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新しくコメントされた映画レビュー

    魅せられて
    • 0.0

      96年ベルトルッチ監督作品。

      第49回カンヌ映画祭出品作品。調べてみると、パルムドールがマイク・リー『秘密と嘘』、グランプリがラース・フォン・トリアー『奇跡の海』、監督賞が『ファーゴ』のコーエン兄弟、主演男優賞が『八日目』のダニエル・オートゥイユ、女優賞は『秘密と嘘』のブレンダ・ブレッシン(すばらしかった。マイク・リーはなぜかおばさんを魅力的に撮る才能に恵まれている)。

      なんとも懐かしい。そして時は過ぎゆく。

      観ていないのは、審査員特別賞のクローネンバーグ『クラッシュ』だけか……。

      さて、本作が劇場公開されたとき、足を運びませんでした。そして、ソフト化されたとき、レンタルしませんでした。ベルトルッチ監督なのに、そこまで惹かれなかった……。つまり、まったく『魅せられません』でした。

      結果的にいうと、観なくても全く良い映画だった。

      19才のルーシー(バージン)はアメリカからイタリアはトスカーナ地方へとやって来た。連なる丘陵に果樹園がただ広がっているような田園地帯。

      亡くなった母の友人である夫妻(夫は彫刻家)の家に四年ぶりに滞在する。彼女のファーストキスはその四年前この土地でのことだった。彼女は相手との再会を心待ちにしていたけれど、この旅にはもう一つの目的があった。。。

      一夏の体験。ロスト・バージン。あんまりにも月並みで、やっぱりまったく『魅せられません』でしたね。

      若くて輝くばかりに美しいリヴ・タイラーの肢体をなめるように撮るカメラ。それはね、ドミニク・サンダでも、マリア・シュナイダーでも、タンンディ・ニュートンでも、エヴァ・グリーンでも、『孤独な天使たち』の名前を覚えてないお姉さんのときでも、女体をエロティックに(やらしく)、男性目線で撮ってたけど、なんかこの作品は通俗的じゃないかな。プールのシーンとか、アイドルのDVDみたいな感じ?

      それに、背景のトスカーナの風景描写も、旅番組か病院の待合室で流してる映像みたいだ。

      これが『ラスト・タンゴ・イン・パリ』とおんなじ監督かと心底驚かされる。

      しかも、イタリア側の人たちもなんだかよくわからない。隣の部屋に滞在している余命幾ばくもない小説家(ジェレミー・アイアンズ)の取って付けた感。当然だが、やがて病院送りになる。彫刻家の妻のあまりにも唐突すぎる告白。初恋の相手が遊び人というのもわかるけど、いくらなんでも、リヴ・タイラーに好かれてるのに、あの相手はないでしょ。

      ジャン・マレー扮する気難しい老人は、いったい何者なのか。なんで皆と暮らしているのか。車がパンクした軍人のエピソードはなんだったのか。???である。

      あ、ブレイク前のレイチェル・ワイズが出てました。。。ジョゼフ・ファインズも、ちらっと。

      とりとめもない感想になってしまいましたが、ほんととくに語りたくもないし、語らせるものもないし、なんであのベルトルッチがこんな映画を撮ったのか……。
      >> 続きを読む

      2020/07/03 by かんやん

      「魅せられて」のレビュー

    • 最後にかかる歌詞が映画の内容とまったく無関係な歌の取って付けた感も、ハンパないっす。 >> 続きを読む

      2020/07/03 by かんやん

    フランシス・ハ
    • 4.0

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      この映画「フランシス・ハ」は、自分の居場所を探して、日々悪戦苦闘する27歳を、主演女優のグレタ・ガーウィグが魅力全開で演じた作品だ。

      なんとも奇妙な邦題だが、これは原題通り。
      「フランシス」とは、この映画の27歳のヒロインの名前で、「ハ」はラストシーンでその意味が明らかになる。

      物語は、このフランシスと親友のソフィーを巡る、身辺雑記的なお話で、フランシスは、見習いのモダンダンサーとして芽が出ないまま、ニューヨーク中を転々としたあげく、故郷のカリフォルニアへ帰省したり、思いついてパリへ旅行したり、母校の寮でバイトをしたり。

