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クルージング [DVD]

ジャンル: ミステリー・サスペンス
監督: ウィリアム・フリードキン
キャスト: アル・パチーノ , ポール・ソルヴィノ , カレン・アレン
定価: 4,104 円
発売元: 復刻シネマライブラリー

    クルージング [DVD] の映画レビュー (最新順)

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    全1件
    • 4.0 クール

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "人間の内面に潜む異常性をハード・ゲイという性風俗の視点から描いた鬼才ウィリアム・フリードキン監督の異色作 「クルージング」"

      この映画「クルージング」は、1970年代前半に「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」の2作品で、一躍、アメリカ映画界の花形監督にのし上がった鬼才ウィリアム・フリードキン監督の作品で、彼はこの映画の前にも、オフ・ブロードウェイのヒット劇を映画化した、「真夜中のパーティー」でゲイの男たちを通して、現代人の孤独や疎外感、そして、アメリカの大都会の裏側に巣食う人間たちの屈折した心情をクールに描いていましたが、この「真夜中のパーティー」から10年後に撮った、この「クルージング」でも、またゲイの世界をセンセーショナルに描いてみせます。

      この映画は、ジェラルド・ウォーカーの同名小説の映画化で、アル・パチーノ演じるニューヨーク市警の青年警察官が、ある特命を受けて、ゲイの人々が多数住んでいると言われたクリストファー街に囮捜査のため潜入して行きます。ゲイの人々が殺害される猟奇殺人事件が連続して発生し、ゲイの世界に犯人が潜んでいると見なされたための囮捜査でした。

      この映画で描かれるゲイは、我々が一般的に想像する、何かなよなよとした存在としてではなく、黒いレザーを筋骨隆々の体に身につけ、"男"というものを強調するハード・ゲイの世界です。そして、この映画の原題の「CRUISING」というのは、ゲイの人々の用語で、"男を漁る行為"という意味の隠語だそうです

      ニューヨークのオール・ロケで捉えたハード・ゲイの実態だけに、異様で猥雑で退廃的なムードが画面いっぱいに漲っていて、フリードキン監督は、「人々の知らない"事実"を描くのが目的だった」とこの映画の製作意図を語っていて、まさしく通常、目にする事のない異様で衝撃的な世界が繰り広げられていきます。

      しかし、この映画を観て一番興味深かった事は、ごく普通の生活をしていたアル・パチーノの若い警察官が潜入捜査を続けるうちに、自己の内面に潜む異常性に気づいていくところです。

      彼はその度に、ある種の"強迫観念"に追われて逃げるように、恋人の体にのめり込んでいくのですが、人間というこの複雑で、摩訶不思議な存在を、この映画は、性風俗という視点から残酷に切り取って、我々、観る者の前に突き付けてくる面白さがあります。

      やがて、この連続猟奇殺人事件の犯人は捕まるのですが、もう一つ別の新たな殺人事件が起こります。その犯人がアル・パチーノの若い警察官であったのかどうか?----この判断は観客ひとりひとりに委ねられる事になります。(私ははっきりと確信を持って、アル・パチーノが犯人であると思います。)

      恋人の部屋に帰って、ただ静かにじっと鏡を見るアル・パチーノ----。彼の脱いだゲイのシンボルである、革ジャンパーを肌にあてる彼女。このラストの鳥肌が立つような、心理的な凄まじさは言葉では言い表せないほどスリリングです。

      このラストのシーンにこそ、人間そのものが持つ二重性の凄さが、ギラギラとする感覚で描かれていて、だからこそ、アル・パチーノが最後の犯人でなければならないのだと確信的に思います。

      アメリカ国内での、ハード・ゲイの増加は、"男"の強調、"強さ"の誇示を指し示しているような気がします。だとすると、アメリカという国家そのものが、"強いアメリカへの回帰願望"をはらんでいるのかも知れません。
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      2016/05/04 by dreamer

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    クルージング [DVD] - ウィリアム・フリードキン | 映画ログ
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    JANコード:4548967239324

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