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アカシアの道 [VHS]

形式: VHS 90分 Color , Mono
発売元: ユーロスペース

    アカシアの道 [VHS] の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      この映画「アカシアの道」は、老母を介護する娘の物語だ。

      しかし、介護の実態を抉る社会派映画ではない。ここでの介護は、母と娘の関係に化学反応を起こさせる触媒にすぎない。

      女手一つで娘を育てた母は、娘に対し、子供の頃から「完全」を要求してきた。
      それがトラウマになり、娘は母を遠ざけてきた。

      ところが、母がアルツハイマーになり、介護のために娘が実家に戻ってくる。
      そのうち、母の病状が重くなり-------。

      この実家が郊外の古ぼけた団地であることには意味があると思う。
      娘の年齢から想像すると、恐らく1960年代の大都市周辺で次々と造成されたニュータウンの一つだ。

      当時、そこでは、核家族のはしりであるニューファミリーが、希望と活気に満ちた生活を送っていた。
      しかし、こうしたニュータウンの多くは現在、子供たちが成人して出ていき、老人ばかりが住む街になっている。
      奇妙な静けさに覆われた街は、娘の心象風景を表わすのにふさわしい。

      母の厳しさは衰えず、介護する娘には同情を禁じ得ない、
      ただし、娘の方も決して完全無欠ではない。軽薄な元恋人に甘えたり、叔母に「たまには来て下さい」と冷たく言い放ったり、母の貯金を無断で使ったり。

      結局のところ、娘は憎むべき母と同じ性格になり、どうやら恋愛でも同じ過ちを犯しかけている。
      そのことに気付いてはいるのに、止めることができない。

      さらに母も、その母から同じ扱いを受けてきたことが明らかになる。
      つまり、"憎しみの連鎖"なんですね。

      この膠着状態を打開してくれるのは、近所に住む少年だ。
      彼もまた、憎むべき父にそっくりな自分を発見して立ちすくんでいる。

      そして、ぼけた母は、少年を昔の恋人だと勘違いしており、少年はこの老女に図らずも癒される。
      そして今度は、少年によって娘のトラウマが癒されていく。

      かつて冷酷な仕打ちを受けたアカシアの道で、娘が母に向かって言う言葉が清々しい。

      "憎しみの連鎖"が断ち切られる瞬間をとらえた鮮やかなハッピーエンドだ。
      >> 続きを読む

      2018/11/09 by dreamer

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    アカシアの道 [VHS]

    アカシアの道 [VHS] | 映画ログ
    ASINコード:B000UULF36
    JANコード:4512508003095

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