      つまり、自分の居場所がないあげく、彼氏にも巡り会えず、結婚を控えた親友ともうまくいかず、それでも様々な壁にぶち当たりながら、行き当たりばったり、今日を乗り切ろうと悪戦苦闘する、おかしくも哀しい物語なのだ。

      というわけで、お話の方は極めて日常的な会話に終始し、劇的な展開へと繋がる事件も起きない。

      ところが、一度このモノクロ画面に引き込まれると、目が離せなくなる。
      なぜか? それは、フランシスを演じる新人女優のグレタ・ガーウィグの画面いっぱいにほとばしる、生きる力と言ったらいいか、とにかく魅力全開なのだ。

      モノクロだからか、画面は薄暗く、顔の表情もはっきりしないのだが、その全身から発するオーラはただ者じゃない。
      どこか、ゴダールの「勝手にしやがれ」のジーン・セバーグを彷彿とさせたりもする。

      もちろんこれは、秀逸なカメラワークと的確な演出力があってのこと。
      監督のノア・バームバックは、「イカとクジラ」で認められた才人だが、この映画では癖も臭みもなく、じつに軽やかな演出をしている。
      そして、全編に漂う自由な雰囲気は、持って生まれた才能だろう。

      脚本は、主演のグレタと共同執筆だというが、フランシスの人物像は、多分にグレタの実像に近いのかもしれない。

      ノア・バームバック監督は、映画の舞台となっているニューヨークのブルックリンの出身。
      一方のグレタは、フランシスが帰省するカリフォルニア州のサクラメント生まれというから、セミドキュメンタリーのようなもの。
      そのリアル感は、借り物ではない。
      >> 続きを読む

      2020/07/02 by dreamer

      「フランシス・ハ」のレビュー

    • 好きな作品です。映画館で観ました。ノア・バームバックの新作は、もはやNetflixでしか観られなくなってしまいました…… >> 続きを読む

      2020/07/02 by かんやん

    ベルトルッチの分身 [DVD]
    • ベルトルッチの分身 [DVD]

    • ジャンル: ミステリー・サスペンス , ドラマ
    • 監督: ベルナルド・ベルトルッチ
    • キャスト: ピエール・クレマンティ, ティナ・オーモン, ステファニア・サンドレッリ, セルジョ・トファーノ, ジュリオ・チェーザレ・カステッロ
    • 0.0

      1968年、ベルトルッチの長編三作目にして初カラー作品。

      タイトルに『ベルトルッチの』って、入ってなかったら、誰が観るのだろう。

      演劇の講師をしているジョゼッペは、情緒不安定な青年だ。ある日、彼の分身が現れて……。

      しかし、『フェリーニのアマルコルド』とか『トリュフォーの思春期』とか『コッポラの胡蝶の夢』とか、邦題に監督名入ってるの、誰が始めたのだろう。

      この作品を観て、ゴダールの影響とか、前の作品からの変化とか、後の作品の萌芽とかをシネフィル的に語ってみせることは難しくないのでしょう……おそらく……。

      しかし、この作品そのもの、作品自体を語るとどうなるのか。

      モリコネーネの特徴的な音楽、繰り返される赤と青の対比、演劇論、洗剤売りの女の子、ポチョムキン……それはそれで意外と語れるかもしれない(笑)

      ただね、頭でっかちの映画青年が撮った実験映画にしか見えないんですね。

      ハッキリいうと意味がわかりません!←これが言いたかった。
      >> 続きを読む

      2020/06/28 by かんやん

      「ベルトルッチの分身 [DVD]」のレビュー

    • 久しぶりに映画を観て、匙を投げた。

      2020/06/28 by かんやん

    ブレイブワン
    • 0.0

      ジョディ・フォスター製作総指揮・主演の2007年映画。監督はニール・ジョーダン。

      ニューヨークでDJ(その内容の空疎でキザなこと!)をしている白人のヒロインがインド系の医者(外科医?)であるフィアンセと犬の散歩中に、たまたまヒスパニック系の若者たちに絡まれ、暴行される。フィアンセは亡くなる。

