけ。夢をもて余す若者と、屈折した大人の放出するエネルギーで、街の空気はドロリと重たい。

      ただし、市川準監督は、濃密さをそのまま画面に定着させる野暮を好まない。彼の魔法にかかれば、芸者の街も病院も、漫画家の集うアパートも、バタ臭い大阪の街でさえ牙を抜かれ、洗練されたノスタルジックな世界に変貌してしまう。

      下北沢から濃密さを薄めるために彼が取った手法は、地元の先住民を大勢登場させるというものだ。昔から下北沢に住むウエートレスの少女一家に、成功への貪欲さはない。

      現実には東京の空気を形作っているのは、地方出身者だが、ここでは先住民を中和剤として導入している。この独特な加工法が、観ている私を心地良く酔わせる一方で、予定調和的な物足りなさも感じさせる

      ところが、この映画では、少女が最後に下北沢から出て行くのだ。去り際の彼女のセリフ。「この街の楽しそうな空気は、温泉につかっているみたいに人をふにゃふにゃにしてしまう」。

      これは、そっくりそのまま市川準監督の世界に当てはまる表現ではないかと思う。彼はそこから少女を引き離したのだ。
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      2017/11/11 by dreamer

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