      銃を購入しようとするが許可証の発行に30日かかると知りがく然とするヒロイン。しかし、店にたまたま居合わせた男から、非合法に銃を手に入れる。それから、コンビニへ行くと、たまたま殺人事件に巻き込まれるヒロイン。

      その後も、地下鉄でたまたま黒人二人組にナイフで脅されるヒロイン。夜道を歩いていたら、たまたま変質者から声をかけられるヒロイン……。

      一件だけ、自分から殺しに行ってる。

      「世界一安全な街ニューヨーク……」とヒロインはラジオで呟く。

      最近ではロンドンに殺人件数で抜かれたみたいですが、たしかに犯罪は多いのでしょう。でも、ヒロイン、巻き込まれすぎ!もはやたまたまとか確率の問題ではなくて、なんかもってるヒトだ。さすが映画の主人公である。

      アフリカ系アメリカ人の刑事にあまりにも都合よく助けられ、見事復讐を果たした彼女は、これからもニューヨークの犯罪者たちを銃で制裁してゆくのでしょう、たまたまに。

      クレーン撮影の多用が印象に残る作品でした。

      それにしても、ニール・ジョーダンは『プルートで朝食を』のあとに、この作品を撮ったのか!頑張って商業映画をつくって成功させて、本当に自分の撮りたい企画にチャレンジしていただきたい。
      >> 続きを読む

      2020/06/21 by かんやん

      「ブレイブワン」のレビュー

    • あ、ブレイブ(勇気)といっても、それは銃を所持した上でのことなんですね。

      2020/06/21 by かんやん

    • 相変わらず皮肉が聞いておりますなあ!

      2020/06/22 by Foufou

    イカとクジラ
    • 4.0

      父親視点で観るか、母親視点で観るか。
      公開当初に映画館で観た時は、父親のダメさはダメさとして、ローラ・リニー演じる母親の割り切りが馴染めず、反感を覚えたのを思い出す。要は、父親側母親側云々より先に、子供の視点でこの映画をとらえていたということですね。

      あれから十数年ぶりに再観して、断然母親に肩入れして映画を観ていることにいささかたじろぐ。離婚を決断したことについてそれを身勝手だと詰る長男に「こんなことで悩まないで。これは夫婦の問題なのだから」などとは今の私にも言えそうにないが、「お父さんのことはどうでも、あなたたちへの愛情は変わらない」という含意は(少なくとも私には)伝わるし、この場合の最善の慰めだろうと得心される。

      もちろん身勝手の謗りを免れるわけではない。離婚後の取り決めで土曜日は「父の日」なのだが、この離婚劇に心は路頭に迷って密かに拗らせている次男が母の家に庇護を求めると、「今日はお父さんのところでしょう」と窘められて、ふと見ればテーブルに空けられたワインのボトルと二人分の食事のあと。独善的で支配欲が強く、嫉妬深い夫から解放され、十数年前には「いい歳してなんなんだよ」と反発を覚えたはずのリニーは今観れば十分に若く、次男の不意の登場に眉をひそめる彼女に対してやはり感情的にはなるものの、敵意よりは同情の勝る年齢に私もなったということである。この十年の間に、私もまた結婚し、子どものいる身となった。夫の定年まで我慢して妻の側から離婚を切り出す、という話をかつてはよく聞いたものだが、あたら若さを消尽して耐えるとは、いかにも馬鹿馬鹿しい。傷つくこと、傷つけられることを恐れずに、邁進するほかないのである。人生はあまりに短か過ぎる。

      教え子に手を出すような夫に、今後再起の機会はあるのだろうか。復縁を申し出る男の情けなさが際立つ。それを涙を浮かべながら笑い飛ばす妻。動揺する息子たち。しかし妻は妻で、このまま割り切って生きられるのだろうか。夫以外の男だったら誰とでも寝る…では、早晩持つまい。私たちは死ぬまで試されるのである。

      映画祭で自作について語るノア・バームバックの講演がDVDの特典映像についている。顔立ちの端正な人だが、随分と手の小さい人だと驚く。肩幅も狭くて、華奢というより、女性の体に男の大きな頭が何かの間違いですげ替えられたような印象。撮影風景の特典映像もあって、現場を見守る人のうちにウェス・アンダーソンの姿が。ああ、彼らのこの体つき、誰を彷彿するといって、ウッディ・アレンだとひとり納得。インテリのニューヨーカーという色眼鏡も多分にあるでしょうけど。
      >> 続きを読む

      2020/06/22 by Foufou

      「イカとクジラ」のレビュー

    • そしてノア・バームバックも離婚いたしました。

      2020/06/22 by かんやん

    • 『フランシス・ハ』公開の年ですね…

      2020/06/22 by Foufou

    逆噴射家族
    • 0.0

      石井聰亙監督1984年公開作。原案は小林よしのり。

      ディレクターズ・カンパニーの作品は初めて観た。

      冒頭は高速道路とその両側に広がる新興住宅地の空撮。時代を的確に捉えている。

      郊外に念願のマイホームを買った四人家族の引越の情景から始まる。新しい希望に満ちたスタートである。しかし、老父(植木等が怪演)の同居(居座り)や白アリの出現により、その幸せは徐々に崩れてゆき、父親(小林克也が好演)は精神のバランスを崩してゆく。

      周囲から精神的に追い詰められてストレスが溜まって爆発するというストーリーは、まったく個人的に好きではないので、観ていてつらかった。イライラがうつっちゃうんですね。それに家族の危機にとくに説得力も感じないです。そういう作品ではない。

      シュールで狂的なものかと思うが、自分としては笑えなかった。まさか身につまされてはいないのだろうが。

      出社するシーンでは、自転車に乗るのですね(娘役の工藤夕貴と二人乗り)。バスは通っていないか、駅に近いという設定。それで地下鉄で都心へ向かう。おそらくゲリラ的に撮影したかと思う地下鉄や駅構内の風景が、なかなか面白い。Wikipediaによるとロケ地は浦安となっている。

      ふと思い立ち、会社を抜け出すシーンが『ジョーズ』の有名なシーンのパロディになっていて、小林克也の顔にズームアップしながらカメラ自体が引く。これレールとか用いずに手持ちカメラでやってるんですね。ブレまくりです。ここはおかしい。

      そして街を走る、走る、走る。躍動感のあるシーン。地下鉄の車両の中でも(意味もなく)走る、走る、走る。これもゲリラ撮影か、主人公の思いつめた表情、貼り付く前髪……ここでかかる音楽も相まって、一番の見せ場ではないでしょうか。

      ただ家族でそれぞれ武器を持って戦うところは、さして盛り上がらなかったような。

      そして、ラスト……よくこんなところ見つけたなあ、と驚くほどの広々とした空間。そして、その光景も開発中のほんの束の間のものでしかない、という。これもゲリラ撮影なのか。ほとほと感心いたしました。
      >> 続きを読む

      2020/06/18 by かんやん

      「逆噴射家族」のレビュー

    • 工藤夕貴がまだ子どもですね。13才くらいか。一方で植木等はまだまだ若い。おじいちゃん役といっても、まだ50代ですよ……。 >> 続きを読む

      2020/06/18 by かんやん

    抱擁のかけら
    • 5.0

      ペネロペ・クルスの美しさを最大限に引き出した監督は、間違いなくペトロ・アルモドバルである。というか、彼の作品に出演する俳優の誰もが、彼らの最も美しいありようをフィルムに刻印されていると言うべきだろう。それは何も人物ばかりではない。トマトの表面に涙が落ちる。そのシーンだけで、トマトってこんなに美しい野菜だったっけ? としばし茫然となるようなもの。ペドロ、あなたは魔法使いです。

      今作もアルモドバル的主題に満ち満ちています。しかしそれが同工異曲とならないところが、アルモドバルの天才たるゆえん。異性愛、同性愛、家族愛、そして映画愛。一作毎に愛の撚り糸の本数が増えて、豊かになっている。いやー、自分はなんとうかうかと生きてきたんだろうと、ちょっと見終わって軽く傷つきましたわ…。

      今月の終わりに最新作がかかるので、それはぜひ映画館で観たいと気は逸ります。
      >> 続きを読む

      2020/06/15 by Foufou

      「抱擁のかけら」のレビュー

    • あんなに女に執着する男はいない、と評された老年の実業家は、愛する女が女優業に熱を入れ始めたことに嫉妬し、自らその映画制作の出資を申し出、週末は女と過ごすため撮影を中断させる。老実業家は女をイビサ島の別邸に連れてゆき1日6回のセックスに及ぶというのだから恐れ入る。そしてこの男のゲイの息子(息子の部屋の壁に飾られた額縁がウォーホルを彷彿とさせる画風の銃の絵で、これがなんともふるっている)が、女の撮影現場を撮影せよとの特命を帯びている。カメラが入れ子で3台存在する映画。そして富豪は愛人の撮影現場を夜な夜なスクリーンに大写しにして観るわけです。スクリーンにペネロペが溢れ返る。スゴイわ…。 >> 続きを読む

      2020/06/15 by Foufou

    ガス燈
    • 3.0 ハラハラ

      心理的に追い詰められていく様子が恐ろしい。シャルルボワイエの演技が凄い。

      2020/06/14 by KTY3

      「ガス燈」のレビュー

    • フランス人かな?

      2020/06/14 by millefeuil

    フェリーニのアマルコルド
    • 5.0 切ない

      ネタバレ   このレビューはネタバレを含みます。
      "もう戻る事のない遥かな故郷とそこで過ごした哀歓に満ちた少年期を追憶する想い"

      この「フェリーニのアマルコルド」の原作・脚色・監督は、「道」、「甘い生活」、「8/1/2」などの映画で有名なイタリアの世界的な巨匠のフェデリコ・フェリーニで、この映画は彼の名作「フェリーニのローマ」の姉妹編ともいえるもので、彼の青年期を「フェリーニのローマ」で、そして彼の少年期をこの「フェリーニのアマルコルド」で私小説的な映画として描いています。

      多くの作家といわれる人々は、自分自身の幼い頃の思い出を書いた自伝的な作品がありますが、文学の場合は、どのような想念も自由自在に描写する事が出来るような気がします。不確かで曖昧な記憶は不確かなりに、超自然的な思い出は超自然的に、どのようにでも想念をめぐらし、思うがままに書く事が可能ですが、映画という世界では、その具体的な想念を映像化するためには様々な制約があり、その実現に向けたハードルも高く、なかなか思うようにはいかない気がします。

      フェデリコ・フェリーニ監督がこの映画で描こうとする思い出は、彼の15歳の時のほぼ1年間の出来事です。フェリーニ監督の生まれ故郷である、北イタリアのアドリア海に面したリミニ地方の、今は滅んでしまって誰ひとりとして使う人もなく、死語になっている、"私は覚えている"という言葉がこの映画の題名となっている「アマルコルド」です。

      そのような題名の付け方に、"過ぎ去った遠い幼き日々の思い出に忠実であろうとする彼の映画製作に賭ける姿勢が見られ、もう戻る事のない遥かな故郷とそこで過ごした哀歓に満ちた少年期を追憶する想い"が深く込められているように思います。

      フェリーニ監督は、幼くして母を失い、父は貧しい行商人で家にいる事もほとんどなかったそうです。しかし、この映画では、フェリーニ監督の少年期の分身ともいえる15歳のチッタ少年には、優しい母と、いつも家で口うるさい厳しい父がいます。

      そして映画は1935年の15歳のチッタ少年が経験した春夏秋冬の1年間を描いていて、この年は彼にとって色々な意味での別れの1年でした。母の病と死、片想いの年上の美くしい女性の結婚、学校生活の終わり。そして、それは彼にとって少年期からの別れの年でもありました。

      もう繰り返す事の出来ない、楽しく、もの悲しい少年期の思い出は、言葉よりは映像としてしか描きようがなかったのかもしれません。

      自分自身とその生きてきた社会の歴史とは、自分の記憶でしか確かめられないのに、"その記憶が幻想と交錯してしまう事の不確かさと断続性とを、情緒の面でとらえ、ストーリー性よりも、むしろ映像的に描こう"としているように思います。

      映画の画面の一つ一つがスケッチ風に非連続的な映像として、展開していきますが、白いポプラの種が春一番の風に舞う最初のシーンから、浜辺での結婚の宴が終わり、人々が散っていく最後のシーンまで、どの場面をとっても、その映像的な構図と色彩は美しく、心が洗われるようで、優れて絵画的でその映像美に酔いしれます。

      映画界に入る前には、似顔描きや、挿絵画家などで生計をたてていたというフェリーニ監督の経歴は、映像的な美的感覚に天賦の才能があったという事をうかがわせます。

      なお、この映画は1974年度の第47回アカデミー賞の最優秀外国語映画賞を受賞し、同年のニューヨーク映画批評家協会の最優秀作品賞と最優秀監督賞を受賞しています。
      >> 続きを読む

      2016/02/12 by dreamer

      「フェリーニのアマルコルド」のレビュー

    • フェリーニの中でも最高傑作の部類に入るのではないでしょうか?

      2020/06/14 by かんやん

    別れる前にしておくべき10のこと [DVD]
    • 別れる前にしておくべき10のこと [DVD]

    • ジャンル: ドラマ , ラブロマンス
    • 監督: ガルト・ニーダーホッファー
    • キャスト: クリスティーナ・リッチ, ハミッシュ・リンクレイター, カティア・ウィンター, リンジー・ブロード, スコット・アツィット
    • 0.0

      詐欺にあってしまった……。

      パッケージに『キッズ・オールライト』監督最新作とハッキリ書いてあり、つまり売り文句になっている上、裏のスタッフ一覧の監督の過去作にも『キッズ・オールライト』とある。

      だからレンタルしたんです。

      で、アレなんかおかしい……退屈……いつまで経っても面白くならない……んで、調べてみてら、この監督・脚本のガルト・ニーダーホッファーさんは、『キッズ・オールライト』に一切関係のない、赤の他人、だということが判明いたしました。真っ赤なウソであったということです。

      詐欺にあったというのは、そういうことです。お金と時間を返してほしい。こんなウソ許されるのか?

      まあ、つまらない映画を観ていると、熱中しないわけで、それだからこそ色々考えてしまう。どうすれば、この作品は救われるだろうか、とか。しかし、そんな義理もないわけでね。

      男と女が出会うという、映画が繰り返し描いてきた場面、もうそこからしてダメ。魅力なし、才能なし。そもそも、なぜこの役者を選んだ?

      退屈のあまり早送りにしようと思ったら、ホントに早送りのシーンがあったのには驚きました。

      それにしても、クリスティーナ・リッチ、あの豊かなバストはどこへいったんだろう?
      >> 続きを読む

      2020/06/14 by かんやん

      「別れる前にしておくべき10のこと [DVD]」のレビュー

    • 本当につまらない映画を観てしまった時には、何物にも代えがたい、過ぎ去ってしまった、かけがえのない"時間"というものを返して欲しいと思いますよね。 >> 続きを読む

      2020/06/14 by dreamer

    • そうなんですよね。ですから、たいへん気をつけているのですが、まさか詐欺にあうとは >> 続きを読む

      2020/06/14 by かんやん

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